母とのランチのときの会話。
「後,2週間くらいでお母さんはグループホームに引っ越しです」
「今の所も慣れたし、良いんだけど‥」
「お母さんが,町田市民になったのは,グループホームに入るためだったの。
グループホームは,ジグソーパズルや草むしり,洗濯物をたたんだり,お散歩やドライブもできるの。
ステキじゃない?」
「それは良いねぇ」
ここで,母の目は輝いた。
「今のところも慣れて良いと思うけど,お母さんはレクや食事以外はずっと部屋でテレビを観ているでしょ。
でも,デイサービスのときはみんなリビングにいて,一緒にテレビを観たり、おしゃべりしたり楽しかったよね。
グループホームもそんな感じ」
「それなら,良いわ」
「そう。
だから,お母さんは心配しないで,楽しみにしていてください。
一人で部屋にいると,クヨクヨ考えちゃうんでしょ。
それでお腹痛くなって,病院に行かされたでしょ。
車椅子に乗せられて,おかゆ食べて病人みたいになって、なんでもないのになかなか退院できなくて,お母さん,帰りたいってずっと言ってたものね。
心配していても良いことないのよ。
ワクワク楽しみにしていれば、楽しい気分になるんだから」
「それじゃ,ゆうちゃんたちにお任せして,楽しみにしていれば良いのね」
「そうです。
楽しみにしていてください」
「こうやって話せると,よく分かる」
「話を聞くと,安心するでしょ。
色んなこと,忘れちゃうかもしれないけど、
楽しみにしておくってことは忘れないでね」
「分かった。
忘れない」
「それじゃー、来週の金曜日もランチね」
「うん。
楽しみ。
それで,お母さん,ゆうちゃんの引っ越しのお手伝いに行きたい」
「残念だけど,これから仕事だから引っ越しの片付けはできないの。
お母さんの気持ちだけ,もらっておくね」
しかし,母は、「ゆうちゃんの引っ越しの手伝いに行きたい」を、5回も6回も言っていた。
その度に同じやり取りをした。
30年前,私たちが,町田から大阪に引っ越したとき,母は手伝いに来てくれた。
お風呂場の壁に消えるクレパスでアンパンマンの絵が描いてあった。
母は、それを泣きながら消していた。
きっと孫たちが遠くに行ってしまうことが寂しかったのだと思う。
そして,私たちはまた,同じ街に住んでいる。
子どもたちは,みんなおとなになったけど‥
何度も、何度も「引っ越しの手伝いがしたい」と言った母。
引っ越しは大変だから,手伝いたかったんだと思う。
母の愛はありがたいねぇ╰(*´︶`*)╯♡
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8月30日金曜日,20時半からになります。
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