完璧なる奇行 | 坂本龍~今夜は泡風呂ぐ~

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たまに、ごく稀に、
奇行 を開催したくなる時がある。


そもそも平日の昼間まで寝て適当に起きて
ほぼ朝じゃんと言う時間まで曲を作る
そして酒を飲む、

というフリーランスさながら
一般の方とは一線を画したlifeのstyleを
aliveしてしまってる以上、
生活そのものが奇行だと指摘されても
グゥの音も出ないのであるが、
ここで言う奇行とは、その上をいく、
と言うかその、計算的に、自覚的にやる
奇行である。


つらつらと御託を述べてしまったが
つまるところ俺が今回開催した奇行は...




『ベランダで1人パーティ』




である。

どうだい。奇妙だろう?
得体が、知れないだろう?


そう。兼ねてから脳の奥底で
やってみたいという念があった。
その都度、何を言ってるんだお前は
と言う別人格のまともな自分が
それを押し殺してきた訳だが、
この度その想いが暴発したのである。

ベランダで1人パーティの概要は、
それはお金持ちがたまにやっている
自宅の広い庭でキャンプしてみた!
的なやつの、そこから着想を得た
廉価版的なやつだ。


思い立ったが吉日、
俺はおもむろにスーパーへ突撃し、
着の身着のまま肉、野菜、酒を購入。
やがて夜も更けた頃、念願の
奇行が開催されたのである。


大阪市の秩序が確実に乱れた瞬間だった。
否、西日本と言っても過言ではない。
皆が日々のルーティンを実行する中で
俺は完全にそのムーブを掻き乱していた。

ルーティンとは程遠い、なんだろう、
鬼逆ルーティンである。



細長い、ごく一般的なベランダだ。
成人男性にはもちろん狭い。
そこに椅子と、切った食材を設置して
IHコンロと鉄板を用意する。


なんだこれは。



既にもう、良い。



良過ぎる。



季節も相まって心地の良い夜風と、
たまに通る車の風情が侘び寂びを
生み出していた。


何より、『俺は何をやっているんだ』
という行為を、わざとやっているのが良い。


いや、俺これ敢えてやってますからwww
こんな事やっちゃう自分
割と嫌いじゃなくてwww



と、そういうスタンスを突き通した。




景気付けに、肉から焼く。

兼ねてから不思議に思っていたのだが、
普通にキッチンのコンロで調理するよりも
鉄板と高火力の調理というのは
良い感じに香ばしくなって
食材が美味しくなる気がする。


めちゃくちゃ美味い。


※念のため書きますが
最上階&角部屋なので上下左右、どなたにも
煙などによる迷惑をかけないという
配慮の上行っております。


そして、俺は調子が悪い時、脂身が多い
肉を食べると梅雨時期のダムくらい
お腹が決壊するのだが、
それを見越して凄まじいほどの
キャベツを食べると大丈夫、という事を
最近発掘したので、凄まじいほどのキャベツを
食べる。

ありがとうキャベツ。
キャベツがTwitterしてたら
フォロワー150万人くらいいるだろうな。
すごいよ。
で、たまに高飛車な発言して
炎上してそうだな。
そこも好き。







確かに俺は今、
ベランダで1人パーティを行なっている。


亜空間だ。


もし俺が外国人で、
飛行機で日本に来日したとして、
その飛行機の窓から
ベランダで1人パーティをしている人間を
目の当たりにしたら、
間違いなくそれを超えるインパクトは
これ以上もう無いだろう。


『おいジェシカ!あれを見てくれ!ほっそいベランダで何か焼いて食ってる日本人がいるぞ!!』

『笑わせないでジョセフ、そんな筈がない』

『本当だ!あれを見てくれ!』

『やだ...本当じゃない...もう帰りましょう』

『だな...この国は狂ってる...』





こうならざるを得ない。


伝統深い日本の旨味を、
俺の奇行が全て奪い去ってしまうのだ。



そんなこんなで、
様々な外国人の旅行を挫折させている最中に
俺はエリンギやら、鶏肉やらを
めちゃくちゃ焼いていて、
なんかもうめっちゃ楽しい。


1人って昔から嫌いじゃなかったけど、
これはもはやもう1人の自分と遊んでるので
実質2人だ。


程なくして食材が尽き、

『絶対にまたしよう』と思った。




そしてリビングに戻った時、
小さめのムカデが出た。



恐らくIHコンロのコンセントを引くために
1cmくらい解放しなくてはならなかった窓の
その隙間から侵入したのだろう。


『もう絶対にしないでおこう』



と、たった2分で気持ちが逆転した。


幸い小さめだったので処分したけど。



今回行った奇行、

ベランダで1人パーティは
絶対にまたやりたいけど
絶対にまたやりたくない


と言った、シュレディンガーの猫みたいな
結末に終わった。




皆様も是非、自宅のベランダで
パーティをし、
それに基づいた論文を書いて欲しい。


では。