20年前の今日の写真が出てきた。

このクルーザーを買って間もないころ、勇んで第一海堡と言う場所まで来たのだ。

東京湾の富津岬の先にある、人工無人島だ。

明治14年に着工し、明治23年に完成したのだ。

砲台など設置され、首都防衛のために作られた島なのだ。

なんとも探検心を刺激され、わーいわーいと友人とはしゃぎながらやってきた。

探検とはならずに、呑気にアオヤギを採りまくっていたのだ。

うめー!マジで採れたてうめー!

そしてこの場所には船で来ることしか出来ず、その特別感に浸っていたのだ。

 

そして悲劇が訪れた。

後ろにかけたアンカーが流されてしまい、プロペラの部分などが岩にガンガン当たりそうになっていたのだ。

自然の波は強すぎて、手で引っ張ってもどうにもならず、半ベソになりながら「あー船買ったのに数週間で終わるのかー」と絶望していたら、他の船のおじさんが「大丈夫か?ひっぱるよ!」と言ってくれて、ロープを投げて船にひっかけ、難を逃れたのだ。

もう涙がちょちょぎれてねー!

わーい!助かった!マジでおじさん神様だわー!と感謝しまくった。

 

この船、23フィートの小型艇なんだけど、船室はこんな感じである。

船としては小型艇になるけど、全長7メートル。マイクロバスと同じくらいの長さだ。

こんな感じでキッチンや冷蔵庫・トイレ・シャワー・ソファー。そしてこのテーブルを下げるとベッドになる。

8人乗れてキャンピングカーみたいな感じなのさ。

 

当時28歳の俺としてはもう、これぞ男の隠れ部屋!と言う感じで、超惚れ込んでね。

その惚れ込んだ船を失わないで気が済んだー!と思いながら、嬉々として帰路に向けて航行してると、巨大な船が併走してくる。

はて?なんだろう?と思いながら、エンジン音の向こうでサイレンのような音がする。

この船、5700ccのV8エンジン・キャブ仕様が轟いてて煩いのだ。

(リッター400メートルくらいしか走らないw)

 

巨大な船に目をやると

「止まりなさい!」

と言われている。

 

え?え?え?何何何???

と再びパニクってると、中ノ瀬航路を逆走していることが判明。

 

当時は操船したてで、中ノ瀬航路がどこか勘違いしていて。

海上保安庁の人たちが、こちらの船に飛び乗るので横付けせよと言われる。

ウヒー、マジかよー。

罰金とかすげー高いのかな。裁判とかになるのかな。と頭が真っ白になってると、海上保安庁の職員の人が飛び乗る時に、靴を海に落としてしまったのだ。

とっさに船で靴を網で取り手渡した。

 

それが功を成したのか知らないけど、警告で済んだのだ。

2回もテンパリ、2回も安心し、強烈な洗礼を受けたのだけど、まぁ事故にならず良い勉強になったのかもなと気を取り直して帰路についたのだ。

 

うわー。

もう20年前なのか。

俺48歳か。

 

あの頃若かったなー。

 

この船は14年くらい乗り回した。
思い出いっぱいだなー
そんなこんな20年経った今でも、こうして船が大好きで、今も楽しく乗ってて。

ちょうど日曜日に、第一海堡の横を走って、中ノ瀬航路も注意しながら走ったのだ。

 

まぁこうして大好きなことを続けられてるのは、本当にありがたいよね。

今でも自転車や車や船や旅が大好きでさ。

20代の頃に聞いた音楽も良く聞くしさ。

 

結局若い頃の趣味を続けてるのが幸せなんだろうなと。

20代の人は、いっぱい趣味を楽しもう。

おじさんは、20代の頃の趣味をもう一度楽しもう。

 

そんなことを、この写真見て思った次第なのさ。