蟹座27度(蟹座26度0分〜26度59分)

(日本語訳)
蟹座27度 溪谷での嵐

これは、外部環境の側に現実をピラミッド化することの象徴であり、人間を安逸な状態から解き放ち、内面の理想と不変の価値観を表現させる力における、神聖なものとしての暴力と恐怖の象徴である。

ここには、あらゆる存在がそれ自体に意味を持ち、不屈の強さをもって自らを維持するエネルギーが示されている。自然は、人間が解き放つ力、あるいは人間が一瞬の危機を乗り越える力を常に劇的に表現する(表現させる)。

キーワードは「intensification(強度)」です。

プラスの場合、自己のより高められた表現のために人生のあらゆる資源を投入する

マイナスの場合は、混乱を愚かに楽しむ
原文
CANCER 27  A storm in a canyon
This is a symbol of a pyramiding reality on the side of external circumstances, or of violence and terror as divine in their capacity for lifting man out of his aplomb and demanding some manifestation of his inner ideals and enduring values. Here is the indomitable integrity of everything to be taken as of consequence in its own right, shown in the energy with which it preserves itself. Nature ever dramatizes man's unleashed powers, or his ability to rise in supremacy over each momentary crisis. The keyword is INTENSIFICATION. When positive, the degree is an enlistment of every resource in life for a heightened expression of self, and when negative, fatuous enjoyment of turmoil.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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蟹座27度 溪谷での嵐


何かを維持しようとすると、その安定を壊そうとする力がやってきます。この度数の人が、幸福と平和の約束された生き方を持続するには、外敵をはねのける努力を常に怠ってはなりません。


 この前の蟹座26度で手に入れた高いステイタスや贅沢な暮らしは、この段階で危機に見舞われます。というのも、26度は安楽を求める気持ちを表し、そもそも努力や集中力によって手に入れた生活ではないので維持力は弱いのです。「嵐」は自然界を表し、自然界は人間の文化的な生活を考慮するわけではないのですから、阪神・淡路大震災のように一気に都市を破壊することもありえます。それらに対する防衛力は26度にはありません。というよりも、贅沢で安楽な場を作ってしまったからこそ、必然的に「嵐」はやってくるのです。
 この27度は、自分の立場を守るか、あるいは向上させるために非常に大きな労力を使うことを表しています。自分の守りたい生活や望むことに対して敵対するものが存在するということを明示したシンボルで、それがあたかも自然界からやってきたもののようにシンボルは描いていますが、自然界からやってきたものとは記憶から葬り去ったものを総称する言葉なのです。26度で自分と自分の仲間の少数の幸せを確保するために無視してきたものが、反撃してきたということなのです。
 そろそろ蟹座も終わりかけているので、ここでは自分の蟹座としての平安を維持することへの疲れも見えてきています。事実、次の28度になるとこの自分の生活を壊そうとする「嵐」は、実は蟹座から脱出するためのきっかけづくりでもあったということに気づくのです。必死でこれまでの生活も守るよりも、「もう捨てろ」といいたげな形で「嵐」がやってくるのです。


 進行天体がこの位置にある時


 いかなるものも継続しないのが自然界の法則です。自分が愛着し、守ってきたものが外部からの浸食で失われてゆくことでしょう。しかし果たして、これまで守ってきたものを維持したほうがよいのかどうかはよく考える必要があります。もう安楽にひたる時期は去りつつあると考えてもいいのです。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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