札幌市内にある、特定非営利活動法人「わーかーびぃー」へ伺い、グループでの取組みについて視察をさせて頂きました。


⑴グループホーム、通所施設
・入所更生施設の役割が平成8〜12年頃から変わり始めた。
知的障害者向けの余暇支援を長沼陽風学園が始めたこと。短期入所など。
措置時代の取組み、制度がない時に作り出した。
→かいけつ太郎 あつべつケアサービスステーション開始。
会員制の24時間型パーソナルケアアシスタントサービス開始。
家族の支援。
・北海道では平成13年から北広島市で公的サービスがスタート。
障害児ガイドヘルパー事業など。措置から契約に移った。
・特定非営利活動法人わーかーびぃーは、2004年に長沼陽風会からかいけつ太郎が独立して設立。

⑵札幌市の障害者相談事業。障害者虐待、緊急一時保護事業の対応。
・ますとびぃー。札幌市の委託を受けている。
障害のある方の相談、計画書づくりなど。
・障害者虐待防止法による札幌市夜間休日虐待通報等受付事業など。
平日日中は市役所の窓口など。その他の時間は24時間体制で受付。
一時保護が必要な場合の受入先との調整など。

⑶生活困窮者への取り組み
・社会福祉法人えぽっく。グループホームなど。高度障害が8割を占める。
北広島市からプロポーザルで受託。自立相談支援、学習支援、一時生活支援、住居確保給付金の支給など。
・学習支援、塾に通えない中学生向け。数学と英語を週に一度、受験前の講習など。
中学生45名登録、出席は7割くらい。教員OBや大学生など。
・一時生活支援事業、住居にない生活困窮者に対して一定期間宿泊場所や衣食の提供等を行う。路上生活者や親が入院してしまった後の引きこもり子、DV被害者など。
・青色防犯パトロール事業も法人で行なっている。小中学校の下校時に毎日運行。
・認定就労訓練事業。就労経験が乏しい人、対人関係が苦手な人への支援。
職場に定着できた人、仕事に慣れるステップを踏んでいる人など様々。

⑷肢体不自由者父母の会との共同研究の紹介
・NPO活動で調査研究。
・日本財団の支援を受け、肢体不自由者かつ知的障害の方の暮らし・住まいの研究。
・日本肢体不自由児の特集でも調査研究の内容などの紹介。
・民家の改修を共同住居として活用した事例、ホテルの設備を活かした居住空間など様々な事例。


・事業収入は委託を除くと、障害者事業、介護保険事業などが柱。
・人材確保…約80名。持続可能な仕組みにしなければならない。思いを持ちながら取り組んでいく。
人材は常に足りない状況である。苦労している。認定就労の受入など。ベトナムの方を雇用することも決まっている。
一対一の訪問事業の人材が特に不足。
・周辺の市町村から送迎で通ってくる人たちもいる。
・障害者の虐待案件。住み慣れた場所から動かさなければならないので、そのケアは大切。
受入先、通院をどうするか、なども苦労。
一時保護施設は、障害者向けの短期入所施設などを利用。空いているところに入れる、という対応。

施設の視察もさせて頂きました。

 

事業に至るまでの思いや課題意識なども含めて伺いました。

障害者や生活困窮者などへの福祉現場の最前線のお話しを伺うことができ、一つ一つの政策に横ぐしを通すような考えも必要であると改めて認識しました。