は言う。

「俺の人生を考えろ。

夫婦をやめるのは死に値する罪だぞ

自殺してお前に罪の意識を植えつけてやる」

は言う。

「私の人生は私のもの。

脅してもムダよ。

夫婦でいるのは自分を殺すも同じ」

別れ話の末、夫は投身自殺

落ちていく夫と目があった衝撃が

脳裏に焼きついて離れない。

未亡人は心を休めるため田舎へ向かう。

屋敷の庭にある林檎の実をかじると

大家の男がニヤつく。

「禁断の果実を食べましたね」

 

 

MEN同じ顔の男たち

アレックス・ガーランド監督

2022年

ジェシー・バックリー

ロリー・キニア

パーパ・エッシードゥ

精神性の映画なので

自由な解釈ができますね照れ

 

「ローズマリーの赤ちゃん」

「ザ・ブルード怒りのメタファー」にも

通じる雰囲気があり面白かったです。

冒頭とラストで流れるが印象的。

 

”これ以上、

愛を捧げられない。

自由であることの意味が

あなたに分かる?

あなたの目は

本当に見えていた?

 

  信頼できない語り手

お話はごくシンプル。

 

トラウマを克服するために

男性たちの姿をかりて

自問自答自己再生する物語。

暗いトンネルに向かって

自分の名前を叫ぶヒロイン。

心の奥を呼び覚ますように

ハーパーハーパー、ハーパー…

こだまが響き渡り、

不思議の国に迷い込んだアリスみたい。

森の緑が目をみはるほど鮮やか。

美しさにうっとり浸っていると…

あっという間に

どす黒い血の色へと変化し

心と肉体が引き裂かれる

女性の現実を暗喩アートで

グロテスクに表現します。

教会の場面に登場する

シーラ・ナ・ギグという石像を

私、初めて知りました。

生命の源(膣)を広げた像は

古来より敬いの対象

女性のエネルギーの象徴だそう。

 

 

  感想

ハーパーは田舎の屋敷で

夫の最期を忘れようとするが

昼も夜もフラッシュバックに苦しむ。

 

夫がかった。

なぜ避妊具をつけずにしたの?

 

なぜ自分のことを棚にあげて

私の選んだ道を責めたの?

親友が

「私もそっちへ行こうか」と

気遣ってくれるけどります。

今はまだ会いたくない

その理由はラストで判明します。

村で遭遇する男性たち。

大家

「女性に荷物を運ばせない」

「女性にお金を払わせない」

本当は手伝ってほしいけど強がって

男らしさを強調するために、やせ我慢。

浴室を案内しながら

女性をめるようなほのめかしで

神経を逆撫でします。

「女の人は注意してくださいね。

流してはいけないものを流さないで。

わかるでしょう?(ニヤニヤニヤリ)」

モンローのお面姿の奇妙な少年

「遊ばない?君はかくれんぼが得意そうだ」

と誘う。

断ると「クソ女」幼稚な悪態をつく。


司祭「私は理解していますよ」

優しげに近づき、膝に手をおく。

尤もらしい屁理屈で心の傷をえぐります。

「男性は女性を時々殴るものですよ。

彼に謝る機会を与えなかったせい

死んだと思いませんか?

一生後悔するでしょうね?」

傷口に塩をぬられた彼女が立ち去ると
リップクリームを塗りながら

彼女が座っていた辺りを撫でる。

森からやってきた

浮浪者が敷地へ侵入します。

言葉を発せず、危害を加えないが

全裸男の存在自体が恐ろしい。

通報して逮捕してもらうが…!

男性警官が鼻で笑う。

「ただの不審者ですよ。

ストーカーと騒いでるのは貴女だけ。

罪にならないから釈放しました」

ハーパーの心の中で

りんごがパラパラ落ちていく。

男性への信頼も崩れていく。

今までは男性の本能を受け入れ

たんぽぽの大量の綿毛から

1本をうけとめた。

でも、これからは

自分を守るために

行動しなくては。

彼女の中へ押し入ろうとする男たち。

彼女は必死で抵抗する。

 

すると…彼らの手は二股に裂かれ

 

が大きく膨れ上がっていく。

 

パンパンになった腹をのけぞらせ

産みの苦しみにあえぎ

懇願するように救いを求め

ぐったりと崩れ落ちる。

 

ハーパーは

彼らの出産バトンリレーを見届ける。

 

そしてようやく

鬱屈した気持ちから解放されます。

彼女は

男の人に同じ痛みを

わかってほしかった

命を産む恐怖と痛みを

もしも大切なパートナーと

分かち合えたなら

どれほど救われたことか…

ところが、夫は逆ギレし

「被害者ぶるなよ」

妻の顔面を殴り倒し

妻を罰するためにあの世へ去った。

一体、私に何を求めていたの?

幻の夫が返事をする。

」と。

ハーパーはふっと力が抜ける。

 

夫の求める愛妻の求める愛


両者の愛がズレていただけ。

 

ほんとうは男女どちらも悪くない。

 

もう自分を責めるのはよそう。

 

悪夢が去ると、

自損事故を起こした車と

怪我したときの跡が残った。

心配して駆けつけてくれた

身重の親友ライリーにむかって

笑顔をみせる。

(もう、私、大丈夫よ)