「ちょっと、道がちがうわよ」「おい、車をとめろ」
タクシーの後部座席でパニックになる夫婦。
翌日、線路から突き出した夫の指先に、妻の結婚指輪が光っていた。
事件を報じる新聞の見出しは「天国行きのタクシー」
「ボーン・コレクター」
フィリップ・ノイス監督1999年
デンゼル・ワシントン、アンジェリーナ・ジョリー
(画像お借りしました)

ヒッチコック監督「裏窓」では、
ジェームズ・スチュアートが車椅子で身動きできない
かわりにグレース・ケリーが手足となって
活躍しました。
「ボーン・コレクター」では、
デンゼル・ワシントンが
首から下が麻痺しベッドから身動きできない警官。


アンジェリーナ・ジョリーが手足となって、鑑識役を引き受けます。
両作品ともに息をのむほどスリリングクライマックスを楽しめますよ。

【感想】

あきらめるな。
 
自分の人生は自分で変えられる。

脳と指1本だけが動く
寝たきりの犯罪学者リンカーン。
度々起こる、苦しい発作。
いつ植物状態になるかもしれない
生と死が隣り合わせの日々。
安楽死を臨む彼に難事件の依頼が舞い込む。
彼は、一人の女性警官に現場鑑識の才能を見出す。
アメリア警官は、親のことがトラウマとなり、人生をあきらめている。

そんな彼女に、寝たきりのリンカーンが諭す。
「親の人生と、
子どもの人生はちがう。
自分の人生は変えられる。
あきらめるな」
死を臨んでいた彼が
「あきらめるな」
と言うんですよね。

しだいに、彼女の眼と耳、声を通して
現場にいる自分を実感していく。
彼女の声にも、変化が。
やらされているという惰性から、
自ら意欲的にとりくんでいく。
「熱が入ってきたな」ニヤリとするリンカーン。

看護師の女性も、そんな2人を黙って優しく見守ります。
書庫で犯罪実話本をみつけるアメリア。
めくると、そこには
自分の目でみてきた
殺害現場と同じ状況の挿絵が。
線路、パイプ、ネズミ、そして、川と橋の絵!
次の犯行も、この挿絵と同じ場所で同じやり方に違いない。
犯人は、警察を煽るように、わざと手がかりを残し、次の殺害予告をする。

敵は、鑑識に詳しい人間のようだ。
内部の犯行か?同僚や上司、出入りする人が、怪しくみえてきます。どいつだ?
リンカーンとアメリアは、犠牲者を救うことができるのか?
はたして、犯人の真のターゲットは?


 

エンディングの歌詞が素敵です。

人生は苦しいもの。
でも、あきらめないで。
どこかに心の安らぎを得られる場所がきっとある。

ハヤブサが夜空を飛んでいく。