Innocence | 湧flow

Innocence

迷いのない線、さぁっとひいた色の
ほぉっと、力が抜けて、気持ちが軽くなる気がしました。

山種美術館で川合玉堂展を観てきました。
水を張った田んぼや波打ち際の白く光っている感じが、とてもシンプルに美しく表されていました。
私が「できたらいいなぁ」と憧れている
  描かずに表現する
ってことが実現されている絵でした。
一番表現したいところにはあえて筆を入れず、周りを描くことで表す。
筆を入れずに完成された部分は、なによりも深く多くのことを語るような気がします。
肩に力が入っているとできない技です。

私が観てまわった少し後から、お年を召した小柄なご夫婦が、
作品の前で、一つ一つの作品解説を声を出して読み、
「あぁ、虎の感じがよく出てるねぇ」
などと大きな声で話しながら、しっかりと手を繋いでまわっていました。
普通は、展覧会で大きな声で話しながら観る人は、マナーが悪いとされますが、
このお二人に関しては、
微笑まずにはいられないような…
幼い子を見ているような…
邪気がないってこういうことかなぁ…。

玉堂の作品と、可愛いいご夫婦の姿を見た後、
何ヶ月もこてこていじりまわし、煮詰まっていた絵を中断して、
描き直してみようかな…と思いましたブーケ2