日本の道路行政について、真面目に考えるブログ


ブログはじめました。

ここでは日本の道路行政、特に維持管理について考えていきたいと思います。


第一回は「高機能舗装」について。

道路の構造をよく知らない人でも、最近高速道路や幹線の国道などで、

雨の日でも路面に水が溜まってない道路があることに気づいている方は多いと思います。


あれがいわゆる「排水性舗装」で、今は車両走行時の騒音も抑えられることから

「高機能舗装」として新たに道路を舗装するとき、多く施工されています。


初めて雨の日にあの舗装の上を走ると感動しますが、これが結構単純な構造で、

従来通りの水を透さない舗装の上に、水を透す目の粗い舗装をし、路面の下というか間に

排水経路(ドレン管敷設)を設けて枡に集め、側溝に排水しています。


この目の粗さが肝で、水の効果的な透過と騒音低減にはきちんとした隙間がないと

「高機能」は維持できません。これはアスファルトの成分・配合から骨材の大きさ・材質、

きちんとした施工など、結構高度な技術の成果です。


さて、こうして出来た高機能舗装も、日常の要に供せられているのですから、

当然に消耗、劣化します。普通に削れたり磨り減るのは仕方ないとしても、

「高機能舗装」の場合はくだんの「隙間」が砂や極小の石などによって詰まってしまっては

排水も騒音低減も出来ません。


どころか、「高機能舗装」は車の制動にかかわる路面のμ(摩擦係数)においては

従来の舗装にやや劣るため、単なるダメな道路になってしまいます。

(上述の欠点のため、一般道においては、交差点付近などではあえて排水性舗装は控えられています)


これを未然に察知し、予防的措置をとるために日本には「財団法人 道路保全技術センター」という

国の機関・国土交通省の特例民法法人があります。URLはhttp://www.hozen.or.jp/center/index.html


道路保全技術センターでは、車両による走行しながらの性能測定を可能にし、

排水性舗装の「目の詰まり度」を検査しています。

これにより、一般交通の妨げになることなく、道路管理者の効率的な予防的管理に貢献しているのです。



次回は道路保全技術センターの他の業務について、解説したいと思います。