お好み焼き専門店‐千房‐ 中井貫二社長様 短歌エッセイ | 高田ほのか 短歌
新型コロナウイルスに関する情報について

お好み焼き専門店‐千房‐ 中井貫二社長様 短歌エッセイ

千房 中井貫二社長様  短歌エッセイ

 

お好み焼だけでなく、

お客様全体、スタッフ、その全てが「千房」。

 

電話で1, 5, とプッシュする。

どきどきどきど…すぐに社長秘書さんが出迎えにきてくれた。

秘書さんの後に続いて見通しのいいオフィスを横切ると、事務作業をしていた社員さんたちが次々立ち上がり、「いらっしゃいませ」「ようこそお越しくださいました」とお辞儀してくれる。

その光景に少し圧倒されながらお辞儀を返す。社長室に入ると、「よくお越しくださいました」と優しい笑顔が迎えてくれた。この人が千房の中井貫二社長…事前に資料などでお顔は拝見していたけれど、なんてお優しそうな…つられて笑顔になると、秘書さんが出してくれたお茶を進めてくれた。

美味しい…!

聞くと、一杯一杯急須で入れているという。

こういう小さなところから、人を大切にしている会社なのだ。

 

昭和48年12月に創業した千房は今年 45周年。現在、千房グループ全体で76店を持つ。

貫二社長は慶応大学卒業後、野村證券に入社し顧客の資産運用を手掛けてきた。

お兄さんの体調悪化を受け、突然、父の政嗣会長から千房に入ってほしいと言われたそう。

幼稚園の頃から政嗣氏に、「誰のおかげで飯が食えてる思うとる? 俺じゃないで。従業員のおかげや。うちの従業員が汗水垂らして頑張ってくれてるからやで」と言われ続けてきた。

自分が今日あるのは千房のおかげ。従業員に恩返しがしたい!と、入社を即決した。

 

人手不足だった創業当初、非行少年や元受刑者も雇い入れ、2013年には受刑者の雇用促進を図る「職親プロジェクト」を立ち上げた。

「他人と過去は変えられないけれど自分と未来は変えることができる。自分の未来を取り戻そうという意欲のある方に手を差し伸べたい。働く中で彼らの表情がどんどん変わっていく。それが何より嬉しい」眼鏡の奥で優しい目が微笑んだ。

一番お薦めの商品は? と尋ねると、「以前あったほわほわ焼きが好きでねぇ」。 私が、ではまた商品化したらいいのでは? 何も考えずに問うと、「お客様に直接接するのは社長や本社幹部ではなく、社員やアルバイトの皆さん。その方々から提案があるものをつくっていくのが筋なので」と返ってきた。

インタビューの中で幾度となく繰り返される、“従業員のモチベーションが上がるような展開にしていきたい”“千房は従業員が最高。従業員を褒めていただくのが一番嬉しい” という言葉。

「従業員が世界一幸せな会社を目指す」それは同時に、「お客様が世界一満足する店」となる。優しく語る社長の後ろで、亡くなったお兄さんの写真が微笑んでいた。

 

スタッフを語る瞳で気がつきぬお好み焼きの湯気とはやさしさ