安国寺を訪ね終え、地方道を飛騨古川に向かいます。しばらくゆくと、飛騨市国府町木曽垣内にある「阿多由太(あたゆた)神社」がありましたのでお参りします。

延喜式神名帳の飛騨国八社の一つとされ、由緒ある神社とされます。しかし、異論もあり、論社となっています。

この神社の創建年代は不詳です。江戸時代には「権現宮」と称していました。文化年中に式内社「阿多由太神社」と比定され、そのころから改称したと伝えます。主祭神は「大歳御祖神・大物主神」です。
拝殿の奥にある本殿は、ここも鞘堂に覆われてその姿がはっきりしません。

この神社は『延喜式神名帳(927)』に記載された飛騨式内八社の一つとされます。本殿の両側に置かれた木造随身(県重文)は、平安時代末期の様式をもち、神社の由緒を物語ります。
現在の本殿(国重要文化財)の建築年代は、室町時代末期と推定されます。三間社流見世棚造・杮葺です。簡素ながら素朴で優雅な形態と、彩色を施さず良材の美しさ、強さを生かした精巧な造りに飛騨匠の技と感性が遺憾なく発揮された、飛騨中世文化を示す建物です。

㊟この写真は、神社前に掲示されていたものです。 2017.04.19