入院中は、

ただ点滴を受けて

傷口のガーゼの交換を受けるだけ、

後はする事が無いからと言って、

皆さんが集まっている所でお喋りしたいと思っても、

抗生物質で化膿するのを止めているので、

免疫力も落ちているから、

そこで無防備にお喋りしていれば雑菌が入りやすいので危ない。

 

仕方が無いので病室で静かに寝ているか、

本を読んでいるか新聞に目を通すしか時間潰しは無い、

それも難しい本だと飽きてしまって読みたく無いので、

写真の入った専門の雑誌を読んでいました。

 

それもしばらくだけで、

後はこの後どうなるのだろうとか、

これからアチコチ悪くなって入院の繰り返しがあって、

その内家に帰れなくなって、

人生が終わるのかも知れないと、

マイナスの考えが頭の中を占めて来る。

 

それが大きくなってくると、

どうしょうもない落ち込みに入って

ウツ状態の手前まで来るので、

何処かでマイナス思考が抜け出さないとダメだと焦る。

 

それでも人は生まれたら必ず死ぬのだから、

貴方は後期高齢者まで好き勝手な事して生きたのだから、

そんなモノでしょうと、

他人からは言われそうと思うと、

今度は自暴自棄になってくる。

 

そうなれば病室に出入りする看護師さんに辛く当たる、

そんな事したら自分に不利なのは分かっているし、

病気は自分がなったのだから、

それを直して欲しいから入院して

病院の医師や看護師さん達に助けてもらいたくて入っているのに、

本末転倒の事をしてしまいそうになる。

 

こんな思考が常に頭の中をグルグルと回って、

ますます落ち込んで行く、

この負のサイクルから抜け出す為に退院したら、

美味しいものを食べに行こう、

何処か旅行に行こう、

人生を楽しんで遊ぶ為に、

今は辛いけれど耐えて我慢をしているのだと、

自分に言い聞かせる。

 

医師や看護師さんや

部屋に出入りする掃除人の人達には、

礼儀正しくしてお礼を言って、

時折面白いことを言って、

対話を楽しむ様にする、

そうすれば相手も喋りやすくなって

名前で呼んで下さったり、

チョットした事やその人が思う事を話してくださるので、

お喋りも出来てウツ予防にもなってありがたい。

 

寝ていて治療を受けているだけで

私から何かをしてあげられる立場では無いが、

唯一お喋りは出来るので、

お喋りを楽しく面白く明るく楽しい会話をする事で、

気持ちも和んでくる。

 

その内治療している箇所も少しずつ良くなって来て、

痛みも無くなって来ると、

ベットから降りて日常生活に備える為に、

歩く練習をしたり軽いストレッチをして気分を紛らわせて、

体力の改善を図っていました。

 

体を動かすと退院してから家の中を片付けて、

買い物して食事が出来るように

どう準備をしようかと前向きな思考にとなってくるので、

やはり体は動かせるのなら動かした方が、

体力の回復にもなるし、

思考もプラスになって来た、

入院生活はそんな感じでした。