お久しぶりです…。すいません。放置状態で。
さて、そしていつものごとく、観劇日記です。
2008年1月20日13時の回観劇。
Data:
2008年1月16日(水)~20日(日)
RISU PRODUCE vol.7 連続二作品上演企画
於。下北沢小劇場楽園
『ギャグの穴~2008~』
作・演出 松本匠
出演
岡安泰樹・重松隆志・今谷フトシ・田村敦史・幹てつや・松本勝・松本匠(敬称略)
先日、RISU PRODUCEのお芝居を観に、下北沢の小劇場楽園へ。
RISU PRODUCEそのもののお芝居は、今回が2回目。
作・演出が松本匠さんのG-upプロデュースでの上演作品、『ゼロ番区』で興味をもち、RISU PRODUCE『しがらみの向こうに~振り込め詐欺集団の男たち~』を観に行ったのが去年のこと。
松本さんの作る作品の何に惹かれたかというと、一言で言って「空気」ですね。
舞台の上にある空気が、温かい印象を受けるんです。
笑いのシーンでは時々、どこからが演技で、どこからがそうではないのか。境界線がわからなくなる。
観ている側が、自然と、そこにいる役者さん。登場人物を好きになれる。
いや、好きにというよりも、「親しみ」と呼ぶべきか。
この笑いがあって、初めて登場人物を「人間」として感じるのではないかな。芝居の中のエンターテイメント性、というだけではなく、笑いそのものが、舞台上にリアリティを与えている気がします。
以下、ネタばれ感想。
主人公の画家志望の青年、川口浩幸が、事件に巻き込まれ、拘留された東京拘置所の雑居房。
そこで出会った未決囚たちのそれぞれの人生が、笑いの中に織り込まれていました。
毎日、みんなつまらないことでふざけて、笑って。
でも、その裏には、たくさんのものを抱えている。
長い間共に苦労した女性と、泣く泣く別れることになった者もいる。
「あの地震」に人生を狂わされ、今も、夢にうなされる人もその中にはいる。
その雑居房の一番の古株である大熊登が、川口に向かってさり気なく口にする、一言。
「やりたい事があるんやったら、とことんやらんとあかんぞ。後で後悔してもホンマ遅いからな。」
これが、物語の最後にズシリとくる。
なぜ、
大熊が、川口に「自分たちの絵を描いてくれ」と頼むのか。
観ながら、多分あれは…と、予測はつくんです。
わかるんです。
でも、最後まで大熊のつく嘘を信じたい、と思ってしまう。
登場するのは犯罪を犯した人々。でも、みんな温かく。触れ合ってみれば、同じ人間で。
むしろ、都心の街を行き交う、罪のない、名前すら知らない他人よりもずっと、温かく…。
だから、
信じたいと。
いつか、時間はかかっても、また再び会えるのだと。信じたい。
そう思うからこそ、
誰も彼の嘘には気づかないのだろうなぁと…。
人間は、信じたいものを信じてしまうんだろうなぁ…と。
悲しみより、そこにある優しさに、
涙が出ました。
新年最初の観劇が、このお芝居で良かったです(*^_^*)
連続二作品上演企画の名のとおり、明日、23日からは、もう一本のお芝居、
『しがらみの向こうに』が、同じ劇場で上演されます。
興味のある方は、ぜひぜひ♪