双子座29度（双子座28度0分〜28度59分）
（日本語訳）
双子座29度 春に最初に鳴く百舌鳥(もず)
これは、美的体験が自己の核心を強化することに貢献することの象徴であり、（それは）人生において他者の身になって行う経験が高められるような模倣の技術によって強められる。
ここで人間の願望は、自分自身で洗練するなかで、かなり明確なものとなり、その結果、ある場合には、通常であればまったく不可能であるような成果が現れることが約束されるかもしれない。少なくとも彼は、日常生活における自分の役割に真の威厳を加えるような自己啓示を試みることが求められているのだ。
キーワードは「加速」である。
プラスの場合、あらゆる人間関係において他者への一貫した刺激となる。
ネガティブな場合、迷惑な自己主張をする。
原文
GEMINI 29 The first mockingbird in spring
This is a symbol of the contribution of aesthetic experience to the strengthening of self at core, given emphasis by the skill in imitation through which any vicarious participation in life is enhanced. Here man's aspiration becomes articulate far in advance of his self-refinement, and as a result the promise in his given case may be manifest in achievements of which he would be quite incapable in normal course. At the least he is called to attempt a self-revelation which will add real stature to his role in everyday living. The keyword is QUICKENING. When positive, the degree is consistent stimulation to others in all human affairs, and when negative, annoying self-assertiveness.
（出典：Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY）
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双子座29度 春の最初の百舌鳥(もず)
この度数の人は、多くの人が感じている集団的な雰囲気を素早く読みとり、それを個人の表現力として活用します。多くの人にアピールするものを持っているので、流行的な職業では成功しやすいでしょうが、反対に流行にも振り回されます。
双子座は個人の活動を意味しますが、次の蟹座は、個人を否定して他者との共感をもとに共同体の結束を作り出すサインです。こうした蟹座の集団性を意識しつつ、双子座の個人の姿勢にとどまる生き方としては、「できる限り多くの人にアピールする個人」というものになります。
つまり、流行を作り出すなど、世の中の流れのアンテナとして生きるようなスタイルになりやすいのです。
「春」の訪れを告げる「百舌鳥」(もず)は集団の感情をキャッチして、それを歌う、すなわち形にしていく役割を担います。これはマスコミ、芸人、流行の先端にある人には適合する度数です。
最後の度数に近いので、双子座としての純粋な個人の能力を探求する意志は希薄になっていて、それは蟹座の集団的な共感性に溶けかかっています。しかし、完全に溶けているわけでもないという、すれすれのところに、この度数の人の活動の微妙さがあります。
どのサインにも共通の性質として、28度で脱出の道を見つけ、29度では、もう一度自分のサインの資質に戻って、そこで旅立ちのための荷物をまとめている姿を物語るのですが、柔軟宮29度では、それぞれ自分の持っている資質を、異質な次のサインの性質にあわせようとして、資質の変形をしている姿が見えてきます。それがつつがなく進めば、最後の30度ではこれまでのサインを吐き出す活動が始まります。
進行天体がこの位置にある時
周囲の人々が何を要求しているのか、敏感になります。自分の欲求に縛られることが少なくなり、盛んに今の世の中の動きとか、全体に何をしているのかということが気にかかり、この中で自分の仕事とか役割の位置づけを見つけたくなります。それは開かれた世界への解放ですが、しかし自分の才能とは何かということには、こだわるでしょう。おそらく孤立を恐れるような気持ちが出てくるのですが、それはもう大きな転換期に入っている証拠です。
（出典：『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔）
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