こんにちは。「塾対象説明会レポート」で頻繁に登場しております、清瀬校の山﨑です。
今回は、「都立戸山高校」の塾対象説明会についてご報告させていただきます。
戸山高校は文部科学省の指定を受けた「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」、東京都教育委員会の指定を受けた「進学指導重点校」になっています。
また、平成28年度から国公立大学の医学部医学科への進学を希望する生徒がチームを結成し、互いに切磋琢磨しながら希望の実現をめざす「チーム・メディカル(TM)」が、東京都教育委員会の指定を受け、スタートしています。
「難関四大(東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学)+国公立大学医学部医学科」に、現役で、2019年以降、31→30→33と、安定した合格実績を出し、都立ではトップ3の「日比谷・西・国立」に次ぐ進学校です。
朋友清瀬校からも二年連続で、推薦入試での合格者を出しています
1、場所
東京メトロ副都心線「西早稲田」下車、出入り口3より徒歩1分
JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線「高田馬場」駅徒歩13分
2、教育目標
「国際社会に貢献するトップリーダーの育成」
・幅広い教養と総合力を培う教育の推進
・自主学習の推進と文部両道の実現(「勉強」と、「部活動や委員会活動」の両立という意味で、あえて「武」ではなく「部」としているとのこと)
・強い意志と高い志の育成
「学校教育を通じて育てたい生徒の姿」(推薦入試を考えている生徒にとっては特に重要となる)
・文系・理系を問わず、幅広い興味・関心を持ち、豊かな知識・教養と、未知の状況にも対応できる思考力・判断力・想像力を併せ持つ生徒
・集団の中で他者と協働し、高め合い、自らの主体性を持って行動し、社会に貢献しようとする強い意志と高い志をもつ生徒
3、「学び」の特色
①国公立大学受験に対応するカリキュラム
・1・2年次までは全科目履修→教養主義
・3年次に科目選択
②授業時間数と自主学習の確保
・3学期制、50分×6時間/日、土曜授業年間20回
・長期休業中の補講、学習時間調査、自習室の開放(平日20時まで)
③文理を分けないクラスでの学び
学校行事や部活動への参加→「文部」両道
④学びたいことをより深く学べる環境
知の探究、SSH、TM
※共通テスト、新学習指導要領にも対応する学び
4、2021年度入試結果
<推薦入試>
〇募集人員・・定員の2割
〇配点・・コロナ禍で変更あり
調査書点450点、個人面接点150点、小論文点300点の合計900点満点。
※コロナ禍の影響で、「集団討論」は実施せず。
男子 受検者129名→合格者32名(実質倍率4.03倍)
女子 受検者150名→合格者30名(実質倍率5.00倍)
【参考】2020年度入試の配点
調査書点400点、面接(集団討論・個人面接)200点、小論文200点の合計800点満点
※集団討論は、原則として1グループ6人、30分程度での実施となる。
〇推薦選抜で本校の期待する生徒の姿・・「リーダーとして活躍した経験があり、将来にわたり、リーダーとしての資質を伸ばそうとする生徒」
〇推薦選抜の小論文(50分)
「社会的分野」と「理科的分野」から各1題出題。
資料を読み取り、思考・判断し、論理的に表現する→総合的な学習能力を見る
【2021年度推薦入試での出題内容】
1、裁判員制度について(社会的分野)
2、音の仕組みについて(理科的分野)
〇推薦選抜の個人面接
複数の面接官と約10分(応募人数等により変更あり)
→「自分について、素直に表現できるか」
・中学校で何をしたか(学習やその他の活動)
・戸山高校に入ってやりたいこと
・将来の希望 など
<一般入試>
〇募集人数・・定員の8割
〇配点(合計1000点満点)
学力検査5教科500点→700点に換算
(国数英の3教科は自校作成問題)
調査書点 換算65点→300点に換算
(音・美・保体・技家は2倍)
男子 受験者250名→合格者136名(実質倍率1.84倍)
女子 受験者220名→合格者125名(実質倍率1.76倍)
◆受検者の科目別平均点◆
【国語】男子67.7点、女子68.3点
【数学】男子52.3点、女子46.3点
【英語】男子58.8点、女子58.3点
【社会】男子81.9点 女子79.6点
【理科】男子78.0点 女子74.4点
※科目別での細かい分析については、塾内の父母会及び面談等でご説明させていただきます。
5、進路指導のポイント
①「組織的な対応で、様々な課題に対応する」
・年間15回の進学対策会議で課題を分析
・ケース会議や全員研修会での情報共有
・模試のたびに結果の分析検討会を実施
・コロナ禍のオンライン授業や新テストへの対応も組織的に実施
② 「一人ひとりを見守り、丁寧に、個々に応じた指導をする」
・文系も理系も。国立も私立も。
個々の希望に合わせた志望を支援。
・クラウドを活用した丁寧な分析に基づく、担任による面談を実施。
・100近い夏期講習。
放課後などの補講や個別の添削指導も実施。
③「これからの時代に適合した力を育成する」
・変化の時代に即応できる思考力・判断力・表現力を育てる。
・文理分けしないカリキュラムによる幅広い知識を備えたリベラルアーツ教育。
・GIGAスクール構想にも対応した「Microsoft Office365」を日常的に活用。
6、2021年度大学合格実績 ※()は現役合格者数
◆国公立大学・・197名(145)
東京大学13名(8)、京都大学2名(2)、一橋大学9名(8)、東京工業大学10名(9)、北海道大学13名(8)、東北大学10名(6)、名古屋大学2名(1)、大阪大学5名(3)、神戸大学4名(4)、九州大学1名(1)、千葉大学15名(14)、東京農工大10名(6)、横浜国立大学15名(13)、東京医科歯科大学2名(2)など
◆主な私立大学
早慶上理・・266名(175)
早稲田大学91名(63)、慶應義塾大学39名(18)、上智大学32名(27)、東京理科大学104名(67)
GMARCH・・327名(228)
学習院大学19名(14)、明治大学133名(95)、青山学院大学27名(19)、立教大学46名(35)、中央大学67名(41)、法政大学35名(24)
◆医学部医学科
・国公立大学14名(6)
東京大学(理Ⅲ)1名、東京医科歯科大学1名(1)、山形大学1名、新潟大学1名、山梨大学2名(1)、岐阜大学1名(1)、三重大学1名、香川大学1名(1)、その他5名(2)
・私立大学 14名(4)
慶應義塾大学2名(1)、杏林大学4名(2)、順天堂大学1名(1)、東京女子医科大学1名、その他6名
最後に、他の都立高校にはない、戸山高校の最大の特徴である、「チーム・メディカル(TM)」について説明をしておきましょう。
まず最初に話が出たのは「『チーム・メディカル』は医学部進学へ向けての特進コースではない」ということでした。あくまでもほかの生徒たちと同じ戸山高校のカリキュラムで勉強したうえで、TMの活動を行っているとのことです。私立の医進クラスや特進クラスのように医学部を目指して特別なカリキュラムでふだんから授業が行われているということではないのです。
入学後のガイダンスの後、希望者を募って、多くても30人くらいの人数になるように選抜しているとのことです。
現在の在籍数は、高1・・23名、高2・・31名、高3・・14名、TMplus生・・12名、となっています。
TMplus生とは、2年生まで部活や委員会などを優先していた生徒で、高3から医学部を志望し、TM生と同様の支援を必要とする生徒のことです。その場合、TM生へのものと同様の支援を行うということです。
具体的な内容は以下の通りです。
「TM 3つの柱」
① 医師へのキャリア教育
② 大学医学部の研究
③ 国立大学医学部進学対策
<1年生・2年生>
「学習習慣の定着」
→TeamsやClassiに、毎日の学習時間を入力
「学習到達度の把握」
→スタディサポートを年2回実施。学習到達度を知り、弱点を補強
「意識を高める」
→個別面談を通して高い目標を維持
<3年生>
① 医学部入試の最新情報の提供
② 予備校との連携
③ 志望校マッチングや弱点教科の補強
④ 小論文指導や面接指導
朋友では、少しでも正確で適切な学校情報及び入試情報を塾生や保護者に提供できるよう、現場で生徒を教えている正社員講師が、毎年いろいろな学校の塾対象説明会に足を運んでいます。