こんにちは、岩見沢市の本間歯科医院です。「歯が痛い」という症状が出た場合に歯科医院に行く人が多いと思いますが、歯科医院で診てもらっても「虫歯はない」と判断されることもあります。この記事では、虫歯や歯周病以外で歯が痛む原因を解説します。

 

■歯が痛む原因は虫歯だけじゃない!「歯原性歯痛」と「非歯原性歯痛」

 

歯が痛む原因は主に「歯原性歯痛」と「非歯原性歯痛」の2つにわけられます。特に治療が必要なく、歯が痛んでいるケースを「非歯原性歯痛」と呼び、一方で歯科医院で歯科治療をうけることで治る痛みを「歯原性歯痛」といいます。「歯原性歯痛」は別名「侵害受容性疼痛」と呼ばれています。虫歯や歯周病は「歯原性歯痛」に含まれます。

 

■「非歯原性歯痛」の分類

 

非歯原性歯痛は、歯科医院に行っても痛みが軽減されません。原因によって主に「筋・筋膜性歯痛」「神経障害性歯痛」「神経血管性歯痛」「上顎洞性歯痛」「心臓性歯痛」「精神疾患または心理社会的要因による歯痛」「特発性歯痛」「その他(疾患により生じる歯痛)」にわけられます。

 

痛む位置は一定の場所に留まらず、歯がない歯茎や顎、顔面にまで拡大するケースもあります。睡眠が障害されるほどの痛みにはなりませんが、朝になって目が覚めると痛みを感じるという人も少なくありません。人によっては咀嚼時に痛みが悪化する方もいます。「非歯原性歯痛」は「心因性」が関係していることも少なくありませんが、歯科医師が安易に「心理的なものからくる痛み」というような対応をしてしまうと逆に患者様は不信感や不満を抱いてしまうこともあるため、トラブルに発展しないよう慎重に判断していく必要があります。

 

■歯原性歯痛として治療するのは危険

 

非歯原性歯痛は歯科治療を受けても改善されませんが、「歯原性歯痛」として歯科治療をしてしまうケースもなくはありません。非歯原性歯痛の分類のなかには、痛くない期間が周期的にくる場合もあり、偶然痛くない周期に歯科治療を行った場合、歯科治療で痛みが軽減されたように感じてしまいます。しかし、根本的改善にはなっていないので痛みがない周期を抜ければ再度痛みが生じます。「歯原性歯痛」ではないのに根管治療で神経を抜いたり、抜歯をしてしまうなどの歯科治療をしてしまうと、元には戻せなくなります。歯の痛みの原因が何であるかは、慎重に見極めていく必要があります。

 

■まとめ

 

歯の痛みを感じたら、まずは歯科医院で診てもらい、歯科治療で改善できる痛みかどうかを診てもらうことが必要です。次の記事では、非歯原性歯痛の分類やそれぞれの特徴を解説していきます。ぜひ次の記事も参考にしてみてくださいね。

 

※出典:「口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック」(口腔顔面痛学会編)