昨日は、母の白内障の手術のため,グループホームに行った。
母のテーブルのところには小さな金魚鉢が置かれていた。
その中にはメダカが3匹。
前回の外出は台風のため中止にしたので、そのとき、「娘に会いたい」と、職員さんに訴えたようで、母が寂しくないようにメダカの金魚鉢を置いてくださったようだ。
それから母はメダカを見たり、エサをあげたり,楽しそうにしていたそうだ。
わたしにも,メダカや亀がかわいいと何度も話してくれた。
お隣の男性ともよく話をするようで、「明るくてとっても良い方」だと話していた。
そのとき,母が言った。
「奥さんのこととか聞かないようにしているの。
聞かれたら嫌なことってあるでしょ。
だから話してくれることだけ聴くようにしているの」
「そうだね。
聞かれたら嫌なことってあるよね。
話したかったら自分から話すものね」
92歳で認知症でも,母はそういう配慮ができる。
それで思い出したのだけど、母はわたしに対してもずっとそうだった。
わたしが聞かれたくないって思っていることを,母は決してわたしに聞かなかった。
きっと,すごく気になっていただろうと思う。
それでも聞かない。
わたしが話すことだけ聴いていた。
わたしがなかなか結婚しなくても,そのことには触れなかった。
結婚して,子どもがちっとも授からなかったときも,他の人からは色々言われたけど,母は何も言わなかった。
わたしが長いこと,喋らなくなったときも,その理由は聞かなかった。
その他にも数えきれないほどたくさんのことを思い出す。
つまり、母が相手の話すことだけ聴いていて、話さないことについては質問しないっていうのは、年季が入っている。
だから、母は人に好かれるのだと思う。
白内障の手術のときも,20人くらいの人が待っている中で,母はお隣の方とおしゃべりしていたようで、その方が「とても優しくて穏やかなおばあちゃんですね」って話してくださった。
手術前は2階に行ってしまって、付き添いは一緒にいることはできなかったので、長い時間,母はどうしているだろうと気になっていて,お隣の方とおしゃべりができていたのを聞いて安心した。
そんなわけで,とりあえず左目の手術は、無事に終わった。
終わってから,母は「こんなに大変だって知らなかった」と言った。
「あ母さん,大変だって思っていたら,ずっと心配したり憂うつだったでしょ。でもそんなふうに思っていなかったから,わたしに会えるの楽しみに待ってた。
だから,それで良かったんだよ」
「そうねぇ。
その通りね」
右目の手術は1週間後なので、それまでに手術のことを忘れてくれると良いなって思っている。
しかし,今日も診察だし、手術前にも行かなくてはならないし、合計6回,あのおっそろしく待ち時間の長い待合室で何時間も過ごすのかと思うとため息が出る。
母にとってはかなりしんどいことだろう。
でもね。
今日は診察後のお寿司のランチが待っている。
母とそれを楽しみに行ってこよう(*´∀`)♪
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