『星の階梯 II』を上梓したばかりですが、次はホラリー占星術の全般に渡って書こうと考えています。既に発刊されている数々のホラリー占星術の内容にも気を配りながら、古典的なものを残していきたいものです。

 質問者の心構えを求めるのは、少し乱暴なことかもしれません。それは、質問者が心からの問題を解決したいと思っていなかったり、中には、占い師を試そうと考えて質問に来る人もいるかもしれませんし、問題が複雑で、どのように質問をすればいいのか分からずに、とりあえず質問をしているのかもしれません。更に、質問したい内容とは裏腹に、本当に尋ねたい事柄が世間体をはばかることから、質問者がストレートに経緯を伝えていないこともあります。


 これまでに伝えられてきた、「質問内容が正確かどうか」を調べる手順に、判断の前の考察として、時間の整合性を観察するというものがありました。これは、グイード・ボナタス等の占星術家によって伝えられた、簡略化された方法です。これも大事です。


 それより古代には、2.5度ずつ[全体で144]に分けたアセンダントの意味を把握する方法(なんだかサビアン占星術に似ています)や、様々なアルムーテンン(勝利者)を頼って判断する方法や、ホロスコープの中のセクトを得ている惑星等、最も目立つ星を使う方法などが研究されていました。この辺りの古代の占星術師の研究が、ホラリー占星術とネイタル占星術が見境なく混ざり合ってしまった原因にもなっています。

 純粋にホラリー占星術らしい方法を探ると、結論が見えてきました。

 それらの各種の方法を試してみて、この方法が最も適切であろうという結論を得たので、それも書きたいなと考えています。これは、大勢の生徒さんたちが多くの質問を受け付け判断し、支えてくれたからこそ考察できた内容です。この方法では、質問者の口から出た質問と、心の中に抱いている意図が違っていても判断ができます。更に、コンサルティング・チャートと呼ばれるものにも使えます。12世紀以前は、この方法があってこその「判断の前の考察」でした。

 そこからようやく、具体的な質問への入り口になります。

 これらは、アンソニー・ルイス氏の本『ホラリー占星術』にはありませんし、日本語の本にはありません。外国語の本にはありますが、多くの例題に当たって試してみて、一応の結論に達したうえで書かれた書籍は、あるのかもしれませんが、私は見ていません。