
甥っ子が、読みなさいと持ってきてくれた。
『明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子』(太田治子 朝日新聞出版)
『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(松本侑子 光文社)
太田静子は太宰に『斜陽』のモチーフになる日記を提供した女性。美知子夫人は身重だった。
「人間は恋と革命のために生まれてきたんだ」などは静子の日記から拝借したものだ。
山崎富栄は昭和23年太宰と玉川上水で死んだ。
当時、太宰ファンから、太宰を殺したと言われた。
「男の純情をどうしてくれるんだよ」とおれは言った。
「女の純情は?」と彼女は言った。
「女に純情なんかあるもんか」とこたえた。
「そうね」と彼女はいった。
いやはや、ひでーもんだ。
万葉から近松、男と女は所詮修羅場よ。
小器用に泳ぎ渡るものらもいようが、
わしらには縁のないやつらだ。
♪えんやこら今夜も舟を出す(黒の舟歌)
人間やっていくのも辛い。
上の二冊、女からの船出の唄です。
女にもてようと思ったら読んでください。