二人の盲人

 

それからイマヌエルと弟子達はジェリコに向かって出発した。
多くの人々がそれに続いた。

すると、二人の盲人が、道に座っていた。

彼らは、イマヌエルが通り過ぎるのを聞き付けて叫んで云った。

「主よ、天孫の子である人よ。私達を憐れんで下さい。」

人々は、彼らが黙る様に脅かしたが、彼らはもっと大きな声で叫んだ。

「主よ、天孫の子である人よ。私達を憐れみ給え。」

しかし、イマヌエルは立止まって、彼らに呼び掛けて云った。

『私が、何をしてあげれば良いと言うのか?』

盲人は言った。

「主よ、私達の眼が開かれ、

 私達がこの世の美しいものを見ることが出来ることです。」

憐れんで、イマヌエルは言った。

『貴方がたに、見える様にしてやれる力を持っているのは、
 誰だと信じているのか?』


彼らは言った。

掟の中に存在する創造の力です。」

イマヌエルは驚いて言った。

『その通りだ。
 その様な信仰は、その様な知識は、
 この人々の間で今まで見たことがなかった。
 貴方がたが信じていることが成る様に。』


そしてイマヌエルは彼らの眼に触れた。

直ぐに彼らは見える様になり、後に従った。

イマヌエル達は、道を進んで行き、

イマヌエルは人々に平易な言葉で教えて言った。

『よくよく言っておく。
貴方がたが、

霊と知識を、熱心に知り求めるなら、
そして
真理を信じて疑わないなら、
貴方がたは、盲人に起きた、その様な事ではなく、
貴方がたがイチジクの木に枯れろと言えば、枯れるだろう。
又、山に向かって「立ち上がって生みに飛び込め」
と云えば、その通りになるだろう。

真理と知恵の知識を得るなら、

貴方がたの霊は力あるものとなろう。

であるから、

貴方がたは知識を得、知恵の真理に従って生きるならば、
あなた方の霊は、無限の力で満たされるだろう。

そしてあなた方が命じ、祈って願うこと全ては、
あなた方が信ずるなら、それを受けるだろう。


祈りが、
苦しい時の神頼みだ、と妄想してはならない。
何故なら、
あなた方の霊
知恵によって、鍛えられたならば、
祈らなくても、あなた方は受けるだろう。

間違わず、
偽造された教えを信じるな
人間は
意志を持っているというが、
この信仰は
間違っているからである。

人間は何を企てようと、いつでも、先ず、
あれこれしようとする
意志を造り出すよう、
促される
ことを知っておきなさい。
何故なら、これは
自然の掟であるかだ。

その様にして、
人間は、
自分の生命の成り行きを決める。
それは
運命と呼ばれている。

故にそれは、こういうことである。
人間は、
知識を自分のものにし、知恵を学び
そこから、
法則を含蓄した意志を生み出すのである。

貴方がたは、自分達のことを学び、
且つ、
霊を完成する為に生きている人間と思いなさい。

何故なら、貴方がたは、
霊を完成するという。
責務を持って生れて来たからである。

故に、人間は
創造に背いた為、別の時に、
霊的完成に達しなければならないという様な、

間違った教えが広がっても、
将来はそのことに注意を払ってはならない。


間違った教え警戒しなさい。
何故なら、その様な教えは、
最後の一点に至るまで、

だからである。

よくよく云っておく。
人間の霊は完全ではなかったし、
又、
創造から見放されてもいない

一人一人の
人間の霊は、固有に創造されている。
任務の中で、新しく創造され、自ら完成し、知恵を学ぶ為に。

そうして人間は、掟の定めに従って、創造と一体となり、

霊を通して、創造そのものが現れ、広がる。

故に、霊は人間において、一体となり、
創造は、それ自体において一体であり、
創造は、自ら以外の力を何一つ持っていない。


創造はそれ自身、純粋は霊であり、限り無い力である。
創造はそれ自身と一体となり、創造外には何も無いからである。

未来における、間違った偽造された教えに警戒しなさい。
それは私を、創造主の息子とか、神の息子と誹謗するだろう。

この教えから、嘘がばら蒔かれるからである。
その教えによって、この世には辛苦と不幸が満ちるだろう。

霊と創造主と私を、一つのものとして一体化させる、
将来の
誤った教義三位一体の教えを信じてはならない

未来の間違った、偽造された教えに用心しなさい。
というのは、
三位一体とは、創造の論理的な掟にあって、
不可能なものだからである。

よく言っておく。
王侯は自分の民を支配し、力ある者は、
権力を行使し、私の教えを偽造し、更に広げて、
新しい礼拝が、権力的に行使されるだろう。

しかしながら、彼の前では用心し、権力の強制によって、

間違った教えのくびきを、負ってはいけない。

その様なことは、貴方がたの間にあってはならない事である。
あなた方は偉大な者になり、知恵を教えなさい。

私が知恵と知識を教える為に、人々の中にやって来た様に、
あなた方も、更にこの教えを広めなさい。
そうすれば真理は貫徹される。』