プレイバック日本一周の旅に戻ります。この時の旅の一番最北、新潟県新発田市にある古刹」「菅谷寺」を訪ねます。我が家を出てから11日目、ここからUターンし、各所を回りながら帰路につきます。

 

 

 

 

 このお寺は、「菅谷(すがたに)不動尊」の通称で知られ、日本三大不動尊の一つともいわれているそうです。眼病に霊験あらたかだとかで、各地から参詣者が訪れます。

 

 寺伝によれば、今を遡る800年前の鎌倉時代、源頼朝の叔父護念上人の創建とされます。護念上人は、比叡山で修行中でしたが、平家の圧迫から逃れる際、帰依していた比叡山無動寺の不動明王の頭部だけを笈に納めて諸国を行脚した後、当地に堂宇を建て安置したと伝えます。

 

 この山門は、慶応2年(1866)に上棟した総欅造りの楼門です。桁間には十二支の彫刻が施されています。

 

 

 

 山門の両側に立つ仁王像には、噛み潰した「紙つぶて」を自身の躰の悪いところに相当するところに吹き付けて、病気平癒を願うという信仰があったそうで、今もその信仰の跡がうかがえます。

 

 

 

 承元4年(1210)、源実朝の寄進により建立された七堂伽藍は、建長5年(1253)の落雷によりことごとく焼失しました。現在の本堂は、明和7年(1770)に再建されたものです。

 

 

 

 

 本尊は護念上人が比叡山無動寺から請来した不動明王です。この不動明王は、伝承によればインド人の毘首羯摩(びしゅかつま:帝釈天の弟子とされる伝説上の人物で、仏師の祖とされる)の作とされ、インドから唐を経て比叡山を開山した最澄によってわが国に請来された、いわゆる三国伝来のものと伝われます。

 

                                             2011.春