春になって、アトピー性皮膚炎が悪くなる方が受診されます。
イネ科の花粉・紫外線・発汗
等増悪因子は沢山あります。
皮膚炎の悪化と体力や気力の低下は、必ず同時進行です。
 
一方、症状が安定されているのは、やはりプロテインを必ず飲んでいる方。
多少の皮膚炎の悪化があっても、体力や気力の低下はありません。
 
最初はプロテインも摂り、高蛋白・脂質、低糖質の生活で調子が良いのですが、
調子が良くなると、ついつい以前のごく一般の生活に戻り気味です。
すると、じわじわと以前の状態に戻ります。
 
一応気を付けているのですが・・。
プロテインもしばらく切れてました・・。
身体がだるいです。
糖質制限をしていますが、食べたい気持ちが強いです・・。
 
当然の事なのですが、
私たちの身体は、その時の食生活や生活環境等がそのまま映し出されます。
生もののように日々変化します。
 ある意味、自分の身体の状態は自己責任という土壌に存在します。
 そして、それこそが素晴らしい身体を得られる権利を同時に持っているのです。
 
時々、病気が深く遷延して、おそらく副腎をはじめ身体の重要な臓器が疲弊している方がおられて、
日々の努力が形になりにくい場合がありますが、
大半の方は、月単位で変化が見られます。
 
日本のアトピー性皮膚炎の方(アトピーは日本に極端に多い病気です)に、心から同情するのは、
日本のスタンダードな生活の特徴が、高糖質食であるから。
本当は食事に多大な気を遣わなくては健康が保てない事こそ、重大問題なのです。
 
今週、オーストラリアに2か月留学した女子学生の患者さんが、
あちらでは非常に調子が良かったと教えてくれました。
(海外生活の経験者は口をそろえて同じことをおっしゃいます。)
 
その方のホームステイ先での食事です。
朝 フルーツとヨーグルト
昼 中身(具)だくさんのサンドイッチ
夜 巨大な肉料理(パン等の炭水化物は食べないor食べられない)
おやつ 時々チョコ
 
ごく普通そうですが、昼と夜の肉や卵、油の量が違います。
 
その効果は、間食が減ることで分かります。
彼女もステイの当日から間食したい気持ちが極端に減ったそうです。
 
体重も増えることはありませんでした。
 
この食生活はダイエットにはなりませんが、健康体を保つためには十分です。
そして、日本では同じようなメニューであっても、
肉・卵・脂質の量が少ないのです。
 
日本において現時点で、先進国のスタンダードな食生活に肩を並べるためには、
プロテインが欠かせません。
 
プロテインを2.3回加えていただいたら、日本の悪いパターンから比較的簡単に逃れられるのです。
食欲が落ち着き、食べ物に振り回されなくなります。
だめだめと自分を責めながら、お菓子を食べたり、パンを食べたり、
そんな悲しい状況から脱出できるのです。
 
プロテインが切れると糖質中毒の波に飲み込まれるのは、今の日本では当然のようにも感じます。
私達は元々さほど強い存在ではありませんから、
我慢などという手段にでると、かえって食欲に振り回される結果が待っています。
 
是非、上手にこの身体を使いましょう。
神が設計者としか思えない(ポーリング博士がおっしゃいました。)
この精密な、人智が届かない小宇宙である身体は、上手に使わせていただいたら、
奇跡のような姿を見せてくださいます。
 
私はそのことに気付いた一人ですが、自分の身体もまだ、上手く使うことが出来ません。
最近はもっと謙虚に使わせていただく感覚が必要だと感じています。