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コラム vol.4
~バスケの楽しさを教えてくれる
「ファーストコーチ」を目指そう~
アメリカでは、
活躍しているスポーツ選手のインタビューで、
「あなたのファーストコーチは誰ですか」
という質問がよくある。
この意味は、あなたにそのスポーツの楽しさを、
最初に教えてくれたコーチは誰ですか?
ということである。
日本とは違い、スポーツのシーズン制があるアメリカでは、
誰もがたくさんのスポーツを経験する機会がある。
その中で、一つのスポーツに魅力を感じ、
素晴らしいパフォーマンスができるようになるまで
情熱を持って熱心に取り組めたのはなぜか。
夢をつかんだ選手のファーストコーチとの出会いを
知りたい人たちのためにインタビューされるのだろう。
選手の答えは、小学校のコーチであったり、自分のお父さんだったりする。
例えば、お父さんと公園のバスケコートで、シュートを打ったり、1on1を楽しんだことが、自分のバスケを楽しむ原点だと答える。
「あの時は、父さんのかっこいいレイアップシュートを真似したくて必死に練習した」
「父さんに1on1が勝ちたくて、何度もシュートやフェイントの練習をした」というものである。
あのマイケルジョーダンも4人兄弟の3男だった。
「兄貴よりうまくなりたい、かっこよくなりたい」
と思ってバスケにのめり込んだというから、
兄貴たちがジョーダンのファーストコーチだったのかもしれない。
子どもたちは、楽しさを感じると、どんどん前向きに取り組むものである。
(これは脳の仕組みから言っても正しい。期待感を持つとチロトロピンという満足ホルモンが分泌されて全身の細胞が活性化されて感覚が鋭くなるのである。興味や好奇心を抱くことも集中力を向上させるホルモンが分泌されるので、ますます楽しめるようになるのである。さらに「うまくいった」「シュートが入った」などの満足感が得られると、ドーパミンという満足ホルモンが分泌されて、免疫力が向上し、細胞がますます元気になるというサイクルである)
私自身も、現在ミニバスや中学生の育成年代の子どもたちに、バスケの楽しさを教えることができるファーストコーチを目指している。
私がバスケの楽しさを伝えるために普段から行っているコツや考え方を書いてみよう。
コーチが、精神的に健康で元気があれば、子どもたちもきっとつられて、元気ややる気が出てくると信じて行動することが大切である。
子どもたちに接するときは、テンションあげあげで! 笑顔とユーモアは、必須アイテム。
コーチも子どもたちも、
意識が変われば、行動が変わり、
行動が変われば、習慣が変わる。
楽しいという意識が芽生えれば、行動が今までより元気になり、活発に行動するようになる。
そうすれば、プレーにも思い切りの良さが出てくる。
楽しければ、繰り返し練習するようになり、うまくなるための努力を惜しまなくなるものである。
その「努力する姿勢」が習慣化されれば、自然に伸びていくシステムを身につけたことになる。
あとは、小さな成功体験を積み重ねることができれば、満足感が生まれ「もっとレベルの高いプレーを身につけよう」という意識が生まれるである。
そこに、コーチが「本心からほめる」というエッセンスをかけてあげれば、もっと効果があがるはずである。
もし、今まで素晴らしいコーチや家庭環境に恵まれなかった子どもがいたとしたら、その子はコーチに対して反発的な態度で接してくるかもしれない。しかし、その子の人生の中で、素晴らしいコーチに出会うことができれば、変わるチャンスは絶対にあると信じて、子どもと接することが大切である。
そんなコーチの一人になってあげればと思って、ミニバスなどで実践を続けることが私の信条である。
遅刻してきた子どもやチャレンジしない子どもに、いきなり叱りつけてしませんか?
傷口に塩を塗るのと同じですよ! 決して解決はしません。
笑顔で理由を聞いてあげるだけで、子どもは自分で変わるチャンスを持っているのに!
コーチや選手の皆さん、明日から、まずは意識を変えてみませんか。