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Mon, November 17, 2008 21:16:36

MAD MEN

テーマ:勝手にバイラルマーケティング

今年のエミー賞を受賞したドラマとして一部ではちょっとした話題のこのドラマ。

残念なのは日本ではまだ未公開でDVDもないというところ。

頑張ってインターネットの動画サイトで何話か見てみました。
それほど英語が得意でないので話していることの30%くらいはわかるのですが
アメリカのTVガイドの解説(これも英語ですけど)を頼りにストーリーを
理解しました。


エミー賞直後は日本語で解説しているサイトは少なかったのですが
王様のブランチで紹介されたのを皮切りにこの1か月半でいくつか
紹介サイトが出てきました。

ストーリーは60年代のニューヨークの広告代理店でクリエイティブディレクターをやっている
ドンが酒場でLucky Strikeの広告内容を考えているところから話が始まります。

世間的には煙草の害について問題になっている中どのようにPRするのか。
こんなテーマと闘いながら、野心家の広告マンや秘書との人間ドラマを楽しむ。

また『Mad Men』の舞台は1960年代のアメリカ。リアルに再現された作品という点で

かなり引き込まれます。

ファッションも当時を忠実に再現しているせいか非常にオシャレ。
映像も昔のドラマ風にアレンジされていてこだわりを感じる。

日本で放映されたらぜひ見てみたいですね。英語の字幕で何とか見たいという方はこちら。

Mad Men: Season 1 (4pc) (Full Sub Ac3 Dol Chk)
¥4,462
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Mon, November 17, 2008 13:43:26

ピープルウェア第二版―ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

テーマ:読書ネタ
「システムエンジニア、デザイナーなどいわゆるクリエイターと
言われる職種の人たちをチームとして機能させる」
これは今の私のテーマなのですが、一般的なチームビルディングの
書籍にはこういった特殊な?技能を持ったプロフェッショナルを
どのように扱うか、そしてどうしたら楽しいと思えるビジョンとなって
気持ちを一つにできるのかが欠けています。

この欠落していると思える2大テーマの前者はこの書籍、
後半についてはまた他の書籍で補完したので別の機会に紹介します。

ピープルウエア 第2版 - ヤル気こそプロジェクト成功の鍵/トム・デマルコ
¥2,310
Amazon.co.jp

さて、この本ですが、大元は89年に出したピープルウェアの第一版。
これに99年にⅥ章を追加することにより第二版としてます。
言いたいことは第一版でほぼ書かれており、ソフトウェアエンジニアリング
でエンジニアをどういう組織にするべきかということについて
バイブルともいえる内容です。

第二版で追加したⅥ章は自動翻訳を使ったのではないかというくらい
何が言いたいのかよくわからない内容になってますが、最後の最後は
きちんと翻訳したらしく、何とか本の体裁にはなっています。
せっかくの名著がちょっと台無しですね。

まず人材の考え方について説明しています。大事なポイントは
・ソフトウェア開発上の問題の多くは技術上のものではなく社会学的なもの
・スペイン流管理(地上にあるすべてのリソースは限られているので
 その中でいかに搾り取るかに重点を置く)では人は動かない
・人生というものを考えて人を管理している人は少ない
・エンドユーザの要求をはるかに超えた品質管理こそ生産性を上げる方法
・「与えられた仕事をするのに余る時間は全くない」というパーキンソンの法則
 はエンジニアには当てはまらない
 →つまり納期でプレッシャーをかければやりきるであろうという考え方は
  通用しない
・ラエトレイル(杏から取れるというがんの治療薬だが効果は?というもの)
 に引っかかる管理者は多いが、管理の本質は「働かせる」ではなく「働く気にさせる」
 ことである

次に労働環境について。
・プログラマのような知的労働者が日中に割り込みを入れてしまうことで生産性を
 下げていることはさけるべき(静かな環境なら1日でできることが日中のけたたましさで
 2,3日に伸びてしまうことへの懸念)
・パーソナルスペースの拡充など広くて静かな環境を用意することによりプログラムの
 質は格段に向上する

3つめは人材について。
・原則は3つ
 人材を揃える
 人々に満足感を与え、やめないようにする
 人々を束縛から解放する
・企業エントロピー(平準)は組織内では常に増加する
 →誤ったプロフェッショナルの定義により、没個性の集団と化す
 →管理者はこのエントロピーと戦い、部下の育成によりプロジェクトを活性化すべし
・オーディション(すなわち採用時にはテストしろということ)の必要性
・ここ(職場)にいるのが楽しいと思わせるようにすべし
 →退職ほど無駄なコストはない
・作業既定の類は業務がある程度、軌道に乗った時点で後付けで作ればよい
 (研修、ツール、レビューといった手法を用いる)→最初から型にはめるな

生産性の高いチームについては
・「挑戦」できる目標を共有し、一緒になって努力するようにする
・「目標」に会社の利益を混同してはいけない
・チーム編成の目的は目標の達成ではなく、目標に向かって一体になること
・結果として目標を達成できれば、より結束力が高まる
・結束力の高いチームの特徴は
 退職率の低さ
 アイデンティティ感覚(選ばれた自負)
 生産物共有意識(自分たちが作ったという愛着)
・チーム殺しとなる法則
 自己防衛的な管理
 官僚主義
 作業場所の分散
 時間の分断
 品質低減製品
 さばを読んだ納期
 チーム解体の方針
・裃を脱ぎ、部下を信頼して仕事を任せるようにすること。部下の自尊心にも
 配慮すべし。そうすることが最善を尽くさせる方法である。
・場所を隔離してプロジェクトを進める「スカンクワーク」は能率を高める
 (会社にとってのデメリットもあるが、管理者はこれと闘う必要あり)
・健全な会社にするための6つの手法
 品質至上主義
 満足感を与える打ち上げを用意する
 エリート感覚を醸成する
 チームに異分子を混ぜることを奨励
 成功チームを解散させないで保護する
 戦略でなく戦術を与える
・管理者はルール上同僚とはなれず、上からの指示や管理上の手続きをメンバーから
 取り除く役割を果たす
・リーダーはメンバーの誰もがやるということで、恒久的なリーダーは不要
・チームは階層構造ではなくネットワーク構造で

5つめは仕事は楽しくあるべきということでそのためのいくつかのTipsを紹介しています。
・試行プロジェクト
 新しくてまだ効果が実証されていない技術を試す機会
・プログラミングコンテスト
 あるテーマにそってプログラミングを行い、各個人の実力を比較するというものだが
 結果は公表せず、本人のみに伝え、業務上の評価にしないという形をとることで
 楽しくなるんだとか
・ブレーンストーミング
 なるべく多くのアイデアを出させることが目的
・実戦さながらの訓練
・教育、旅行、学会、お祭り、そして冒険体験

大体こんな内容で非常に参考になるところも多かったです。初版から20年以上も
経つというのに似たような失敗や誤った考え方というのはどこでも変わらないのですね。

99年の第2版(日本語訳は2001年)で追記されたところで参考になる個所があったので
そこを紹介しつつ本書評を締めます。

「満足のいくコミュニティつくりに成功した組織は人を引き付ける」
派閥と言われようが成功体験をしたチームの結束は必ず波及すると思います。
人はやめないし、いいものを作ろうというスパイラルも生まれる。
私自身がこの仕組みを理解していなくて迷惑をかけた人は数知れません。
それだけの仕事に耐えうる人を選抜しているということに自信を持ちながら
自らもマネージャーとして成長していきたいですね。
Sun, November 16, 2008 13:42:22

人を動かす人になれ

テーマ:ブログ
「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる/永守 重信
¥1,400
Amazon.co.jp

久々に会社の課題図書です。うちの上司がなぜこれを読ませたかったのかを
読みながらいろいろ考えました。

この本、会社でミドルマネージメント層が集まるリーダー会議で
全員に出された課題です。日本電産の永守社長の本です。

本自体は非常に読みやすく真剣に読めば1時間ほどで全部読めそうです。

あらゆるシーンでリーダーのあるべき姿をわかりやすい事例を
引き合いにして説明しています。
その中で気になる個所をちょっとピックアップ。

○ 一番以外はビリと同じ
これはいろんな人が同じことをいいますが、一番になるということは
本当に難しい。だからといって負け犬根性を出しているのはもっと最悪。

「私は一番以外が嫌いだったから一番だった」的な話は私自身が
一番嫌いなコメントです。それは単なる自慢にすぎません。
裏返すと自分のコンプレックスとも言えますが、私も中学生の時は
クラスで学業成績で一番だったり、会社の入社試験で成績一番だったり
したこともあったので「一番」の価値がわからないわけではありません。

この話が本の冒頭のストーリーですが、永守社長の本当に言いたいことは
一番でない人を駄目だと言っているのではなくチームで一番を勝ち取るために
一人一人を一流の人材になってほしいという熱いメッセージだったりするのです。

○人望を得るために必要な5つの条件
1.ギブアップしない
2.陰で悪口を言わない
3.ごまかさない
4.理詰めで人を追い込んでいかない
5.休まない

これは同意。ただしケースバイケース。理屈でものをいう人には
時には理屈で説き伏せる必要あり。
休む時もある程度やりきった後に迷惑をかけないように
みんなに任せるという方法で休みを取るということも必要。

基本的になかなかできないということを実践して見せて
周りが自分をリーダーとみなすという趣旨と言えるでしょう。

○周囲に反対されるほどのことを実現させてはじめて人がついてくる
私にとっての課題。それは安易に迎合してあとから文句を言いたくなるクセ。
それぐらいなら思い切って信じた道を突き進む。その時はNOといわれても
あとから別の形でねじ込む。

結果的に意味のあることをなしえたときに信頼できる人と思えるのでは?
ということです。

たとえばある事業を創造しプランを披露した時に実現すれば儲かりそうだが
いろんなリスクや手間が考えられるというシチュエーションがあるとしましょう。
そこで撤退してしまうことはよくあります。でもそこからが真骨頂でしょう。
ECナビもエニグモもそうやって結果を出し、尊敬されるカリスマを
生み出しています。


○大勢の部下を前に話すときはテーマを一つか二つに絞り込め
これって意外といっぺんに話を詰め込んでしまうということはありますね。
言いたいことをまとめる訓練になるので、テーマを絞り込むという
意識づけは重要です。

○人に動かされるのがうまい人は人を動かすのがうまい
これってどうなんでしょう?
自分のケースと考えるとまだまだ足りないことありますね。
このくらいのことは言わなくてもわかるだろうという気持ちがつい出てしまう
自分にとって相手の気持ちを察する力はまだまだ課題です。

○「3倍の法則」が女性を動かす
学生の時バイトでマネージャーをやっていましたが、このときの社員から
言われたことは、女性を使うということは相手に恋愛するくらいの勢いで
接しろということ。意味を取り違えると危険な話ですが、ニュアンスは
これに近いです。
指示、注意を与える、訴え事を聞く場合3倍の時間をかけるという
これもなかなかできない話。
それだけかける時間がどこにある?作るしかないでしょう。

逆にそりゃごもっともという感じでそれほど響かなかった話の例。
○いろいろな年齢層の社員と話せ

○残業する人よりも早く出社する人を重視する

○部下はたったこれぐらいのことに感動する

○権限委譲と責任委譲を勘違いしない

さて、ハイライト。これを読んでどう感じるか。

「魅力とは人をひきつける力の事。魅力があるリーダーは、
部下もひきつけ、導くことができる。そういう意味では、
魅力がある人に見られることは非常に良いことだと思う。
しかし、意識して魅力をつくる必要があるだろうか。
先ずは自分しかできない本当の自分の評価を向上させることが
大切で、魅力はその結果としてオーラのように体に帯びてくる
ものなのだと思う。」

「わたしは苦労こそ財産だと考えているが、この理由は
苦労には後で有形無形の大きな利子がついてくると実感しているからだ。
完成した製品そのもの、そして技術力がカタチある利子の代表である。
しかし、それよりも情熱、熱意、執念さえ持続することができれば、
不可能も可能にすることができるという自信と信念、
こうした無形の利子を得たことの方がはるかに大きな価値があった。」

多くの先人も言ってますが、あえて難しい道を取れということでしょう。
きっとそれは自分にとって大きな財産になるんだという矜持なんですね。
Sun, November 09, 2008 15:43:02

熊とワルツを

テーマ:読書ネタ

熊とワルツを

システムの仕事をしていると「リスク」という概念とは
切っても切り離せないのですが、体系的に学びたかったので
この本を読んでみることにしました。

ソフトウェア業界では有名なトム・デマルコの著で
「リスクのないプロジェクトには手をつけるな」という
強烈なイントロダクションから始まります。

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理/トム・デマルコ
¥2,310
Amazon.co.jp

ここで気がつかれた人もいると思いますが、この本は
一般的なシステム開発プロジェクトにおけるリスクを
扱った本であり、運用保守などシステムが絡む一般的な
状況やその他に企業におけるリスクの考え方などは
一切出ていません。

私としてもそういう個所については特に関心があったので
ちょっと残念。

ただ、リスクに関しては以下のように定義しています。
「将来起こりうる出来事で望まない結果を生むもの。
もしくは望まない結果そのもの」

そして冒頭の言葉はリスクを積極的に取りに行くことで
競争に打ち勝ち、自身の成長機会を得ると出ており
全般的なポリシーとしてはすごく共鳴できる個所が
あるのでそういう意味では面白い本と言えます。

この本は一般的な管理者がなぜリスクを管理しないのか
ということについて分かりやすい事例を用いて説明しており
不確定でコントロールできないことから考えないようにする
という悪循環を厳しく罰しています。

また、リスクの管理方法や定量化する方法についても
いくつか手法を載せており(デマルコの会社のRISKOLOGY
を推奨しているのにはちょっと閉口)私も実際にこの
ツールを使っていろいろ試しに遊んでみました。
ここでやろうとしているのはプロジェクトが完結する最初の
見込みのある日・ナノパーセント日からほぼ確実に納品できる
日の中で最も可能性のある日をプロジェクト終了予定日と
しなさいということのようです。

そのためにモンテカルロ・サンプリング法で500回もシミュレート
するというツールのようですが中身はなんてことのないExcelの
ワークブックです。ご興味ある方はこちらどうぞ。

http://www.systemsguild.com/riskology/

プロジェクトにおいては管理者はそこで得られる価値に対する
説明責任を負うべきという至極まっとうな話があります。また、
それに対し開発マネージャはそこにかかるコストへの説明責任を
負うべしということと不確定性のある問題(我々の業界用語?で
バッファと言ってますが)を考慮に入れよということ。こういった
ことは正論でありながらなかなかできないことですね。とはいっても

とはいってもこの辺に関しては説明するためのアイデア(引き出し)
をいろいろ身につけておきたいものです。事業プランを考案する
立場の人には避けて通れない道でしょう。

プロジェクトはインクリメンタル手法でプロジェクトを意味のある単位に
分割したうえで現在稼得価値(EVR)を算出して行けばプロジェクトの価値を
最大化して、リスクを相殺する賢明な方法と後半は締めています。
そのためにもプロジェクトは早く始めることが(仮にプロジェクトが
失敗に終わった場合でも)肝要ですという話でこの辺納得。いろんな前置き
が長くてなかなかプロジェクトの開始にたどりつけないケースもありますが
「すぐやる」という姿勢はいろんな意味でメリットがあるということなんですね。

ところで、自分が一番知りたかったことの一つに「何をリスクとして扱うのか」
というレベル感があります。開発の最中に地震が起きるかもしれないとかは
考慮に値しないのはわかりますが、たとえば当社のサービスでクチコミや
演出・エピソードという投稿系のものがあります。こういったサービスを
考案するたびに監視体制を増強しますが、「チェック負荷の増加」という
項目を本当にリスクとして挙げるべきなのか悩んでしまったりします。

ここではリスクの洗い出し(リスク・リストと言ってますが)は過去の案件
で問題になったことから出していくことについては記載があるものの、
そのレベル感については特には言及してません。これはつまり問題と認識
できたものはリスクとしておけということなのかもしれません。

そのリスクの対処は
避ける
抑制する
軽減する
かわす
となっており、まあ経験則からいっても妥当な内容です。

こういうことでリスクは管理できるという自信を持たせてくれる、
そんなお話でした。リスクって何だ?と思ったら読んでみる価値は
ありそうです。
Tue, November 04, 2008 10:12:56

ウォー・フォー・タレント(人材育成競争)

テーマ:読書ネタ
ちょっと古いビジネス書でも、読んでいないものは結構多いので 
タイミングが合えばいろいろ読みたいなあと思っております。 

そんななかで先の記事で紹介したTさんに「読め」と無理矢理(笑) 
薦められた本です。そう言われると余計読みたくなくなるのが人情 
なんですが、人間の器を広げるにはどんなことでも受け入れるという 
姿勢も大事です。 

さて、このウォー・フォー・タレントですが、マッキンゼーが 
2000年に行ったウォー・フォー・タレント調査に基づく結果のまとめ 
になっています。企業にとって優秀な人材を獲得することがいかに 
重要で、獲得した人材をどのように育てるかが企業としての勝敗を 
握るという考え方です。 
話はそれますが、私の好きなBuffaloBillsというNFL(アメリカンフットボール) 
のチームがあります。このチームは90年から93年まで4年連続スーパーボールに 
出場したすごいチームなのですが、当時のヘッドコーチだった 
マーブ・リービーの考え方は「各ポジションにおいて能力の高い 
タレントを揃えることが勝利につながる」といっており、その当時は 
腑に落ちませんでしたがこの本を読むと何となく言わんとしている 
ことがわかってきます。 

さて、人材マネージメントにおいてはリーダーは6つの行動をとるべきと 
書かれています。 
1.最も基本となる人材の要件を決める 
2.組織内の社員の評価・処遇には深く積極的にかかわる 
3.シンプルだが徹底した人材評価プロセスを実施する 
4.組織内のすべてのマネージャーに、マネージメント人材評価プロセス 
  を徹底して植えつける 
5.資金を惜しまず、人材に投資する 
6.自ら構築したマネジメント人材層の強さに対する責任を、その人材と彼らの上司 
  であるマネージャーがおう。 
会社で必要とされる人物像をきちんと定め、トップマネージメントは 
中間層となるリーダーの人事評価など積極的に関与してマネージメント人材 
プロセスを浸透させる必要があるということのようです。GEのジャックウェルチが 
「セッションC」という名前で各ユニットのゼネラルマネージャーの評価を 
行い、リーダー層の強さを定期的に(年間30日も費やすらしい)確認する 
という話を引き合いに出していましたが、確かにCAでは役員レベルの人に 
認知されている感はあるので、ここで書かれていることはあながち建前では 
ないと思います。後半の2つに関しては人事評価は信賞必罰を徹底し、Aクラス社員 
に権限・報酬をきちんと与える反面、業績の振るわない人に対してはきちんと責任を 
負うこととなっています。 

これらは至極当然ですが、実行するのは難しく、この本によるとマネージャーは 
自分の仕事の30%~50%はこの6つの行動に充てよと書かれていてことさらに 
難しさを増している感じがします。それでも時間を捻出し、マネージメント人材の 
話をするタイミングを少しでも作るところから始めてはどうかと説いています。 

この辺は自分の経験からもなんとなくわかる気がしており、会社のリーダーミーティング 
では人材関係の話を持ち出すことが結構多く、自分もどのように評価されているのか 
客観的に考える場にもなっています。 

では、どうしたらいい人材が集まるかの解はEVP(Employee Value Proposition)という 
キーワードで説明されています。いろいろ書いてあるが、私なりの解釈はモチベーションや 
インセンティブという考え方で包括されます。つまり何によってよい業績を生み出そう 
となる「エサ」(変な言い方ですが…)といえます。ここに書かれている例は 
ダブルクリックが「会社のエスプレッソマシーン」「無料サルサレッスン」といった 
表面的なものから自分で自分のキャリアをコントロールし、形成するチャンスを 
≪インターネット広告の新時代を切り開く≫というテーマで社員のやる気を 
俄然あげることに成功したという事例が書かれています。ネットバブルがはじけた後も 
トップ100の人材が流出しなかった事例は確かにすごい。 
このEVPを自社の目標に合わせて絶妙に用意することが重要なんだと言ってます。 
当然といえば当然ですが、形骸化している組織をいくつも見たので会社のトップは 
この辺真剣に考えないと、不況だといっても人材の流出につながりかねません。 

人材流動といえば、上位のポストに10~25%くらい外部からの人材受け入れを行うことは 
組織活性化に意義があるとも書かれています。内部の人間のモチベーションを削ぐことなく 
”優秀な”人材を外部から登用することでこういった人たちが内部の人たちのよい手本に 
なるという論理。ジャストアイデアですが、社員からアンケートとって外部取締役に 
なってほしい人を募るのも面白いかもしれませんね。 

またマネージメント人材がどのようにしたら育つのかという章では優秀な社員に 
すべてメンターをつけるとありました。なじみのない方に解説しますと「対話による 
気づきと助言による本人の自発的・自律的な発達を促す人」のことで俗にいう 
カウンセリングをこの制度を用いると「メンタリング」ともいいます。 
これによって正しい方向性を示してあげて、自信をつけさせることが大事とも 
書かれています。このメンター制度はやっている会社とやっていない会社は結構 
分かれていて、以前知り合いから「メンターってのをやらされてるのよー」という 
半ばいやいや引き受けている話を聞いた時には相手が気の毒にさえ思えました。 
この本はメンターの選び方も重要と書かれており、確かにやたらな人では逆効果だな 
という気がしました。 
今の自分にも適切なメンターは必要と思うのですが、なかなかそういう人に出会えません。 
自分の上司が何でも相談にのってはくれますが、やはり上司なので最低限の会話の 
マナーが存在するのでやたらなことは話せません。時には愚痴を聞いてくれる人という 
ことになるでしょうが、最後には自分の足りないものを発見して頑張ろうという気に 
させないとメンターの意味はありません 
 
人材育成の方法については実力以上の仕事を与え、ラーニングカーブをきつくすると 
あります。当然それで放置でなく、ゴールまで泳ぎ切れるように救命具もきちんと与えると 
いう方法で人は成長するんだそうです。加えて多種多様な仕事をさせることも大事と 
あります。いまやっているチームビルディングに関してはいいロールモデルがなかなか 
見つからない。自分で頑張って探してトライアンドエラーで自分もチームも成長 
させていくしかないなあと思いました。 

最後にはCクラス社員といわれる実力不足の人材に対する話が出ています。 
こういった人たちには実力を上げさせるためのトレーニングも行う必要もあるけど 
それでもだめならマネージメントコストもかかるので退職も含めて検討せよという 
ドラスティックな内容です。建前ではそうですが、なかなかそれを行うのは難しいものです。 

以上が大まかな内容ですが、当然ともいえる部分は多いのですが、そこに対する 
解説と論理がきちんと書かれており、納得ともいえる書籍でした。

ウォー・フォー・タレント ― 人材育成競争 (ハーバード・ビジネス・セレクション)/エド・マイケルズ
¥2,310
Amazon.co.jp


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