VOX 1963年 JMI AC-30 Integral Top Boost Black | HOWL GUITARS
2017年04月03日 16時40分02秒

VOX 1963年 JMI AC-30 Integral Top Boost Black

テーマ: Amplifier
ナマステー

HOWL GUITARSのhiroggyです。

もはや恒例のイントロ文で、インド一人旅の中で起きた事などを面白おかしく文章に表してみようと思います。

これまで書きためた旅行記は 「インド旅行記」 ブログテーマでまとめていますので、気になったら見てやってください。

神聖な村、ハンピで起こったスピリチュアルな出来事編。

楽器説明文と写真だけ見たい人はサーとスクロールダウンしちゃって下さいヾ( ´ー`)


インド旅行記 (11) ハンピ・お祭り騒ぎ 編 「ハンピの絶景」

絶景。ずうっと遠くまで続く、巨石。地面を埋める巨石。どこまでも巨石。大小、形も様々だけれど、小さなものでも一軒家くらいの大きさだ。奇妙なバランスで積み上げられた巨石。どうやったら自然にそう積み重なるのだろう。大昔にここで巨人が積み石遊びをしていたのかもしれない。と本気で僕は思った。空と地平線の境目は霞んでぼやけている。後ろの方を向けばさっきまで歩いていたハンピバザールからヴィルパークシャ寺院、それからその横を流れているトゥンガバドラー川。その対岸に点在する寺院、濃い緑色の田園地帯、全部が小さく見える。まるで日光の東武ワールドスクウェアのミニチュアみたいに見える。僕は時間を忘れてしばらく動くことも無く、座ることも無く、ただ棒立ちしてその非現実的な光景を見ていた。この絶景を前にして僕は写真を一枚も撮らなかった (そもそもこの旅にカメラを持ってきていない)。僕の一対の瞳はカメラで脳はコンピューターとなっていつまでもこの光景を記憶するから。

見晴台の淵には柵が無く、おそるおそる下を覗くとさすがに足がふるえてめまいがした。無意識のうちに 「死ねる」 とポツリひとこと口に出していた。身投げするには絶好のポイントだった。急な強風、急に現れる毒ヘビ、急に背中を押す無差別快楽殺人犯。そんな言葉が素早く頭の中を巡った。怖くなったので膝をついて断崖絶壁の淵からあとずさりした。今思うとずいぶんみっともない格好だった。僕はそこから1メートルくらい離れて座った。しばらく目の前に広がるハンピの巨石群を眺め、涼しい風が吹き上げ、汗で湿ったシャツを乾かした。風の音だけがわずかに聞こえるだけの、静かな丘の頂上には僕のあとに続いて登ってくる人もいなかった。
日本人は高額な買物を決断する時に、よく 「清水寺の舞台から飛び降りる気持ちで」 と比喩することがあるけれど、ここの人たちは「おいら昨日奥さんに黙ってやっちまったよ。前から欲しかった翡翠のガネーシャ像、わかるだろ?おいら遂にハンピの丘から飛び降りたぜ」 とか言ったりするのかな。
シャツが乾き、僕は立ち上がってもう一度ぐるりとハンピ全貌を眺めて、そこから立ち去った。

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では本題の楽器紹介へ移ります。

今回ご紹介するヴォクシーアンプくんは

VOX 1963年 JMI AC-30 Factory Top Boost Black [Integral Top Boost]



スーパーレアなIntegral Top Boost仕様の1963年製 VOX AC-30が入荷致しました。

今回の個体はなかなか見つけるのが困難なIntegral Top Boost初期仕様のAC-30の個体です。

もともとTop Boost回路はECC83を一本使用した "トーン追加キット" で、ファクトリーで出荷時から装着済みだったにしろ、一般のアンプ店で後付けされたにしろ、バックパネルのカヴァリングを一部剥がし木部をカットしワイヤリング作業をして仕上げるという、どちらにせよ手間がかかる作業でした。それに背面に付いたコントロールノブは操作性が悪かったこともありました。また一部の消費者はコストを安く済ませるため (当時工場にTop Boost取り付けを頼んだり、Top Boost仕様の新品をオーダーするにはオプションの費用がかかったため) Top Boosst Kitのみ購入しDIYでバックプレートに取り付けたりしなければならなかったなど、ある意味JMI VOXにとっては 「改善が望まれる」 オプションでした。

そうして1963年末に、これまで背面後付けだったTop Boost回路をアンプシャーシ内に直接組み込み、コントロールパネルのトーンセクションにTONEの代わりに新たにTREBLEとBASSコントロールを追加した仕様のことを 「Integral Top Boost」 と呼びます。
64年から出始めたグレイパネルのTop Boostモデルには標準仕様となりましたが、1963年末のごく短い期間のみ、このIntegral Top Boost仕様がCopper Panelに組み込まれた個体が存在します。

資料によると各モデルの生産された割合は

1963年3月〜1964年1月 : 75% Normal / 22% Bass / 3% Top Boost

1963年当時のOriginal Top Boost回路内蔵の生産台数は他のモデルに比べると圧倒的に少ないのが上の資料でわかります。

カヴァリングについて、
黒色のカヴァリング、おなじみのBlack Basketweaveですが、実はかなりニッチなBasketweaveの仕様。この一台はBasketweaveが最初に採用された時期の個体で、これをVOXマニアの間では "1st Basketweave" と呼ばれています。なぜ1stかというと、63年末に実験的にBasketweaveが使用されましたがわずか一ヶ月で濃いグレーのCharcoalに変更されてしまったからです。わかりやすく時系列で並べると

1963 初期 ー Smooth Black
1963 中期 ー Pepple Black
1963 末期 ー 1st Basketweave
1964 初期 ー Charcoal
1964 中期 ー 2nd Basketweave

おおまかですがこのようになります。細かいことを言うと、AC4/AC10/AC15など各モデルによって使われたカヴァリングに時期の差があり、ストックが切れるまでは残っているカヴァリングマテリアルを使ったりと過渡期の仕様も存在しますが、AC30 TWINに限って言えば1963年11月から12月までの一ヶ月のみで、存在台数は100台も無いと言われています。

1st Basketweave Black Covering, Brown Grill Cloth, Integral Top Boost Copper Control Plate, 2x Celestion Blue AlNiCo T.530 Speaker, No Corner Protector, Thin edge, Albion TransformerのVOXマニアを唸らせるJMI期の黄金スペック。

サウンドの特徴はハイレンジの抜けが良く、しかしながらCopper Panelのミドル強めの古くからのVOXサウンドを残したいいところ取りのキャラクターです。Copper PanelとGray Panelのハイブリットと言ってもいいかもしれません。

Divided by 13のFRED TACCONEによってメンテナンスされ米国のMaverick Musicの元所蔵品だった一台。

当店入荷時に真空管交換等メンテナンス済みです。オリジナル度の高い状態をキープしている素晴らしい一台です。

それではお写真を公開します。



VOXロゴです。オリジナルのブラウンダイアモンドグリル。63年までの仕様のコーナープロテクターが無いThin Edgeのキャビネット。



Top viewです。Copper Panel、SBUハンドル、ブラックベンツ。Integral Top Boostになってから各コントロールのスペースが全体的に狭まりました。



パネル左側です。各チャンネルのHigh(下段)&Low(上段)インプットとVibratoのSpeed&Tremolo切り替えです。



パネル中央です。各チャンネルのVolumeです。Vibrate-Normal-Brilliant (Top Boost)



パネル右側です。激レアのIntegral Top Boostのセクション。TONEコントロールレイアウトはTREBLE / BASS / CUTになっています。TrebleとBassはBrilliant (Top Boost)チャンネルのみでCUTは全チャンネル共用です。



back viewです。オリジナルの極初期 1st Black Basketweave Covering。



バックパネルのモデルプレートです。Original Top Boostですが4桁ナンバーにNの刻印となっております。1964年から始まる5桁シリアルナンバーになってから"TB"の刻印が入り始めるため、63年まではTop Boost仕様であっても"TB"の刻印は入りません。



バックパネルを外した状態です。安全のため電解コンデンサーは交換されていますがそれ以外はほぼオリジナルの状態です。



シャーシ左側です。電解コンデンサーのみ交換されております。



シャーシ中央です。カップリングコンデンサーはWIMAで統一されています。64年にWIMAからMullard Mustardに変更されていきます。



シャーシ右側です。÷13のFRED TACCONEによってH.T Fuseとハムバランサーが追加されています。



シャーシを外した状態。スピーカーはオリジナル 12" Celestion T.530 AlNiCo Vox Blue。デイトは両方共 に「JH」1963年9月製造。



左側です。オリジナルコーンの状態も良く大変貴重なスピーカー。



右側です。オリジナルコーンの状態も良く大変貴重なスピーカー。



取り外したシャーシ部分です。貴重なOriginal Albion Transformer。



とても貴重なオリジナル Albion Main Transformer



オリジナル Albion Choke Transformer。メインの電解コンデンサーは安全のため交換されております。



とても貴重なオリジナル Albion Output Transformer



シャーシ内部です。安全のため電解コンデンサーとカソードバイアス用の抵抗は交換されております。



シャーシ左側です。Albionメイントランスの裏側が確認できます。とても状態が良いです。



Albionメイントランスの裏側です。ここまで綺麗にラベルが残っているとは。



シャーシ内部中央。パワー管のカソードバイアスの抵抗とバイパス用の電解コンデンサーは交換されております。



Albionアウトプットトランスの裏側が確認できます。とても状態が良いです。



Albionアウトプットトランスの裏側です。メイントランス同様にラベルが綺麗に残っております。奇跡です。



Albionアウトプットトランスの側面です。まさか!デイトスタンプが残っていました。多くのVOX AC30の内部を見てきましたが、ここまで完璧な状態のトランスは稀です。デイトは63年10月14日です。
Integral Top Boost、1st Basketweave Black Covering、トランスのデイトなど全て時期が一致しています。






大変貴重な1963年製VOX AC-30 Integral Top Boostです。

ここまでレアなスペックが揃った個体はなかなか出会えません。

Integral Top Boostがついてるので使い勝手が大変良く、バランスの良い出音。

VOX特有のパンチの良さ、きらびやかさは極上です。

オリジナル度も高くコレクタブルな個体です。

お探しの方はこの機会に是非!


hiroggy
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