気温の割に湿度は低く、窓からの風もとても気持ちいいですね。
おそらく、1年を通じて最も心地いい時期なのではないでしょうか?
しかし、こんな気持ちのいい季節でも例年ほど気持ちが満たされない…。
それは、常に目に見えないリスクを感じながら過ごしていることが原因なんだと思います。
(震災直後から言われてはいましたが)東電や政府の情報操作や隠ぺいが明白になった今、
公開される情報を信用できるはずもなく、
そして、相手が目に見えない物質ゆえに、余計に疑心暗鬼にならざるを得ません。
そんな心の曇りによっていろんなことが楽しめず、いたずらに気持ちを暗くさせているようです。

代々木公園からNHK方面を臨む...
ややかすんで見えるのが放射性物質のせいではないか、
という気さえしてくるのは僕だけではないように感じます。
また、「風評被害」という言葉を耳にしない日はないくらい
日々被災地からの声をメディアは取り上げているのですが、
これもどうなんでしょうか?
適切な判断が可能な情報もないまま、「被害」という認識でいることにも違和感を覚えます。
「風評被害」で済むのならその方がまだましだった…
という事態も今後も十分にありえるわけですから、
政府や東電の、被害を少しでも少なく見せたいという思いによる
楽観的な見方は非常に危険だと感じていますし、
終始ギリギリのところでとどめようとしている対応にも疑問を感じます。
震災直後から言われていた欧米諸国の80kmエリアの線引きという
安全マージンをみた判断の方が適切だったと思えます。
その上で、被災地の人たちにはリスクを十分に説明し、
避難区域への立ち入りは自己責任とする方がクリアだったのではないでしょうか。
被災地、特に原発の近隣にお住まいだった方々には非常にお気の毒で、
また、残された動物たちのことも考えると胸が痛んでいたたまれないのですが、
いつ自宅に戻れるのかという話をするようなレベルではないということは、
現在のチェルノブイリを考えても明らかですから、政府はキチンと説明すべきだと思います。

マンションの裏庭の緑も活き活きとしていて気持ちいいです。
こんなにキレイな緑ですが、都内の空気もそれなにり放射線によって
汚染されていることは否定できず、この緑と環境汚染のコントラストが
何とも複雑な思いにさせます。
今、ここがどのくらいの放射線量なのか、自ら計測したい衝動に駆られます。
最近テレビでもよく目にするサーベイメータ(ガイガーカウンター)ですが、
その多くは「ALOKA」というメーカーのもので、
僕がまだ20代半ばの頃に勤めていたデザイン会社でデザインしたものだったりします。
テレビで見る限りでは、20年前のデザインと変わってない印象で、
つまり、本来はそれだけ需要がない特殊な製品であることの裏付けでもあります。
当時、僕はメインのデザイン担当ではありませんでしたが、
まさか、こんなにテレビで目にする日が来るとは夢にも思いませんでしたし、
一般的に見る機会がないにこしたことはない製品であることも間違いないですね。


↑残っていた当時のスケッチ。
デザインのことをよくわからないまま描いていましたね。
改めて見てると、今の自分なら...、という思いもたくさん湧いてきて、
懐かしいけど、ちょっと恥ずかしい。