ますます高まる通訳の需要:コロナ禍後は英語以外の通訳にとってもチャンスが拡大します | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

ますます高まる通訳の需要:コロナ禍後は英語以外の通訳にとってもチャンスが拡大します

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昨日、2024年に翻訳の仕事が増える2つの分野(翻訳を始めるならお薦めの分野:なぜ今年増えるのか?) というお話をしました。

 

翻訳の仕事は増加傾向にあり、今後はますます増えていくと思います。

 

それは、昨日話したように、今年大きな変化があるからというだけではありません。

 

これは、世界の傾向(トレンド)のようなもので、国境を越えたコミュニケーションや交流の回復も追い風としてありますが、そもそもインターネットの発達により、コミュニケーションや交流を国内だけでやる理由がまったくなくなってきているのです。

 

最新の情報を取りたければ、国内のメディアを見ていては遅れをとったり、正しい情報が取れなかったりするので、海外のメディアを参照したり、あるいは現地からの直接的な発信を見たりする方がはやく、正しい情報を取ることができる場合もあります。

 

(発信された情報を正しく受け止められるかどうかは、また別の問題ですが)

 

そのとき、国境を越えて情報を取得する場合、言語の壁があるわけで、そこに「翻訳」とう需要が生まれます。

 

「情報を取る人自身が英語ができるようになれば翻訳は要らなくなるのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、情報は双方向。

 

日本人の視点から見ればもちろんそうなのですが(英語ができるようになれば、翻訳を介さなくても理解できるようになる)、逆の視点も忘れてはいけません。

 

海外の人も、日本語の情報を取りたいというケースが出てきます。

 

一般的には、日本人が英語を勉強するよりも、英語を母国語とする人が日本語を勉強する方がハードルが高く、また日本語の情報を直接理解するには、かなりのレベルの日本語力が必要となります。

 

そうういう観点からも、翻訳の需要はますます高まります。

 

また、翻訳の需要は「英語・日本語」の組み合わせだけではありません。

 

世界にはさまざまな言語があり、基本的に、情報を取ろうとする側があらゆる言語を理解できるようになるのには無理があります。

 

やはり、現実的なのは「翻訳」なのです。

 

ハチハチハチ

 

これは、「通訳」の需要についても言うことができます。

 

通訳の需要は、翻訳の場合と同じ理由で、需要がますます高まります。

 

ITやAIが発達したら自動化されるのでは?という懸念もあるのかもしれませんが、その点、翻訳・通訳の「仕事」という観点からは、私がこのブログや講演会などでもお話しているように、人間の翻訳者・通訳者には機械にはできない役割があるので、仕事としては人間の役割が存続していきます。

 

また、忘れてはいけないのは、機械やAIの翻訳・通訳のベースになっているのは、すべて人間の翻訳・通訳なのです(実は)。

 

だから、仕事の現場で必要となる人員の総数としては、機械化、自動化、AI化で減ることは予想されますが、それでも、機械に翻訳を供給し続けるためには、膨大な人数の質の高い翻訳者が必要になります。

 

通訳の仕事も、Zoomなどのリモート会議の普及により、コロナ前と比べて仕事の現場が増えています。

 

対面イベントの規制解除により、対面の通訳の現場が戻りつつありますが、それに伴い、リモートの現場が減るのか?と言うと、実はそうではなくて、むしろ増えています。

 

そう主張する根拠があります。

 

それは、最近の企業の動向です。

 

最近の企業は、「出張」をできるだけ減らし、「対面」と「リモート」の選択が可能であれば、「リモート」を推奨するところが増えています。

 

私は、翻訳の仕事で、さまざまな海外企業の社内規程の翻訳も担当することが多いのですが、「出張ポリシー」を更新(改訂)する企業が結構あり、対面かリモートの選択の条項を入れるというケースがかなり目立ちます。

 

もちろん、対面の方が良いとうい場面はあると思いますので、完全に対面がなくなるということはないと思います。

 

しかし、「選択できるならば、リモートにしましょう」という企業が増えているということは、リモートでの会議やイベント、打ち合わせなどが増えるということを意味しています(減りはしない)。

 

通訳の現場にも、この考え方は通じます。

 

そして、リモートでの会議は手軽ですし、移動時間もないですし、実際に対面の出張のケースよりも増えると思われます。

 

それだけ手軽・気軽に開催されるということでもあります。

 

通訳を介するようなイベントも、やはり増えていくでしょう。

 

通訳を現場に呼ぶ必要もないですし、現場に呼ぶ場合よりも回数が増えるのではないかと思います。

 

さらに付け加えると、リモートで接続が可能であれば、通訳自身がどこにいるかということも関係なくなるため、たとえば、今まではフランスと日本との会議で「英語」の通訳を現場に呼んでいたけれども(人材確保の問題で)、これからは、フランス在住の日本人の方に通訳として入ってもらうことも簡単にできるようになるわけです。

 

さらに、会議を行う本人たちが現場で対面式で会っていながら、通訳はリモートで呼ぶ、なんてことも可能です。

 

そういう意味で、今まで以上に通訳の仕事の現場は増えると思われます。

 

実際に、私の場合も、通訳の仕事が増えています。

 

コロナ禍明けで物理的に増えているというだけでなく、リモートでの通訳の仕事がかなり入ってきています。

 

まあ、私の場合、山形に在住しているので、通訳派遣会社としても現場に呼びづらいことでしょう。

 

今までは、それで仕事のお声はかからなくなったと思われますが、今は「ではリモートの会議の仕事があればお願いします」といことになるわけで、実際にそのような要請がかなり多いです。

 

 

UnsplashResume Geniusが撮影した写真

 

 

昨年も、リモートの通訳のお仕事も、現場に出張する通訳のお仕事も両方経験させていただきました。

 

市内での仕事もありましたが、電車やバスなどで他の都市(仙台など)に移動しての現場もありました。

 

また、宿泊をして通訳をする仕事もありました。

 

対面とリモートの仕事の両方を経験し、感じたことがありました。

 

それは、リモートの仕事だと、かなり仕事効率が良い!ということです。

 

たとえば、昨年秋の仙台での仕事は、前泊をして月曜日当日1日の仕事でした。

 

移動は、バスで片道3時間。

 

バスの中でWi-Fiがあったので仕事をしようと思えばできましたが、やはり旅行好きの私としてはどうしても窓の外を見てしまいます。

 

前泊では、せっかく仙台に来たのだからと、散策したり、食事をしたり・・・

 

出張をしなければ味わえない楽しさや経験があるのは確かですが、一方で、1日の仕事をするのに、1日半がかりなわけです。

 

これがリモートだと、朝起きて、パソコンを立ち上げて、すぐに現場につながるわけです。

 

そして、仕事が終わったら、もう自宅です(っていうか、自宅から出ていませんから)。

 

何なら、会議と会議の間に、翻訳の仕事をしたり、メールのチェックをしたり、請求書を書いたり、帳簿を付けたり・・・

 

いろいろできるわけです。

 

その「効率の良さ」を味わってしまうと、(私個人の感想ですが)やはりリモートの仕事の方が割りが良いなぁと思ってしまうわけです。

 

もちろん、それに応じてギャランティの額が変わってきますので、一概には言えませんが。

 

個人的にはリモートの方が良いという感想はさておき、通訳の仕事はすでにかなり増えており、今年はさらに増えることが予想されます。

 

そういう観点からも、通訳の仕事をやってみたいという方は、今年は大きなチャンスの年なのではないかと思いますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

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