管業試験対策②(消滅時効) | 保坂つとむの宅建ブログ

管業試験対策②(消滅時効)

みなさん、こんばんは!

今日の管理業務主任者試験対策は、「消滅時効」を取り上げます。

ご存じのとおり、民法上の時効には、「取得時効」と「消滅時効」がありますが、管業試験では、“管理費等の消滅時効”とリンクさせて、消滅時効の方が頻繁に出題されます。

そこで、その基本ルールを、確認してほしいと思います(^o^)。

※ ちなみに、民法上の「消滅時効」のルールは、いわゆる“民法大改正”により大きく変わりますが、新しいルールが出題されるのは、2020年度の試験からとなります。当然、今回の記事は、改正前の内容を前提に作成しています。



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●●● 消滅時効 ●●●

「消滅時効」とは,他人に金を貸した後,何十年も返済を請求せずに放置していたら,その貸金債権が消えてしまい,「返せ」と言えなくなってしまった…といったケースを指す。

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【消滅時効-1 (時効期間)】

1)「債権」の消滅時効
債権は,10年間行使しないと,消滅する。
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ただし…
飲み屋のツケ(1年で消滅)や賃貸マンションの家賃(5年で消滅)など一定の債権は,“10年より短い期間”で消滅することになっている。このようなケースを,「短期消滅時効」という。
 ↓
ちなみに,マンションの「管理費」「特別修繕費(修繕積立金)」に関する請求権の消滅時効期間は,5年間である…とするのが判例である。
 ↓
なお,短期消滅時効のケースであっても,その債権が「確定判決」により確定した場合,その後の時効期間は,一律に判決確定の時から10年間に延長される。


2)「債権以外の権利」の消滅時効
地上権永小作権地役権などの権利は,20年間行使しないと,消滅する。
 ↓
ただし…
所有権は,消滅時効が原因消滅しない!



注)ある土地を長期間占有していた者が,“取得時効”により,その土地の所有権を取得した場合,元々の地主の所有権は消えてしまうが,これは,あくまでも“取得時効”の反射的効果で,地主の所有権が消えたに過ぎない。
 ↓
とにかく…
所有権”が“消滅時効”で消えることはないのだ!

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【消滅時効-2 (起算点)】

1)確定期限付債務
「確定期限」付き債権の消滅時効は…
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その期限が到来した時にスタートする!


2)不確定期限付債務
「不確定期限」付き債権の消滅時効は…
 ↓
その期限が到来した時にスタートする!


3)期限の定めのない債務
期限の「定めのない」債権の消滅時効は…
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債権発生時(契約成立時)にスタートする!
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ただし…
「消費貸借(貸金)」については,“債権発生時(貸付時)”から相当の期間経過した時にスタートする!

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【時効の中断-1 (時効の中断事由)】

「時効の中断」とは,いままで進んだ時効期間を“白紙に戻す”ことをいう。
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時効が中断する原因(中断事由)は,次のいずれかである。
● 請求 ⇒ 下記参照!
● 差押・仮差押・仮処分
● 承認 ⇒ 下記参照!

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【時効の中断-2 (請求)】

「請求」は,“裁判”の請求と“裁判”の請求に分類される。


1)“裁判”の請求
裁判上の請求とは,文字通り,裁判所の関与する手続により請求することで,次のa)b)などがある。
 a) 訴訟を提起する
 b) 支払督促をする
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● 上記a)「訴訟を提起」する…とは,訴えを起こすことである。
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ただし,訴訟の提起があっても,却下取下げがあれば,時効中断の効力は生じない
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● 上記b)「支払督促」は,“金銭の請求”などの場合について,債権者側の申立てのみを“一方的”に審理し,通常の訴訟より簡易迅速に債権が回収できるよう考えて設けられた特殊な訴訟手続である。
 ↓
なお,「支払督促」の申立てがあっても,一定の期間内に仮執行宣言の申立てをしないと,“支払督促自体の効力”が失われてしまうため,時効中断の効力は“生じない”。
(仮執行宣言の申立てがなければ,“強制執行”ができず,実効性がない(=債権の回収が図れない)からだ!)


2)“裁判”の請求
裁判外の請求は,催告と呼ばれる。
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催告は,“口頭”で行っても,“書面”で行ってもよい。
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なお,“催告だけ”では時効中断は生じない
(催告後6ヵ月以内に,あらためて訴えを起こす…など,裁判上の請求等をする必要がある!)
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そして…
その訴えに勝訴すれば,催告時さかのぼって中断の効力が生じることになる。
(“訴えを起こした時”にさかのぼって…ではない!

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【時効の中断-3 (承認)】

「承認」は,“口頭・書面”のどちらで行ってもOKである。
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また,借金の一部を返済したり,「もう少し待って」と支払いの猶予を申し出たりしても,承認したことになる。
(ちなみに,“一部”返済であっても,借金の全額について,時効が中断する!)

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今回の内容に関する過去問は↓↓↓で!





●●● 問 題(平成17年【問10】)●●●

マンションの管理費に係る債権の消滅時効に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。

(1)管理費の債権の消滅時効の期間は,5年である。

(2)管理費を滞納している区分所有者が,区分所有権等を売却した場合,管理費債権の消滅時効は中断する。

(3)管理費を滞納している区分所有者が,管理組合あてに,滞納管理費の額及び滞納している事実を認める旨の承認書を差し出しても,消滅時効は中断しない。

(4)裁判外で,書面により滞納管理費を請求する場合,6箇月ごとに催告をすれば,管理費債権の消滅時効は完成しない。

(解説はこちら^^)
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●●● 解 説 ●●●


(1)正しい
管理費の債権(管理費請求権)の消滅時効期間は,5年間である。

(2)誤り
「区分所有権等を売却」しても,時効の中断事由の“どれにも当たらない”ため,管理費債権の消滅時効は中断しない。

(3)誤り
本肢のような「承認書」を差し出す行為は,時効の中断事由の1つである“承認”に当たるため,管理費債権の消滅時効は中断する。

(4)誤り
“裁判外の請求(催告)”をしても,その後,6箇月以内に“訴訟提起”などをしなければ,時効中断の効力を生じない。
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つまり,「6箇月ごとに催告」を繰り返したからといって,消滅時効完成の時期を,引き延ばすことはできない。

正解(1)






【制作・著作】
たっけんコム(http://www.takken.com/)代表 保坂つとむ

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