身近なコンクリートは何ですか?
コンクリートブロックなんかは、ホームセンターで見かけますね。
また、骨折時に体に巻くギプス、は、石膏を用いていましたが、石膏は、水と混ぜると発熱しながら固まる性質と持っています。コンクリートに使用されるセメントと似た成分なのです。
コンクリートは、石や砂に、セメントペースト(セメントと水)を混ぜて作ります。石や砂を、セメントで接着した、いわば形を変えられる石、のようなものです。
コンクリートの力学的特性として、引っ張りに弱い、といわれます。引張りって何だと、まず疑問に浮かぶでしょうか。
まず、引張力の反対の圧縮力について。例えば、ピラミッドのように安定角でもって積んでいく限りにおいて、働くのは圧縮力です。
しかし、ビル内に部屋などの空間を作るため、天井のように直下に支えがないまっすぐな部材には引張り力がかかります。また、柱や壁のように直下に支えがある部材でも、地震や風などの水平力が働くと、引張力が働きます。
引張力に対してコンクリートは弱いので、鉄筋で補強されます。これが鉄筋コンクリートです。鉄筋コンクリートは最も使用頻度が高いコンクリート部材です。
一方で、鉄筋を使用しないコンクリート構造物もあります。重力式擁壁や、重力式ダムなどです。この構造は、引張りが働かないよう、どっしりとした形状にしたものです。重力で水平力に対抗するため、「重力式」とよばれます。
ライトアップされた日本橋(東京)。また、このようにアーチ状にすることによって、引張力を減らすこともできます。
引張力が減ると、部材が簡素になって材料費が安くなりますが、一方、設計計算や施工が難しくなります。
(西岡)