(※この記事はより良い内容にする為に随時加筆、修正をしています。)
(この記事には個人的な解釈が多く含まれますので、是非他の方の記事、HP、ブログなども参考にしてください)
最終更新 2024/0108
 
6 ~参考:小原鉄道の場合~

 参考までに、自分が作った小原(おばら)鉄道について、建設過程、構造などをざっくり書いていきます。

 

 

 ーーーーー2011年ーーーーー

  • ネットにて5インチゲージガリバー線を見つけ、5インチの魅力にはまる
  • 5インチゲージのトロッコを2万円で購入、現在の小原鉄道1号トロッコ

ーーーーー2012年ーーーーー

  • OSのライブスチーム フォルテが欲しくなるが、断念。
  • ネットで八木軽便鉄道の15インチゲージを見て衝撃を受ける。

ーーーーー2013年ーーーーー

  • 小原鉄道改軌、15インチゲージとする。
  • ホームセンターにて6kgレール購入
  • 鉄工所に15インチゲージ用車輪の加工を依頼、小原鉄道2号トロッコ完成。

ーーーーー2014年ーーーーー

  • 小原鉄道再改軌、18インチゲージとする。
  • 鉄工所に18インチゲージ用車輪発注。

ーーーーー2015年ーーーーー

  • 18インチゲージの小原鉄道3号トロ完成。

ーーーーー2018年ーーーーー

  • 角パイプによる18インチゲージ上部線開通、日用品の輸送開始。
  • 尖端式分岐器第1号完成。
  • 那珂川清流鉄道にて1号トロッコ運転。
  • 車庫線、中部線の一部、旧下部線開通。

ーーーーー2019年ーーーーー

  • 鉄工所に18インチゲージ用車輪発注

  • 高校の文化祭で小原鉄道出張運転。

  • 材木置き場線開通。

  • 18インチゲージ5号フリクションドライブ機関車完成。

  • 中部線の一部開通。

  • 15インチゲージ用だった2号車を改造して18インチゲージ6号トロッコ完成。

ーーーーー2020年ーーーーー

  • 下部線を3段スイッチバック式に改良。
  • 中部線全通
ーーーーー2021年ーーーーー
  • 下部線スイッチバック廃止 
  • 7号ナベトロ製作

                       

                       

                       

                       

                 

                       

                   

 

       2021/2/22現在小原鉄道総延長187・3m、所有車両6両、分岐5器

 

          

 

 

                   ・線路構造

 小原鉄道では主に25×25×1.3(mm)の角パイプを使用しています。角パイプの大きさは6kgレールの頭部幅に近いことと、せんろ商会の角パイプ軌框のサイズにも由来します。正式な鉄道用レールではありませんが、2年以上使用していても特に問題はありません。最近は走行頻度が低い路線でより安価な19x19mm角パイプ軌道も使用していますが、枕木間隔を密にすれば強度の問題は有りません。枕木とは針金でくくりつけているだけですが、車両の走行程度ではびくともしません。枕木は45mm×15mm×600mmです。

 軌間は18インチ457mmが基本、480mmくらいまで許容しています。中部線については他の車両よりも車輪踏面幅が小さい(20mm)6号トロッコが走行する関係で470mmくらいを限度としています。日頃ゲージチェックなどはあまりしませんが、軌間狂いによる脱線はほとんどありません。小原鉄道脱線の原因は主に「石及び枝などの線路上障害物」か「軌道ねじれ」です。

 カーブはパンタジャッキを使った自作レールベンダーで曲げています。現在の路線の最小半径(軌間中心)は3・2mですが、過去には半径0・7mカーブもありました。いずれも脱線はしませんが半径0・7mの方はレールとフランジが強く擦れて走行抵抗が物凄かったです。

 分岐は6器あり、すべてトングレールで転轍(他の庭園鉄道では鈍端式が多いですが)、脱線防止ガードは無くても脱線しないので付けていません。トングレール/ノーズレールは角パイプに対して金属鋸を斜めに当てながら切り出しています。

 

 角パイプ軌道の特徴

  • 軽い→1本5・5mで7kg程です。とても扱いが楽です。
  • 安い→枕木その他を合わせた軌道1mあたり700~800円程度、同じ長さで比べればNゲージの線路に近い安さです。廃材の活用など工夫すればさらに安くなります。(もしかしたらプラルール並の価格で庭園鉄道が作れる?!)
  • 加工しやすい→レールは金鋸で容易に切断可能、曲げ加工、穴あけ、分岐器製作も簡単です。
  • 入手しやすい→鉄道用レール(6kgレールとか)は入手不可能ではありませんが、あらかじめ注文したり見積もりを作ったりと手間がかかる事が多いです。対して角パイプは汎用資材なのでホームセンターなどで気楽に入手できます。
  • 結構強い→小原鉄道出張運転時、枕木間隔65cm、軸距離40cmのトロッコに大人二人を乗せて運行しましたが、特に問題なく走りきりました。家庭で使う物程度の重量なら安心して運搬できます。枕木間隔を短くすればさらに重い荷物を運べますが、そもそもそれ程の重量物は人力で乗せるのも大変/脱線時の復旧も大変なので、小原鉄道では分割輸送などを心がけています。

              

                            

                            

                           

 

 

 

                     ・車両構造

ナローの泉(鉄道)さん の人気ツイート - 1 - whotwi グラフィカル ...

 小原鉄道の車両はほとんどシンプルなトロッコタイプです。主力車両の3号トロッコと4号トロッコはどちらも鋳鉄車輪を鉄工所で加工して頂いたものを使っています。スプリングなどは無く、線路のねじれに対してはフレームごとねじれる事で対応しています。軸受はボールベアリングで回転も滑らかです。軸距離は最大40cm、最大車輪径170mm。

 

                     ・設備

 たいした物はありませんが、上部線と中部線に併用軌道、屋根が開閉可能な車庫があります。

 

 

 

                                              ・費用

   主に18インチゲージ建設関連のだいたいの費用です。購入当時から価格変動していたり、あまりはっきり覚えていない物も多いので、あくまで参考です。細かい部品はこのブログの他記事「小原鉄道 車両の記録」を。

 

            3号トロッコ  伊藤鋳工チルド車輪28000¥

                     車軸10000¥

                     軸受3000¥

                     金物2000¥

            4号トロッコ  永瀬 チルド車輪20000¥

                     車軸10000¥

                     軸受3000¥

                     金物2000¥

                     車体木材3000¥

            5号機関車  永瀬チルド車輪20000¥

                     車軸10000¥

                     軸受3000¥

                     金物2000¥

                     車体木材5000¥

                     走り装置鋼材1000¥

                     スプロケット、チェーン10000¥

                     24v300wdcモーター7000¥

                     カーバッテリー10000¥

                     フリクションドライブ装置関連5000¥

 

 

             角パイプ200m分130000¥

             枕木軌道200m分10000¥

             締結針金3000¥

 

 

 

             自作レールベンダー3000¥

             手動ドリル4つ6000¥

             金鋸3000¥

             ボール盤12000¥

             万力4000¥

                 

 

 

 

 

 

                  小原鉄道建設のため参考させて頂いたブログ、庭園鉄道等

       381mm以上関連

・八木軽便鉄道社長室 http://ylr.cocolog-nifty.com/ylr/

・現物合わせは基本です https://yellow.ap.teacup.com/bonnow108/ https://train.ap.teacup.com/bonnou108/

・ものぐさの模 http://lazybose.net/rail/

・軽便鉄道博物館blog http://blog.livedoor.jp/asita381/

・ぴぴらいる鉄道事業部 https://pippirail.hatenablog.com/

・世界征服ご意見掲示板/箱庭鉄道 https://9315.teacup.com/jimeta3/bbs?page=16

・桜谷軽便鉄道 http://www.nakanoke.com/sakuradani/

・細田手押し軌道 https://yamaiga.com/koneta/koneta_166.html

・長者丸作業部 http://chojamaru.com/

・CFVS(海外の庭園鉄道) http://www.passion-metrique.net/forums/viewtopic.php?f=7&t=9379

・長沢軽便鉄道 http://nagasawa-keitetsu.info/

・明野軽便鉄道  明野軽便鉄道公式ページ AKENO Light Railway (nagasawa-keitetsu.info)

           明野軽便鉄道: ワンダーコッコのレストア (seesaa.net) 

 ・熊野簡易軌道熊野簡易軌道・くまかん:SSブログ (ss-blog.jp)

・下ノ沢鉄道

・GARA GEMASTER RailWay  

       127mm(5インチゲージ)関連

・欠伸軽便鉄道 http://akubilr.asablo.jp/blog/

・がくのロータリー人生 http://reaps4.blog12.fc2.com/

・大名鉄道ガリバー線 手作りの庭園鉄道。 (coocan.jp)

・小川精機 フォルテ O.S. LIVE STEAM LOCOMOTIVE FORTE - YouTube

       実物ナロー関連

・遺構調査機構 http://ruin-explorer.com/

・軽探団 http://keitandan.web.fc2.com/

・歩鉄の達人 http://www.hotetu.net/          

・復元笠間人車軌道

・ DASH島トロッコ軌道

 

(追加) 最近気になったブログ、hp等

・鹿部電気鉄道 ttps://shikabedentetsu.blogspot.com リンク先頭にhを追加してください

バイクと庭とトロッコと (ameblo.jp)

・フェルトバーンフェルトバーン (coocan.jp)

・15インチゲージナベトロナベトロ… - 止れ3米後に (goo.ne.jp)

・日本のトロッコ情景時刻表にない鉄道を求めて (dagashi.org)

・現役鉱山三信鉱工の貴重なレポ三信鉱工トロッコ (la9.jp)

・武蔵野炭鉱・明延など鉱山軌道◇武蔵野編 : 炭鉱電車が走った頃 (livedoor.blog)

・2フィートゲージ試験線 鈍端分岐 軌間610mmの鈍端ポイント - YouTube
・松山復元人車 乗り越し分岐器 大崎市コスモス園松山人車 (photoland-aris.com)
・ミャンマー ナムツ鉱山鉄道 ミャンマー ナムツ鉱山鉄道 (moo.jp)
・インド ティポンナロー軌道 ティポン炭鉱鉄道 (moo.jp)
・欧州ナロー大全(これはすごい) 産業狭軌鉄道 (ingr.co.uk)
・トロッコ大好き! トロッコ大好き! (coocan.jp)

 

 その他多くの庭園鉄道、鉱山、森林、産業、軽便のナローゲージを参考にしました。

 

 

 

 

 
 

(※この記事はより良い内容にする為に随時加筆、修正をしています)

(この記事には個人的な解釈が多く含まれますので、是非他の方の記事、HP、ブログなども参考にしてください)

 

 

5 ~問題、疑問~

ここでは庭園鉄道で考えられる問題をわかる範囲で書いていきます。注)個人的な意見も有り、他の方の記事なども参考になさってください。

 

 

・カーブ半径はどう決めるか

 基本的には敷設予定場所に収まればいいですが、急曲線だと脱線する車両があったり、走行抵抗が増加してしまう事もあります。ボギー車体ではカーブ内側にはみだして障害物との接触もあります。除去可能な障害物はどかして、出来るだけ緩いカーブにすることを薦めます。

 

 

・車輪の直径はどう決めるか

 これは主に5インチゲージ以上に当てはまります。一般に車輪径が大きいと走行抵抗が小さいと言われますが、高性能なベアリングが手に入る現在ではそこまで気にしなくていいと思います。しかし、カーブでのレールと車輪フランジの関係を考えると、大きい車輪よりは小さい車輪の方が脱線しにくいです。しかし、車輪にギア、スプロケットなどをつける場合はある程度の大きさは必要ですし、ライブスチームではある程度の速度で出す為に大きくすることもあります。

           

 

・脱線する

 これも色々とありますが、線路に枝や落ち葉があった、突風が吹いた、車両が障害物に接触したといった車両に外的要因が加わって起こる脱線ならそれらの障害を除く事で大丈夫ですが、何も無い所で脱線した場合は線路関係の修理、工事が必要です。線路がねじれていると車輪が浮いたり、極端に力がかからない状況になり、脱線します。線路のねじれを解消するか、車輪にスプリングを効かせて浮かないようにします。 レールの継ぎ目はメンテナンスをしないとボルトナットの緩みやレール同士のズレが生じ脱線しやすいです。ロングレール化というのもなかなか難しい話なので、運行前点検をおすすめします。曲線での脱線は固定軸距離が長い、車輪径が大きい、スラックが足りない、速度超過などが挙げられます。レールの間に車輪が落ちる事が原因の脱線はレールの交換や軌間拡大の防止によって解決します。   また、全てのゲージに言える事では、踏み切りや分岐器にガードレールが有る場合のバックゲージにも注意しないとこれも脱線の原因になります。5インチゲージ大手のモデルニクスでは、バックゲージが異なる他社線を走行するための改造も行ってくれるそうです。

 

 

・車両が動かない

 これは線路に問題がある場合と車両に問題がある場合に分けられます。線路に障害物があれば動きませんし、勾配がきつ過ぎたりカーブの抵抗が大きい場合も止まってしまいます。カーブではフランジの当たる所に油や石鹸を塗るといいそうですが、水でも十分に抵抗が少なくなります。雨の日なんかに運転すると実感できるはずです。また、レールから集電する場合は路線長が長いと電圧降下もおきます。レールとは別の電線などを使って流れをよくするか、アルミレールなどの導電性の高いレールにする事もあります。

 また動力車両ではエンジン/モーターの不調もありますが、レールから集電する車両の場合、集電装置の不良、汚れも考えられます。屋外の環境では室内で走らせるのとは状況が異なりますので、ギアボックスを密閉するといった対策も必要になります。車輪がスリップして動かない場合、車輪に力がかかっていない、列車の抵抗が大き過ぎるといったことが考えられます。

 

 

・線路がすぐ汚れる

 雨が降ったときに水の流れ道になっている様な場所では排水の為の溝を掘るなどしないとゴミだらけになってしまいます。また落ち葉などで線路が埋もれる、といった場合は場所を変えるか、定期的にブロワーなどで掃除をします(ブラシは細かいゴミが残りやすいので、ブロワーで一気に掃除するほうがいいです)。

 レールの材質によって汚れる場合、錆びない、変色しにくい物に変えるといった策もありますが、サイズが大きければ多少線路が汚れていても運行に支障はない事が多いです(JR私鉄のレールなんて錆だらけですし)。

 

 

・自作と製品どちらがいいか

 まず、45mmゲージ以下の線路、車両、他付属品に関しては製品だと思います。大量生産品は安く、またメーカー保障がある事が多いですし、なによりこのサイズは加工精度を求められますので、自作はある程度の加工レベルがないと難しいと考えます。もし自作するとしたら製品の改造か、組み立てキットの製作等が限界ではないでしょうか。

 3・5インチゲージと5インチゲージではレール、車輪、動力系といった基本となる物はメーカーのキット、その他は自作するというのが一番安いです。完成品(特にライブスチーム!)はかなり高価になりますし、 日曜大工レベルで個人で出来る加工も多くなります。レール、車輪、動力系をホームセンターで購入出来る様な木材鋼材を使って一から自作することもできますが、その製作の為だけに高価な道具を買うなら製品のほうが安いかも知れません。このサイズの自作になると加工も大掛かり、工作機械は必須ですので、工作機械を所有しているのであれば出来るところまで自作した方が安いです。

 10インチゲージ、15インチゲージ以上は製品といってもキットがほとんど、完成品の購入はメーカーに特注となります。線路に関しては完全に自作の方が安いです。加工用機械を買ったとしても自作の方が安上がりです。メーカー保障や精度を求める場合は製品がいいかも知れませんが、この大きさになれば多少雑に作っても線路として機能します。車両に関してはボギー用台車、車輪のキット、または車輪とモーター付のキットが製品化されていますが、同程度のものを素材から自作か加工所に依頼でも値段は同じくらいだと思います。しかし、大きい車輪になればその分高価になりますので、見た目を気にしないなら車輪径は小さいほうが良いです。

 

 

・必要になる工具類

 屋外では線路を敷くための道床作りなどでスコップ、バケツは使うと思いますが、「岩が邪魔なので削岩機が必要」、「木の伐採にチェーンソーが必要」といった特殊な工具が必要になるかも知れません。その道のプロでなければ定期的に使うことも無いと思いますので、機械レンタルや業者に依頼するのも安上がりな方法です。

 線路、車両関係では、ドライバー、ペンチ、鋸、金槌といった基本工具は必須ですし、5インチゲージなどではボルトナットに使う工具も必要です。メーカーの組み立てキットであれば大まかな加工済ですので、組み立てる為の工具が有れば十分だと思いますが、自作する工程で穴を開ける事も考えられますのでハンドドリル、電動ドライバー、ボール盤等の工具も有って損は無いと思います(経験者としては人力での穿孔はとてもとても大変なので、少し高くても電動ドライバーかボール盤の購入をおすすめします)。線路の自作の場合、レールの曲げ加工をする事がありますが、レール曲げ機がメーカーから発売されていたり、市販パイプベンダーを改造する手もあります。鋼材の切断には電動切断機というものが有りますが、断面が大きい鋼材でなければ金鋸での人力切断で十分です。

 旋盤の様な大型工作機械や溶接機は何回も使うことは無いと思いますので、必要時に鉄工所に依頼する事で十分だと思いますが、頻繁に使用するなら卓上旋盤や家庭用溶接機が必要かも知れません。

 

・費用

 庭園鉄道の規模によってかなり変動しますが、ここでは簡単に数例を紹介します。

 

1 「Nゲージのセットを敷いた」

  • セット代 20000~30000円

 

2 「LGBのセットを敷いた」

  • セット代 50000~60000円
  • 路盤用砂利5mmで40kg 5000円

 

3 「モデルニクスの5インチゲージ入門セットAを敷いた」

  • セット代170000円
  • 送料 
  • 木材代10000円
  • バッテリーと充電器 10000円
  • 線路30m分の砂利200kg 20000~30000円

 

4 「せんろ商会の円形レールでてトロを走らせた」

  • 5インチカーブR2・4m一周分 100000円
  • てトロ127 75000円
  • 送料
  • 線路15m分の砂利100kg 10000~15000円

 

5 「モデルニクスの15インチキットを使ってトロッコを走らせた」

  • 4輪客車メカキット 26000円
  • 送料 
  • 木材代 10000円
  • 角パイプ軌道1mあたり700円

 

6 「5インチゲージのライブスチームを走らせた」

  • 小川精機製ライブスチーム〝フォルテ〟1120000円
  • 同 カーブR10m一周分 260000円
  • 保守用品、オイル 15000円
  • 石炭20kgあたり 4200円
  • 送料

                         

                               

                               

(※この記事はより良い内容にする為に随時加筆、修正をしています)

(この記事には個人的な解釈が多く含まれますので、是非他の方の記事、HP、ブログなども参考にしてください)

最終更新2023 0911

 

4 ~車両~

 

 

・~45mmゲージ

 このサイズは鑑賞用として説明していきます。まず、Nゲージによくあるギアがむき出しの車両は屋外の粉塵にやられやすいですし、軽量過ぎると風で横転という可能性もあります。屋内と違う環境によるダメージも考えられますので、走行する車両は選んだ方がいいです。その分、LGBのような屋外使用を想定した車両がベストです。

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・3・5インチゲージ~7・5インチゲージ

 このサイズは跨ってのる車両として説明します。このサイズになると普通の鉄道模型屋ではなかなか入手できず、専門メーカーからの購入が多いです。完全自作という手もありますが、メーカーから安価な組み立てキット(車輪とモーターだけのセットでフレーム、車体は自作など)が多数出ており、それを活用するのがおすすめです。国鉄では大体電気機関車より蒸気機関車の方が製造費が安かったそうですが、このサイズでは電気車がお手ごろ価格、ライブスチームは高嶺の花、といった感じです。

 このサイズ以上になるとカーブでのレールと車輪のフランジの接触や、左右レールの長さの違いからくる走行抵抗などもかなり大きくなります(カーブ半径、レールと車輪の素材にも関係しますが)。フランジに塗油したり、左右の車輪の独立回転などを採用すると走りやすくなります。

   完成品の取り扱い(例)→モデルニクス、小川精機、技巧舎、動輪舎、鉄太郎電鉄、せんろ商会

   キットの取り扱い(例)→モデルニクス、道楽ぼーず

 

 

・10インチゲージ以上

 このサイズは完全乗り込みも可能な大きさです。しかし5インチゲージに比べ普及率が低く、製品としてはモデルニクス、せんろ商会などでしか取り扱いがありません。日本では15インチゲージが多いようです。また自作しようとした場合、多くの方が直面する問題が車輪の確保だと思います。製品ではモデルニクスのシステム15にあるメカキットシリーズが最安価だと思いますが、せんろ商会の15インチゲージ用のプラスチック製車輪といった物もあります。車輪の素材を購入し、自分で(または鉄工所などに依頼して)加工して車輪を作る方法もありますが、自作の方が自分の庭園鉄道に合った車両を作りやすくなります。15インチゲージ界では一般的な(?)チルド車輪はモノタロウ、アスクルなどのネットストアにて個人でも入手可能です。

車輪素材販売例)伊藤鋳工 伊藤鋳工株式会社 (ito-chuko.co.jp)

        永瀬工場 http://www.nks-nagase.co.jp/   

        モノタロウ "チルド車輪" 【通販モノタロウ】 (monotaro.com) 

 

 また完成品の車輪はアスクルや小川レール商会などで取り扱いが有ります(軌間508~1067)。せんろ商会では永瀬工場の15インチゲージ車輪が購入できます。

  アスクル【アスクル】「ボールベアリング外メタル式車輪」通販 商品一覧 - 当日または翌日お届け!ASKUL(公式)

  小川レール商会小川レール商会 (ogawarail.com) 

  せんろ商会15インチ(軌間381mm)ゲージ製品 - せんろ商会HP (coocan.jp)

  モデルニクス(システム15)モデルニクス (modelnics.com)

 

 乗り込み型車両は緊急時に素早く脱出出来る様な構造にする、室内からブレーキがかけられる様にする、といった安全対策も講じる必要が有ります(普通の鉄道車両と同じですね)。

 

 

追記 車両製作をより低コストに! 木製車輪の試作について

庭園鉄道低コスト化への挑戦!? 木製車輪を作る | 自家用鉄道とDIYの工作室 (ameblo.jp)

 

 

追記 カーブでの内レールと外レールの差

 鉄道の車輪は円錐(テーパー)となっていて、カーブでのレールの長さの差を吸収してくれる、というのはよく知られています。しかし、庭園鉄道のカーブは大変急なので、多くの場合は強引に滑りながら走ります。この時の抵抗を軽減する為にレールに油や水を撒いたり、左右独立回転車輪を装備したりします。

 

 ここからは個人的な推測ですが、レール長さの差による抵抗が問題となるのは5インチゲージ位な気がします。人が乗らない程小さい鉄道模型は車輪にかかる重量も小さいので、走行抵抗も従って小さくなります。逆に15インチゲージ以上の本物レベルの鉄道(模型?)となれば車体重量も、出発時の必要パワーも大変大きく、人力、蒸気、電気問わず巨大なパワーを必要とします。ここまで大きな機械となれば走行抵抗も誤差の範囲に入ってしまう気がするのです。

 つまり人を何人も乗せるにも関わらず、モーターは車両が動けばいい位の小さな出力が多い5インチゲージクラスが特に走行抵抗に敏感にならざるを得ないのではないか、という事になります。

 もちろんすべての事例に当てはまる事はありませんが、15インチゲージくらい大きな庭園鉄道を考えている方は、走行抵抗は意外と問題ではないかも知れません。(18インチゲージを数年間走らせている当鉄道でも独立回転車輪とかレール散水とか、あまり考えなくても良く走っています)

 

 

 

(※この記事はより良い内容にする為に随時加筆、修正をしています。)

(この記事には個人的な解釈が多く含まれますので、是非他の方の記事、HP、ブログなども参考にしてください)

最終更新 2023 0911

 

3 ~線路~

 

ここからは一般に庭園鉄道に必要となる物を紹介します。これは庭園鉄道を始める上で最低限の物ですので、グレードアップする場合は追加することもあります。

 

 

 

・道床

 地面に直接レールを敷いても大丈夫な場合もありますが、平らな家の床と違って凹凸、ねじれが有る事が多いです。特に小さいサイズの模型はレールのねじれによって車輪が浮いて脱線につながるリスクが高いので、できるだけ平らに水平に仕上げます。砂利で高さ調整もできますが、土を固めても(土は固めないとクッションのようにふわふわしてしまいます)いいです。砂利の場合、模型サイズによって粒の大きさを考慮します。N、HOゲージくらいならごく小粒の砂利、5インチゲージで小粒(1cm程度)、15インチゲージ以上なら普通サイズ(5cm程度)が適当です。また、メンテナンスを少なくしたい場合、コンクリートなどで平らに仕上げる事もあります。

 

 

 

・線路

 Nゲージなどの線路は大体が室内使用を想定していますので、プラスチックが日光の影響を受ける恐れがあります。昔はブリキ製レールとか総金属製線路がありましたが、入手困難な場合は走らせる時だけしいて、それ以外は撤去というのも方法です。その分、LGBレールはもともと屋外使用前提ですので、安心して使えるものの1つです。→ https://www.lgb.ne.jp/

 

 3.5インチゲージ以上はほとんど屋外使用前提ですので、天候にされずに使用出来ます。

3.5インチ以上の線路を入手する時、一番安心安全なのはメーカー製品です。例を挙げると、

①モデルニクス http://www.modelnics.com/ 5、10、15インチゲージのレール取り扱いあり。5インチはアルミレールと鉄レールが選択可能。分岐、交差なども多数。

②小川精機 http://www.oslivesteam.com/japanese/lineup/index.html 完成レール他5インチ/7.5インチの3線軌道も取り扱い。

③道楽ぼーず http://www7b.biglobe.ne.jp/~douraku/ 完成レール、分岐販売

④せんろ商会 http://senro.na.coocan.jp/actual1.html 完成レール、組み立てキットもあり

⑤ヤマダ金属商会 https://www.yamada-5inches.com/ 完成品、キット、敷設まで対応。

 

 次に線路を自作する場合ですが、レールだけ上記のメーカーから購入、枕木などは自分で組み立てるというのも良い方法ですが、安く作りたい場合、ホームセンターで買える鋼材木材で自作も出来ます。直線状で、価格もそこそこで、ある程度強度があれば何でも線路になりますから、これ以外にも色々探してみます。

 

①フラットバーを使う       

フラットバーは安く、またカーブも容易に製作可能ですが、枕木との固定が難点です。角材からサイコロ状の部品を量産して、縦横に穴を空けて締結具にするのが現実的でしょうか。 実物の鉄道では木材にフラットバーを貼り付けた線路(④を参照)が存在したみたいですが、この方式だと〝曲げやすい〟というフラットバーの利点が生かせません。緩いカーブならまだしも、庭園鉄道界ではしばしば、通常では考えられない程の急カーブを求められるのです。

 

 

②木材を使う       

木材をそのままレールとして使う方法です。非常に安価ですが、反面、走行抵抗が大きくなり、カーブではかなり削れます。車庫線やあまり使わない引き込み線など、場所を考えて使うのであればとても経済的です。

 

 

③L型鋼を使う      

強度もあり、枕木への取り付けも容易ですが、カーブレールを作る過程の曲げ加工でゆがみが出やすいのが難点です。そこをクリヤすればかなり実用的、分岐器も作りやすいでしょう。

 

 

④水道管を使う    

本線での使用は余り考えていませんが、側線や車庫では使えます。パイプ状ではあるものの、潰れには意外と強い(大径の物ではなく、小径であれば)ので、枕木密度を増やすなどすれば実用に耐えます。しかも曲がりやすいので、緩い曲線であれば敷設可能です。 枕木との固定はまず木ネジのネジ部が通る貫通穴を空けた後、片方を頭部が通る径に拡大します。すると木ネジで直接枕木に固定できます。他にも色々考えられるので要検証。

 

 

⑤木材を補強する     

木材そのままでは走行抵抗や摩耗が問題となるので、L型鋼やフラットバーを張り付けます。実物鉄道でもストラップレールという名称で使われています。木材には釘とかネジで固定しますが、釘の“頭”が出っ張らないようにザグリ加工が必要になります。また木材は曲げやすいので緩いカーブであれば製作可能です。曲げる必要が有るL型鋼やフラットバーは縁石が描く曲線の如く、短い物を連続させると大丈夫そうです(要検証)

 

 

⑥角パイプを使う       

農業用トロッコやカメラ移動用トロッコには丸パイプが多いですが、より潰れにくい角パイプの方が鉄道用としては適切です。これも比較的安価、強度有りですが、枕木への固定に加工を要します。小原鉄道では25mm×25mm×厚1・3mmの角パイプを使用、枕木含軌道1mあたり約700円です

 

 

⑦実物のレールを使う       

主に15インチゲージ以上向けですが、これが一番「the 鉄道」感があります。しかし加工は容易ではなく(それなりの工作機械は必須です)、入手が難しく、重量物の為輸送費もかかります。また価格もかなり変動が激しく、知る限りの一例ではJIS規格最小の6kgレール5・5mで約5000~18000円とバラつきがあります。(追記 最近6kgレールの加工を経験しましたので、近い内に加工法の記事書きます)

  例)小川レール商会 http://www.ogawarail.com/ 

    国鉄産業(普通レール) http://www.makuragi.com/

 

 

⑧コンクリートを使う   

これは思い付きです。例えばどこかにコンクリートの地面を作るといった時に、打ち立て生コンクリートの上に2本の角材を軌間の幅で置きます。固まればもう即席路面軌道の完成です。コンクリの上を車輪が通ると削れるかも知れないので、フラットバーなどで補強すれば完全な路面軌道にグレードアップします。

 

 

⑨5インチゲージのレールを使う  

最近知りました。フランジ高さがレール高さより小さければ走れますね。

 

 

 

 

 また、分岐等の特殊な線路については完成品の方が安心して使用できるのは当たり前ですが、15インチゲージ以上の大きさであれば自作品でも十分に使用可能です。これは許容できる誤差によるもので、15インチゲージ程度ならレール継ぎ目が3mm横にずれていても脱線の確率は低いですが、5インチゲージで同規模の誤差があれば脱線の元になります。そのためレールゲージが小さくなるに従って精密な加工を要求されます。

 

 

 

・曲線を作る(追加)

 全て直線のみの庭園鉄道.....というのは中々想像できませんが、多かれ少なかれ路線に曲線は必須となります。レールを曲げる作業、特に鋼材ともなれば専用の道具を揃えなければなりません。45mmゲージくらいまでは完成線路を用いるのがほとんど、フレキシブルレールを使うにしても道具無しで加工できます。3.5、5、7.5インチゲージなどは完成品線路がそろっていますが、自作用のキットも充実しています。レールを曲げる専用器具も販売されています。15インチゲージ以上ではモデルニクス、せんろ商会で完成品曲線線路が購入出来ますが、自分で曲げ加工器具を作る場合も多いです。

 

・道楽ぼーず 5インチ用レールベンダーレールベンダー (t-com.ne.jp)

・八木軽便鉄道 レールベンダー日曜大具レベルの工具でここまでできる6kgレール軌框作りに必要な各種工具&治具: 八木軽便鉄道・社長室 (cocolog-nifty.com)

・現物合わせは基本です レールベンダーレールベンダーを依頼 | 現物合わせは基本です (teacup.com)

・小原鉄道 レールベンダー ナローの泉(鉄道)さんはTwitterを使っています 「さて、エイプリルフールは置いておき(笑)、今日もレール曲げです。慣れてきたとは言え、スラック15mmの範囲に収めながら曲げるのはやはり難しい........ https://t.co/84xG5yslvR」 / Twitter

 

 

・軌間の調整/スラック

 あるスペースに線路を敷くとして、軌間が小さいもの程カーブは緩く、軌間が広いもの程カーブはきつくなります。庭園鉄道では家の周囲を一周する路線など、半径1mや2mでカーブする場合がありますが、乗用5インチゲージでここを曲がろうとすると軌間127mmでは脱線します。カーブでは直線区間の軌間のままだと車輪とレールで余裕がなくなるため、少し軌間を拡大します(スラック)。45mmゲージくらいまでなら問題にならないことがほとんどですが、それ以上のゲージではかなりの急カーブになる事もあるので、軌間拡大が必要になります。例として、5インチゲージでは通常127mmのところ130mmにすることが多いです。また、直線で127mm、曲線で130mmといちいち変えるのが大変というのもあるのか、製品の5インチ線路では直線曲線ともに130mmで固定している物もあります。

 分岐器では一部直線と曲線が重なる区間がありますが、普通は曲線側の軌間に合わせます。またクロッシング部などで脱線防止の観点から軌間を拡大することもあります。

 

 

・“キレイ”に敷くには(追加)

 線路をコンクリートの上などに敷く場合はおおよそ大丈夫ですが、デコボコの地面に敷く場合は水平に直す作業が必要です。線路の理想は主要幹線線路の様に凹凸が少ない状態です。凹凸が有るとスピードを出した時に揺れが酷くなります。軽便鉄道でイメージされるヘロヘログニャグニャの線路は絵になるかも知れませんが、実際に車両が走るとなるとなるべく避けたいものです。経験上、縦方向の凹凸(プラレールのニュー坂レールみたいな)はまだ良性の凹凸です。対して曲線区間の坂や軌道のねじれなど、ねじれの要素を持つ凹凸は脱線の可能性がぐんと高くなります。車両にサスペンションやイコライザーなどが付いていれば多少安心ですが、車輪がバネ等無しで車体にガッチリ固定されている場合、どこかの車輪がレールから浮く三点支持状態となり脱線します。

 地面を平にする整地にはブルドーザーかユンボ辺りが有ると楽ですが、持っている方はかなり限られるでしょう。そういった重機ナシで整地する方法の一部を紹介します。

 

①板を活用  

建築用の針葉樹合板などを使います。凸凹の地面に板を押し付けるとどこが窪んでいるかが一目瞭然です。あとは窪みに土や砂利などを追加して平にしていきますが、意外と板の取り扱いが面倒です。

 

②バラストを使う  

普通の鉄道と同じです。線路を地面からやや離し、その間にバラストを敷き詰めます。リアル鉄道での長年の実績もあって確実ですが、多量のバラストの費用、運搬作業など問題が有ります。また道床の項目にも書きましたが、バラストのサイズも適度な物を使います。本物の鉄道用バラストを5インチゲージの線路下に敷いても隙間が空きすぎ、小粒バラストを15インチゲージの線路下に敷いても密度が高すぎてコストがかかりすぎます。バラストの上に敷く予定の線路を置いてみて、バラストが均一に枕木に接触しているかどうかがサイズ選定の目安ではないでしょうか。

 

③端材を使う 

工作で余った木材など、丁度いいサイズの物を地面と線路の間に入れて、線路の水平を作ります。枕木のレールとの締結部の真下に入れるのが重要で、端材の場所が悪いと枕木が折れる可能性があります。小原鉄道では①②③などを試した結果、最も簡に作業出来るの③の方法で保線や線路建設をしています。端材といっても木っ端である必要はなくて、要らない瓦、割れた植木鉢、或いはそこらに落ちている木の枝など何でも利用出来ます(貧乏性!?)。

(※この記事はより良い内容にする為に随時加筆、修正をしています)

(この記事には個人的な解釈が多く含まれますので、是非他の方の記事、HP、ブログなども参考にしてください)

最終更新2023,0911

 

2 ~場所の選定~

 

次に庭園鉄道を敷設する場所ですが、別に庭に敷かなければいけない訳ではなく、ベランダ、屋上、家内など多種多様ですが、ここでおおきく4つの条件があります

 

 ・家族の同意を得られる場所か。

 ・騒音を気にしなくて良い場所か。

 ・来訪者から観て安全か。

 ・運行に支障がないか。

 

 

 

・家族の同意を得られる場所か。

 これは一番重要かも知れません。家族から「必要無い物、捨てて良い物、邪魔な物」と判断されれば庭園鉄道計画そのものが危うくなります。どうにか家族を説得し、夢を掴みましょう。勿論、玄関口が車両でふさがる、などといったトラブルも避けましょう。

 

 

 

・騒音を気にしなくて良い場所か。

 45mmゲージまでなら騒音を気にする必要はないと思いますが、5インチゲージ、特に乗用する場合はカーブでのきしみ音、車輪の転がる音がかなりうるさくなる場合があります。お隣さんと近い、または音が響く場所では油などを使って騒音軽減、時間を選ぶ、といった対策が必要になります。当然ではありますが、サウンド車両やライブスチーム、エンジン駆動車は一層注意した方がいいです。

(余談ですが、457mmゲージで荷物も合わせた車両重量200kgを超える事もある小原鉄道では角パイプレールという特殊性の為か、あまり騒音がありません。レールや車輪の材質によっても騒音の大小は変わるようです)

 

 

 

・来訪者からみて安全か。

 家の外に庭園鉄道を作った場合、来訪者の安全も十分考慮します。たとえば歩く道を軌道が横切っている場所では線路が有る事を注意喚起したり、来客の時に邪魔になるような場所を避ける(または取り外し可能にする)、電気設備などで危険な物は人目に付かない所に配置する、などです。

 

・運行に支障がないか。

庭園鉄道は家の中で走らせる模型よりも過酷な環境で運行します。落葉樹の下などは線路と車輪の間に葉っぱが挟まって脱線することもありますし、砂がむき出しの場所では粉塵が車両設備に影響することもあります。また車両規格が大きいと障害物にぶつかってしまうこともあるので、脱線時の救助も含めて安全に運行できる場所にします。

 

この様なタイトルで始まるブログ記事はこれで何例目でしょうか?、というくらいに様々な方が庭園鉄道についての記事を書かれていますが、「庭園鉄道を始めたい!」という方を少しでも応援できればと思い、自分の持っている情報を出来る限り書いていこうと思います。またご意見・反論等受け付けております。  

 

(この記事には個人的な解釈が多く含まれますので、是非他の方の記事、HP、ブログなども参考にしてください)

 

最終更新2024・0511

 

1 ~どの様な路線を作るか~

 

 

まず構想からですが、大きく分けて

・観て楽しむ庭園鉄道を作りたい

・乗って楽しむ庭園鉄道を作りたい

・作って楽しむ庭園鉄道を作りたい

・お客さんを乗せて楽しむ庭園鉄道を作りたい

 

の4つに分けて、説明していきます

 

 

 

・観て楽しむ庭園鉄道を作りたい

観て楽しむのはどんなゲージの鉄道にも言えますが、家や沿線風景も作りこんで鑑賞するのであれば45mmゲージ以下が適当です。(ゲージが大きくなればジオラマの規模も大きくなります)

       例)https://www.youtube.com/watch?v=GvoTJa57xGY

 

 

 

・乗って楽しむ庭園鉄道を作りたい

これは主に5インチゲージ(127mmゲージ)以上ですが、3.5インチゲージ、45mmゲージは特殊な方法(ロッキード式モノレールのように線路に跨る)によって乗る事が多いです。

       例)https://www.youtube.com/watch?v=J8QIvJPG168

 

 

 

・作って楽しむ庭園鉄道を作りたい

どんな庭園鉄道でも作らなければ始まりませんが、工具があれば簡単に作れる製品もあれば、完全自作される方もいらっしゃいます。もしものづくりが得意な方ならキットになっている製品や一から自作をおすすめします。

       例)欠伸軽便鉄道様 http://akubilr.asablo.jp/blog/

 

 

 

・お客さんを乗せて楽しむ庭園鉄道を作りたい

5インチゲージなどはよく遊園地などで子供を乗せて走っている事がありますが、たとえお金を取らない非営利なものでも安全には十分注意しなくてはなりません。また営業する場合は法律が絡んできますので、メーカーから製品を購入するのが最善です。

 

 

だあびい様に意見を参考までに貼らせて頂きます

     

 

 

 

 

だいたいどの様な庭園鉄道を作るのかが決まると、次は具体的な話になります。

 

 

 

 

参考:レールゲージ 軌間の話

 庭園モノレールや庭園ロープウェイが作りたいという方以外の庭園鉄道を作る者にとって重要な話が軌間になります。軌間の詳しい分類種類は他の専門的なサイトを検索していただくとして、ここでは庭園鉄道の観点から軌間について解説していきます。

 

どんな軌間がいい?

 用途による軌間の決定は上の4つの分類を参考にしますが、普通は9mm、32mm、45mm、127mmなどの有る程度規格化されている軌間が適当です。同じゲージであれば異なる製品でも走行可能な場合が多いですし、他路線への乗り入れも可能になります。10.5mm、51mm、110mmなど、規格外の軌間や規格があってもあまり普及していない軌間は線路車両の自作が必要だったり、製品の入手が難しい場合があり、注意が必要です。

 また屋外を走行する場合、狭い軌間は小さな風も走行に影響する可能性がありますし、砂埃等も走行の障害になる可能性もあります。広い軌間は安定した走行が望めますが、サイズが大きい分高価になりやすいです。

  庭園鉄道の主な軌間  

鑑賞用→45mm

乗用→89mm(3・5インチ)、127mm(5インチ)、191mm(7・5インチ)、381mm(15インチ)

 

         

(※この記事はより良い内容にする為に随時加筆、修正をしています。)

 

 ちょっと備忘録的な感じですが、現時点での路線紹介です。今までツイッターでも紹介しなかった場所も含みます。

 

 

 

 

 

【上部線】

 

 

小原鉄道で最初に完成したのがこの上部線ですが、同時に最も交通量が多い路線で、毎日3号トロッコと4号トロッコの編成が1往復以上します。建設から2年が経ちますが、レールは錆びるどころか購入時の塗料が残っている場所も多いです。

 

車庫側終点。ここで上部線と中部線がつながっています。砂利のスペースは駐車場、木の板が見えている併用軌道より先は車は通れません。

 

       

 

車庫。使用時だけパタンと屋根をかぶせます。ご覧の通りスキマだらけなので風などで雨粒が横から来ると高確率で濡れます。透明な樹脂波板の屋根の下に3号トロッコ、錆びた屋根の下に4号トロッコが入ります。車庫前には2号分岐と4号分岐が並んで配置されています。

 

上部線の真ん中には話題になったトロッコ問題ツイートに出てくる3号分岐が有ります。普段は左に開通していて、右には資材置き場があります。

玄関前。レンガによる路面軌道風で、車庫にしまっている以外、トロッコはここのスペースにいることがほとんどです。線路上の謎車両より先は普段走行しません。

  

先には枕木や再利用するレールの置場です。ここらへんは最初期の建設なので線路状態が悪く、限られた車両しか走行できません。

  

資材置き場。床がコンクリで平らなので、最近は分岐器をここで製作しています。春夏は日差しの関係で日当たりも良いですが、秋冬はじめじめと湿気がこもります。

 

 

【中部線】

 

上部線の次に着工したのが中部線ですが、諸事情で長らく分断されており、全線開通したのはつい最近です。

西の終点、左は物置です。中部線に有る6号分岐はもともとここに設置されていました。

 

途中、もともと段差の有る地形だったものを埋め立てています。


 

物置を過ぎると周りを草木に囲まれます。ここではよく蜘蛛の巣に引っかかったり、軌道を蔦が覆って脱線することもあります。

緑と赤の車両は6号トロッコで、レールゲージの関係でここから東には行けません。

小屋の解体跡地を中部線の線路が通っています。ここにあった小屋が原因で中部線は長らく分断されていました。

 

大きい方の物置前。下部線の線路と一部並走します。

下部線との合流地点の5号分岐。ここは軌道のねじれが酷く、よくメンテナンスしないと脱線する要注意ポイントです。

 

車庫前で上部線と合流します。

 

 

 

【下部線】

小原鉄道では一番最後に着工した路線ですが、初期の路線と現在の路線は線形が大きく異なります。下部線が通る場所は小原鉄道一の急勾配区間であり、最初は勾配にそって線路があったため暴走事故が何回か発生してしまいました。そのため、路線全体を3段スイッチバックに改良し、より安全に運行できるようになりました。

下部線東側終点。石垣をつくり、その上に軌道があります。

 

下部線も他の路線同様緑に覆われ始めていますが、ここではなぜか〝ふき〟の割合が高いです。小原鉄道では中部線と下部線の使用率が低いですが、特に下部線は軌道が見えなくなるほどの草で覆われます。

 

1つ目のスイッチバック。スイッチバックの終端の車止めは999のカタパルトレールのように空に向かっています。

 

2つ目のスイッチバック。上のコンクリの上には中部線の線路が見えています。

  

中部線の線路と並走、5号分岐で合流します。幽霊が出るとか出ないとかで噂の廃トイレもあります。

改良前の下部線路線図です。写真では解りにくいですがかなりの急勾配、車両が暴走すると人の手では止められないです。そのぶん改良後のスイッチバックでは暴走しても安全に停止させる構造になっています。

 

 

 

 

今回は中部線の軌道改良工事の模様です。

中部線は元々通路でも何でもない場所が多く、ガタガタの自然地形の上に無理して軌道を敷いている箇所が多いのですが、これでは非常に脱線しやすくなります。このような場所ではまず軌道の水平を調整し直し、周りを土で固めて滑らかに走行できる軌道を作ります。

大きく窪んでいる場所では投入する土が多くて大変です。

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この区間はもはや谷のよう、最も工事の大変な区間です。膨大な量の土を投入し続け、完成までに2週間くらいかかりました。

新たな試みとして曲線部に突っ張り棒を設置。高速で車両が曲線区間に進入しても遠心力による軌道の位置ずれを防ぎます。

運材列車も活躍。重量物輸送に3号/4号トロッコは必須です。

最後にレール内側に防草シートを敷きます。雑草を防止して歩きやすくなります。

 

18インチゲージのトロッコで土輸送 - YouTube

土を輸送している様子です。多分これを数十回繰り返しています。

 

また続きます

最初の路線の建設から5年が経とうとしている小原鉄道、もはや生活インフラの1つとして欠かせない存在となっているのが当鉄道です。  .....が、酷使の影響、材料の不良、工作下手による老朽化の進行著しく、多くの区間で徐行を強いられるなど輸送効率の低下が目立って来ました。そこで運行上の障害となっている箇所を根本的に改善し、輸送効率を上げようと「小原鉄道 輸送力増強計画」が密かに始まったのでありました......。

 

 

そもそもの運行上の障害とは何かをざっとまとめると、

ケース①枕木が腐敗や走行時の衝撃により破損、軌間維持が不能になりズレたレールに車輪が乗り上げて脱線する。枕木がレール継ぎ目を兼ねる小原鉄道独特の悩み。

 

ケース②雑草、落ち葉、ツタ等が凄すぎてそもそも通りたくない路線となっている。加えてこの様な場所では湿潤状態になりやすく、①枕木腐敗が多発する

 

ケース③建設当時の工作力が低く、走行の衝撃等で部品は壊れ、線路自体も崩壊している。特に2号分岐器は酷い有様であり、レールが分岐器の形をして地面に載っかっているだけとなっている。

 

ケース④(特にカーブで)線路のねじれがきつく、車輪が3点支持状態となって脱線する。

 

ケース⑤軌道の高さ微調整にそこらの木の枝、瓦、木っ端を使用している区間で、振動でこれら微調整材がズレたり抜けたりしてレールが落ちる。そうなると④軌道ねじれにつながったり、大規模な破損を起こしたりする。

 

大体こんなものでしょうか。見るだけで頭が痛くなる問題の数々ですが、輸送状況改善の為には兎に角これらを解決しなければなりません。これらの解決法としては、

 

①→継目部や強度上の弱点となっている枕木は、幅45mmの通常枕木から幅90mmの幅広枕木に交換、腐敗防止と補強を目指す

 

②→軌道内に防草シートを張り、雑草防止と歩きやすさ(車両の手押ししやすさ)を高める

 

③→現在の工作技術を駆使し、最低限使える程度まで補強

 

④→ねじれ改善

 

⑤→全体を土に埋めて土道床を形成、貧弱な軌道を改める

 

といった内容となります。

小原鉄道は生活インフラとしてはもちろん、DIY作業でも頻繁に運行しますので早期の改善工事完了を目指します。

 

という訳で早速、走行率が一番高い上部線の2号分岐器周りの改善工事を行いました。

構造上重要な枕木を幅広枕木に交換、軌間を確認して組み立て直しました。本当は新型の高速通過分岐器を設置したかったのですが、そもそもの分岐に至るまでの線形が決まってしまっているので、このカクカク分岐器を再利用しないとスペース的に難しいのです。

 

またぼちぼち工事を進めますので、また続きます。

庭園鉄道(主に15インチゲージ以上について)は費用面/技術面でも中々手が出せない趣味ですが、その大きな要因の一つは「車輪の確保をどうするか」ではないでしょうか。今の所車輪を確保する方法は

 

①完成車輪を購入する(せんろ商会・ネット通販アスクル・小川レール商会など、軌間は決まっている)

②車輪と車軸を別に用意し、加工して組み立てる(チルド車輪はアスクル・モノタロウなどで入手可能)

③台車ごと購入する(モデルニクスなど)

④プラ車輪キットを購入する(せんろ商会、ただ情報が古いので現在の詳細不明)

⑤重量戸車を利用する(車輪が小径で踏面幅が小さく、種類も少ない)

⑥4輪客車メカキットを購入する(モデルニクス、軌間は自由に変えられるタイプも有り)

⑦その他、代用品など

 

に絞られると思います。①~⑥はもちろん個人でも入手可能ですが、かなりの額になります(中でも一番安上がりで確実なのは⑥で26000円です。以前はもっと安かったのですが....)。小原鉄道では全て②ですが、一両製造するのにいつも数万円かかってしまうのが問題でした。そこでより低コスト、より作りやすくを目指して木製車輪を試作してみました。

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 まずは見た目ですが、まさに“木”という感じです(全面的に黒とかで塗ればもっと重量感がでると思いますが)。寸法は軌間457mm、バックゲージ433mm、踏面幅48mm、車輪径170mm、フランジ径200mm、フランジ角度64°、車軸径13mmです。車輪径はボール盤の奥行の限界から決まっています。さて、問題の価格ですが、この2軸で1000円以下です。内訳は

・910x910x12mm針葉樹合板540円

・13mm丸鋼1820mm 180円

・内径16mm水道管パイプ198円

・コーススレッド4.2mmx65mm 16本

となっています。もちろんホームセンターごとで材料の価格は微妙に違いますし、どのくらいの大きさの車輪にするかで最終的な費用は変わりますが、先の①~⑥の方法よりも圧倒的に安上がりになります。

 

 

 

 次に作り方について

1、板からジグソーで丸く切り出して車軸穴を空ける。今回はコンパスで円を描く→切り抜く→車軸の穴をあける、の順でしたが、微妙に心ブレが起きました。完全な円を作る場合、車軸の穴を空ける→穴を基準にしてコンパスで円を描く(工夫が必要)→切り出すの方が確実です。またジグソーで完全な円が切り出せるのかという疑問もありますが、しっかりと円に沿って切ればかなりの精度の真円が出来ました。他にも板から円盤を切る方法として糸のこ盤、曲線用のノコギリ、トリマー(コンパス機能を使う)などを試しましたが、結局はジグソーで線に合わせながら切るのが一番疲れにくく、精度も良いです。

2、フランジの斜め部分を切る。曲線用のノコギリで写真の様に切ります。切る部分に付けた線や合板の層を確認しながら切っていきますが、これが木製車輪製作一番の苦行でしょう。木工旋盤があれば効率良くなりそうですが、慣れればそれなりに早く、正確に加工出来ます。

 

3、車軸、水道管を切る。車軸は車輪の外側の軸受け部分まで含めた長さに、軌間保持用の水道管はバックゲージの長さに切ります。車軸の太さはお好みですが、余り太いと切断しにくいです。今回使った13mm径丸鋼でも金属ノコで切るのにそれなりの時間がかかりました。ちなみに高速切断機も使ってみたのですが、砥石が悪いのかそもそもの性能が低いのか、全然切れませんでした。

 

4、組立てた後、車輪をコーススレッドで固定する。

 

 

 

 

 最後に使用感想ですが、木製車輪、価格の割に中々良いです。せっかくなのでナベトロにして草の輸送に使っていますが、十分実用になります。木製だと走行抵抗が増えるのでは、と思っていましたが感じられる程の抵抗は有りません。それどころか車輪がとても軽いので、鋳鉄車輪の3号/4号トロッコよりも軽い走りです。懸念していたフランジの摩耗も殆ど有りません。(追記)フランジは走行中は全くと言っていいほど摩耗しませんが、頻繁に起きる脱線の衝撃で少々ボロボロになっています、、、、、。

 ただ問題も有って、曲線で頻繁に脱線します。これは木製フランジの摩擦が大きくてレールに乗り上げてしまう事が原因ですので、フランジに油を塗ればある程度脱線は減ります(それでも脱線はゼロでは有りません)。また強度の問題について、今の所30kg程度の荷物を載せた状態ではビクともしません。(追記)使用した感想としては、結構な重量物を載せても軽く回ります。しかし、極重量物を載せた状態で脱線するとフランジの破壊がより進んでしまいますから、少量ずつの分割輸送が大切です、、、。