場所はあるのに止められない、走れない(1) | サクサクいこうよ!

場所はあるのに止められない、走れない(1)

みなさんこんばんは。
鉄道ネタが続きましたので、ひさびさに自転車ネタを取りあげます。

数ある自治体の中でもとりわけ徹底した自転車排除政策(注1)を強行し続ける某自治体は今月、市中心部の再開発地区ほぼ全域を自転車放置禁止区域に指定しやがりました。いくら今年、国際会議のホスティングを控えているからとはいえ、これだけ人通りが少なく、無駄に歩道が広いのに、
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過剰設備の歩道だけでなく公開空地や未使用の更地だっていっぱいあるのに、今回の放置禁止区域の指定に伴って整備された駐輪場は地区内の2駅周辺のたった3箇所(注3)! これではあのイベント会場にもこのショッピングモールにも自転車で行けません。一方、自動車の駐車場はというと、民営のも含めてこれだけあります。市当局がマイカーでの来訪を控えるよう呼びかけているというのに、おかしい話ですよね。

で、その新設された駐輪場のひとつを見に行きました(注4)。入口はというと、
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例によって、歩行者と自転車との動線が分離されておらず、下車しての入出庫を強いられます。

中に入っても、
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決して広いとは言えず、路線バスのネットワークすら粗い当地区に来たひには、何百メートルもの距離を歩かされることを強いられます。ただ、繰り返し申し上げるように、歩道の幅だけはばかげているほど広いですが。

このような政策の帰結として当然のことですが、この街の至る所に放置自転車が止められています。いや、そうすることを強いられています。
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これは別の駅の周辺の歩道に設けられた民営駐輪場です。この街よりも明らかに土地に余裕がないのに、旺盛な駐輪需要に応えて設置を認めているのですから、行政の意志ひとつでこの施策を撤回させ、「歩行者の安全と、街の景観(注5)」ばかりにとらわれることのない交通政策を実施させることは決して不可能ではないはずです。

本稿の最後に、この写真をご覧ください。
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こんなスローガンを掲げてますが、以上に述べたとおり、ほかならぬ行政自身の怠慢が放置自転車を産み出しているのです。土地は十分にあるのですから、そのうちの一部を自転車にシェアしたところで、歩行者の安全や通行を妨げることはないはずです。当局におかれましては、ぜひともご一考願います。


(注1) たとえば、この記事とか、この記事とか
(注2) 建築基準法第五十九条の二など
(注3) 新高島駅の駐輪場は既設
(注4) 残りは単なるアスファルト舗装の吹きっさらしなので論外
(注5) 冒頭のリンク参照。前者は過剰に優遇されてますし、後者は侵害されているとは思えず、いずれにしても自転車利用者の利益を完全に踏みにじった言いぐさですよね。