(※この記事はより良い内容にする為に随時加筆、修正をしています。)

(この記事には個人的な解釈が多く含まれますので、是非他の方の記事、HP、ブログなども参考にしてください)

最終更新 2023 0911

 

3 ~線路~

 

ここからは一般に庭園鉄道に必要となる物を紹介します。これは庭園鉄道を始める上で最低限の物ですので、グレードアップする場合は追加することもあります。

 

 

 

・道床

 地面に直接レールを敷いても大丈夫な場合もありますが、平らな家の床と違って凹凸、ねじれが有る事が多いです。特に小さいサイズの模型はレールのねじれによって車輪が浮いて脱線につながるリスクが高いので、できるだけ平らに水平に仕上げます。砂利で高さ調整もできますが、土を固めても(土は固めないとクッションのようにふわふわしてしまいます)いいです。砂利の場合、模型サイズによって粒の大きさを考慮します。N、HOゲージくらいならごく小粒の砂利、5インチゲージで小粒(1cm程度)、15インチゲージ以上なら普通サイズ(5cm程度)が適当です。また、メンテナンスを少なくしたい場合、コンクリートなどで平らに仕上げる事もあります。

 

 

 

・線路

 Nゲージなどの線路は大体が室内使用を想定していますので、プラスチックが日光の影響を受ける恐れがあります。昔はブリキ製レールとか総金属製線路がありましたが、入手困難な場合は走らせる時だけしいて、それ以外は撤去というのも方法です。その分、LGBレールはもともと屋外使用前提ですので、安心して使えるものの1つです。→ https://www.lgb.ne.jp/

 

 3.5インチゲージ以上はほとんど屋外使用前提ですので、天候にされずに使用出来ます。

3.5インチ以上の線路を入手する時、一番安心安全なのはメーカー製品です。例を挙げると、

①モデルニクス http://www.modelnics.com/ 5、10、15インチゲージのレール取り扱いあり。5インチはアルミレールと鉄レールが選択可能。分岐、交差なども多数。

②小川精機 http://www.oslivesteam.com/japanese/lineup/index.html 完成レール他5インチ/7.5インチの3線軌道も取り扱い。

③道楽ぼーず http://www7b.biglobe.ne.jp/~douraku/ 完成レール、分岐販売

④せんろ商会 http://senro.na.coocan.jp/actual1.html 完成レール、組み立てキットもあり

⑤ヤマダ金属商会 https://www.yamada-5inches.com/ 完成品、キット、敷設まで対応。

 

 次に線路を自作する場合ですが、レールだけ上記のメーカーから購入、枕木などは自分で組み立てるというのも良い方法ですが、安く作りたい場合、ホームセンターで買える鋼材木材で自作も出来ます。直線状で、価格もそこそこで、ある程度強度があれば何でも線路になりますから、これ以外にも色々探してみます。

 

①フラットバーを使う       

フラットバーは安く、またカーブも容易に製作可能ですが、枕木との固定が難点です。角材からサイコロ状の部品を量産して、縦横に穴を空けて締結具にするのが現実的でしょうか。 実物の鉄道では木材にフラットバーを貼り付けた線路(④を参照)が存在したみたいですが、この方式だと〝曲げやすい〟というフラットバーの利点が生かせません。緩いカーブならまだしも、庭園鉄道界ではしばしば、通常では考えられない程の急カーブを求められるのです。

 

 

②木材を使う       

木材をそのままレールとして使う方法です。非常に安価ですが、反面、走行抵抗が大きくなり、カーブではかなり削れます。車庫線やあまり使わない引き込み線など、場所を考えて使うのであればとても経済的です。

 

 

③L型鋼を使う      

強度もあり、枕木への取り付けも容易ですが、カーブレールを作る過程の曲げ加工でゆがみが出やすいのが難点です。そこをクリヤすればかなり実用的、分岐器も作りやすいでしょう。

 

 

④水道管を使う    

本線での使用は余り考えていませんが、側線や車庫では使えます。パイプ状ではあるものの、潰れには意外と強い(大径の物ではなく、小径であれば)ので、枕木密度を増やすなどすれば実用に耐えます。しかも曲がりやすいので、緩い曲線であれば敷設可能です。 枕木との固定はまず木ネジのネジ部が通る貫通穴を空けた後、片方を頭部が通る径に拡大します。すると木ネジで直接枕木に固定できます。他にも色々考えられるので要検証。

 

 

⑤木材を補強する     

木材そのままでは走行抵抗や摩耗が問題となるので、L型鋼やフラットバーを張り付けます。実物鉄道でもストラップレールという名称で使われています。木材には釘とかネジで固定しますが、釘の“頭”が出っ張らないようにザグリ加工が必要になります。また木材は曲げやすいので緩いカーブであれば製作可能です。曲げる必要が有るL型鋼やフラットバーは縁石が描く曲線の如く、短い物を連続させると大丈夫そうです(要検証)

 

 

⑥角パイプを使う       

農業用トロッコやカメラ移動用トロッコには丸パイプが多いですが、より潰れにくい角パイプの方が鉄道用としては適切です。これも比較的安価、強度有りですが、枕木への固定に加工を要します。小原鉄道では25mm×25mm×厚1・3mmの角パイプを使用、枕木含軌道1mあたり約700円です

 

 

⑦実物のレールを使う       

主に15インチゲージ以上向けですが、これが一番「the 鉄道」感があります。しかし加工は容易ではなく(それなりの工作機械は必須です)、入手が難しく、重量物の為輸送費もかかります。また価格もかなり変動が激しく、知る限りの一例ではJIS規格最小の6kgレール5・5mで約5000~18000円とバラつきがあります。(追記 最近6kgレールの加工を経験しましたので、近い内に加工法の記事書きます)

  例)小川レール商会 http://www.ogawarail.com/ 

    国鉄産業(普通レール) http://www.makuragi.com/

 

 

⑧コンクリートを使う   

これは思い付きです。例えばどこかにコンクリートの地面を作るといった時に、打ち立て生コンクリートの上に2本の角材を軌間の幅で置きます。固まればもう即席路面軌道の完成です。コンクリの上を車輪が通ると削れるかも知れないので、フラットバーなどで補強すれば完全な路面軌道にグレードアップします。

 

 

⑨5インチゲージのレールを使う  

最近知りました。フランジ高さがレール高さより小さければ走れますね。

 

 

 

 

 また、分岐等の特殊な線路については完成品の方が安心して使用できるのは当たり前ですが、15インチゲージ以上の大きさであれば自作品でも十分に使用可能です。これは許容できる誤差によるもので、15インチゲージ程度ならレール継ぎ目が3mm横にずれていても脱線の確率は低いですが、5インチゲージで同規模の誤差があれば脱線の元になります。そのためレールゲージが小さくなるに従って精密な加工を要求されます。

 

 

 

・曲線を作る(追加)

 全て直線のみの庭園鉄道.....というのは中々想像できませんが、多かれ少なかれ路線に曲線は必須となります。レールを曲げる作業、特に鋼材ともなれば専用の道具を揃えなければなりません。45mmゲージくらいまでは完成線路を用いるのがほとんど、フレキシブルレールを使うにしても道具無しで加工できます。3.5、5、7.5インチゲージなどは完成品線路がそろっていますが、自作用のキットも充実しています。レールを曲げる専用器具も販売されています。15インチゲージ以上ではモデルニクス、せんろ商会で完成品曲線線路が購入出来ますが、自分で曲げ加工器具を作る場合も多いです。

 

・道楽ぼーず 5インチ用レールベンダーレールベンダー (t-com.ne.jp)

・八木軽便鉄道 レールベンダー日曜大具レベルの工具でここまでできる6kgレール軌框作りに必要な各種工具&治具: 八木軽便鉄道・社長室 (cocolog-nifty.com)

・現物合わせは基本です レールベンダーレールベンダーを依頼 | 現物合わせは基本です (teacup.com)

・小原鉄道 レールベンダー ナローの泉(鉄道)さんはTwitterを使っています 「さて、エイプリルフールは置いておき(笑)、今日もレール曲げです。慣れてきたとは言え、スラック15mmの範囲に収めながら曲げるのはやはり難しい........ https://t.co/84xG5yslvR」 / Twitter

 

 

・軌間の調整/スラック

 あるスペースに線路を敷くとして、軌間が小さいもの程カーブは緩く、軌間が広いもの程カーブはきつくなります。庭園鉄道では家の周囲を一周する路線など、半径1mや2mでカーブする場合がありますが、乗用5インチゲージでここを曲がろうとすると軌間127mmでは脱線します。カーブでは直線区間の軌間のままだと車輪とレールで余裕がなくなるため、少し軌間を拡大します(スラック)。45mmゲージくらいまでなら問題にならないことがほとんどですが、それ以上のゲージではかなりの急カーブになる事もあるので、軌間拡大が必要になります。例として、5インチゲージでは通常127mmのところ130mmにすることが多いです。また、直線で127mm、曲線で130mmといちいち変えるのが大変というのもあるのか、製品の5インチ線路では直線曲線ともに130mmで固定している物もあります。

 分岐器では一部直線と曲線が重なる区間がありますが、普通は曲線側の軌間に合わせます。またクロッシング部などで脱線防止の観点から軌間を拡大することもあります。

 

 

・“キレイ”に敷くには(追加)

 線路をコンクリートの上などに敷く場合はおおよそ大丈夫ですが、デコボコの地面に敷く場合は水平に直す作業が必要です。線路の理想は主要幹線線路の様に凹凸が少ない状態です。凹凸が有るとスピードを出した時に揺れが酷くなります。軽便鉄道でイメージされるヘロヘログニャグニャの線路は絵になるかも知れませんが、実際に車両が走るとなるとなるべく避けたいものです。経験上、縦方向の凹凸(プラレールのニュー坂レールみたいな)はまだ良性の凹凸です。対して曲線区間の坂や軌道のねじれなど、ねじれの要素を持つ凹凸は脱線の可能性がぐんと高くなります。車両にサスペンションやイコライザーなどが付いていれば多少安心ですが、車輪がバネ等無しで車体にガッチリ固定されている場合、どこかの車輪がレールから浮く三点支持状態となり脱線します。

 地面を平にする整地にはブルドーザーかユンボ辺りが有ると楽ですが、持っている方はかなり限られるでしょう。そういった重機ナシで整地する方法の一部を紹介します。

 

①板を活用  

建築用の針葉樹合板などを使います。凸凹の地面に板を押し付けるとどこが窪んでいるかが一目瞭然です。あとは窪みに土や砂利などを追加して平にしていきますが、意外と板の取り扱いが面倒です。

 

②バラストを使う  

普通の鉄道と同じです。線路を地面からやや離し、その間にバラストを敷き詰めます。リアル鉄道での長年の実績もあって確実ですが、多量のバラストの費用、運搬作業など問題が有ります。また道床の項目にも書きましたが、バラストのサイズも適度な物を使います。本物の鉄道用バラストを5インチゲージの線路下に敷いても隙間が空きすぎ、小粒バラストを15インチゲージの線路下に敷いても密度が高すぎてコストがかかりすぎます。バラストの上に敷く予定の線路を置いてみて、バラストが均一に枕木に接触しているかどうかがサイズ選定の目安ではないでしょうか。

 

③端材を使う 

工作で余った木材など、丁度いいサイズの物を地面と線路の間に入れて、線路の水平を作ります。枕木のレールとの締結部の真下に入れるのが重要で、端材の場所が悪いと枕木が折れる可能性があります。小原鉄道では①②③などを試した結果、最も簡に作業出来るの③の方法で保線や線路建設をしています。端材といっても木っ端である必要はなくて、要らない瓦、割れた植木鉢、或いはそこらに落ちている木の枝など何でも利用出来ます(貧乏性!?)。