仮面ライダー響鬼
15周年記念~anniversary


放送開始から
15年が過ぎて

あの頃の
少年少女たちが
社会に旅立ちました。

今、どうしてるかな。

15年前
既に大人だった
ひとたちも

響鬼は
みんなの心の中に
いますか。

主演として
今も語り合える
素敵な作品に出会えたことに
少し踏み込んで
毎月ファンの皆さんと一緒に
思い出を振り返ります。

今月は

『スーツアクター伊藤慎さん』


仮面ライダー響鬼

作品を特徴づける
数々のアクション

リクエストされた
アクションシーンは
毎回楽しみでした。

覚えていますか
山から転がり落ちたり
吊り橋での回転。

いつも
中々のスリルでした。

特に
ターザンシーンの命綱は
何度もロック部分を
確認して挑みました。


思えば撮影前、
時間がある時はゲームセンターの太鼓の達人で稽古し、寺社では和太鼓の音が五臓六腑に響くお焚き上げで、お坊さんのバチ姿を生で見ながら研究し、『鼓道』映像DVDで太鼓名人たちの力強い美しさを参考にイメージトレーニングをして、撮影に備えました。

実際の撮影現場で
披露された
数々のアクション

『出来る』と『美しく見せる』ことは、芝居の世界では異なります。

仮面ライダー響鬼の
スーツアクター伊藤慎さん。
今は整体師の道へ。

伊藤さんのアクションは
高身長の立ち姿と、
しなやかに走る姿に集約された
息を飲む

抜群の美しさ。

格好良く走る画は
アクションシーンの
基本なのです。


伊藤さんがいたから
マジョーラカラーは
一層輝きを放ち
響鬼はスマートで美しく
カッコよく

そして

唯一無二のキレで
躍動感がありました。

特に劇場版での
伊藤さんの響鬼は
後世に残る美しく
華麗なアクションが
随所に溢れています。

スーツアクターを
目指す方は
伊藤さんの動きを
是非参考にしてください。

伊藤さんは
普段から研究熱心で
その志は半端なく
僕の姿をいつも細部まで見て
クセを研究して下さいました。


バチを回す、走る、止まる
回転する、飛び上がる、

そして、
立ち上がる。

ひとつひとつの動きに
『強さ』
の意味がありました。

アクションの基本動作を
あれだけ美しく
「ピタ」っとメリハリ
を効かせ見せられる。

伊藤さんの姿に
子供たちやファンは
確実に魅了され、
心を鷲掴みにされました。


アクションシーンを
間近で見ていましたが
伊藤さんはいつも爽やかで
撮影の合間にはいつも
芝居の話をしてくれました。

ブルースリー、北斗の拳
ケンシロウが闘う直前に
鼻を触るしぐさを
変身前の響鬼に取り入れた時

伊藤さんも

魔化魍との闘いが終わった後
同じしぐさで
決めた場面がありました。

『響鬼は強い』

鍛え続ける男というものは
絶対に負けない。
どんな相手でも諦めない。

闘った後も
タフな姿でポーズを決めて
『粋な男の姿』を見せる。

傷だらけでも
自分の足で、心の足で

必ず立つ。

これは、子供たちへ
伊藤さんと僕、ふたりの男が
響鬼を通じて表現した
強烈なメッセージテーマです。


2005年、
伊藤慎さんと共に
撮影現場で作り上げた
仮面ライダー響鬼。


『友よ風のように
        駆けたくないか ?
あの雲の峰を超えて
        行きたくないか』


伊藤さんの響鬼を見る度
自分の中で
この詞が浮かび、
伸びやかなアクションを
思い出します。

躍動感と
希望に満ち溢れた響鬼が
いつまでも馳け廻る。

この夏
再び見返してみて下さい〆

(つづく)