キスもした事が無かった
手は繋いだ事は有る
有る、とは言っても文化祭や体育祭で女子と繋ぐような形になっただけ



アニメや漫画のなかで見るキスは何だか幸せそうだったり、とても気持ち良さそうだった
AVもたまに見ていて…
けれども、正直現実の女性の身体を見ても興奮しなかった
アニメのなかの女の子の方が可愛いし綺麗だから

現実の女性も、女性の身体も…
そして、絡み合う男女の姿も僕には気持ちが悪くて、だからなかなか風俗にすら踏み出そうと思えなかったんだ



勿論、男となんて考えた事すら無かった
それなのに…



「ユノ…」

「何?チャンミン」



眠っている間にTシャツ一枚になっていた僕
お尻に、あろう事か指を挿入されて…
有り得ない事なのに気持ち良かった



「僕だけ脱ぐなんて嫌だ
ユノも脱いで、お願い」



ベッドの上、仰向けの僕を見下ろすユノ
スーツ姿も綺麗だったけど、Tシャツとスウェットパンツだと今度は親しみが持てて…
それなのにやっぱり綺麗なのは変わらない
そして、何だかとても男らしく見える



「俺の裸が見たいの?」

「だって、僕だけ見られるなんて狡いだろ」



そう言うと、ユノはくすりと笑って僕の腰を跨ぐように膝立ちになった



「脱ぐところもちゃんと見ていて」

「…っ…」



僕を見下ろしてにやりと微笑む
赤い舌がちろりと覗いて厚みのある唇を舐めたらもう視線は逸らせない
Tシャツを一気に脱ぎ去ったユノは腹筋が綺麗についていて、そして…



「下も?」

「…だって、僕は脱がされたのに…」



言いながら、前を隠している薄い掛布団をぎゅっと握り締めた



「記憶が無いだけだろ?
チャンミンが自分で脱いで、俺に『抱いて』って言ったかもなのに…」

「…嘘、だって僕、誰かに抱かれたいなんて思って無かったのに」



頬を膨らませて言ったら
「じゃあ今は?」
なんて綺麗な顔で微笑む
夜の街で見ていたら中性的な顔に見えた
だけど、部屋のなか、蛍光灯の下で見たら…
裸の鍛えられた胸を見ている所為も有るのだろうけど、とても男らしく見える

年下だなんて思えないくらい、その顔は自信に満ちていて…
男として敵わないって思うのに嫌じゃ無いのはユノに惚れてしまったからだと思う



「…ユノがお尻とか…変な触り方をするから悪い
責任取れよ、もう…」



僕がユノを抱いて童貞を捨てるつもりだった
だって、ユノはまるで理想そのもののように綺麗で凛としているから

だけど、僕に覆い被さるユノの色気が物凄くて、ユノに『抱きたい』なんて甘く囁かれて、こんなに理想のひとに求めてもらえるのならそれでも良いって思った

あとは、これは恥ずかしくて言えないけれど、ユノに色々なところを触れられると気持ちが良過ぎたんだ
つまり、もっと気持ち良い事を知りたくなったし、ユノならそれを僕に教えてくれる気がしたから



ユノの上半身はまるで陶器のように綺麗で、それなのに筋肉がしっかり付いている
綺麗なのに男らしくて、そのアンバランスさに思わずごくりと喉が鳴ってしまった



「責任って?」



歳下の綺麗で優しい恋人が出来たと思った
だけど、歳下の恋人はまるで羊の皮を被った狼だった
男として悔しい
でも、余裕を感じさせる顔で僕を見下ろしているけれど、スウェットパンツでまだ隠れたままの中心が膨らんでいるのが分かったから…



「僕も、その…ユノの『責任』を取るから、だからユノも僕をこんな風にした責任を取ってよ」



言いながら、手を伸ばしてスウェットパンツの中心にそうっと触れた



「…っ…チャンミン、本当に童貞で処女?」

「…そう見えないなら、僕って素質が有るのかな」



ユノの色気があまりにも凄くて、それに当てられたのかもしれない
そして、歳上だし本当はユノをリードして抱きたかったから少しでも負けたく無くて…
後は、まだ残っているアルコールの力

触れたユノの中心は硬くて熱くて…
指先で触れるだけでユノの綺麗な眉が寄せられて薄く唇が開いた



「男になんて触れたくも無かったのに…どきどきするし、それにユノがこんな風になっていて嬉しい」



そっと、根元から上に指先でなぞってからその手を裸の腰に、胸に、そして首から顎にまでゆっくりとなぞりなから持ち上げた


 
「チャンミン…」

「…黙って」



頬を両手で包んで引き寄せて僕からキスをした



「…ん…」


 
舌の入れ方はまだ分からないから、触れるだけでゆっくり唇を離した
AV、はリアル過ぎて僕には少し気持ち悪くて参考にしようとは思えなかったけれど、アニメでは沢山恋愛の予習はして来た



我ながら上手くキスをリード出来たと思うし、ユノを驚かす事も出来たかもしれない
僕に触れて、僕を見てユノも興奮してくれているし…
なんて、少し余裕を取り戻して来た
だけど、唇を離したらユノはにやりと微笑んで口を開いた



「俺を煽ってるの?
ああ、それとももしかして、効いて来たかな」

「え…何が…」


 
何かに気付いたようにユノが含みを持たせた言い方をするから、ユノの腕にそっと触れたまま見上げた
ゆっくりとユノが覆い被さって来て、そして…



「…あんっ…」

「ほら、やっぱり効いて来てる」

「何…やっ、んっ…」



膨らみなんて無い僕の胸にユノが吸い付いて…
女の子じゃ無いのに、まるでAVでちらりと見た女優のようにおかしな声が出た



「媚薬、酒に少しだけ入れたんだ
ああ、中毒性は無いし弱いものだから心配しないで
普通よりも敏感になるだけだから…」

「え…あっあ…っ…」


 
左の胸の先を吸われて甘噛みされたら腰が重くなって前が苦しくなる 
感じた事の無い、弱い電流が走るような感覚
もしかしたら、これも、それにお尻の穴に指を入れられて気持ち良かったのも、全部全部媚薬の所為なのだろうか

それなら、薬の所為にしてこのまま全て委ねたって良いのかもしれない



「…全部脱いで欲しい?全部欲しい?」

「ん…、ユノの全部が欲しい…」



スウェットパンツを脱いでくれないユノ
好きになったから全部見たい
恥ずかしくて自分からはなかなか動けなかった
けれども、媚薬が効いていると思ったら何だかどんどんエッチな気分になって来て、自らユノのウエストに手を掛けた



「あはは、それじゃあ早く欲しいって言ってるみたいだけど?」

「…っ、だって、ユノが僕を抱くんだろ?
でも、媚薬の所為だから今だけ
次は僕がユノを抱くんだから…」



そう、きっとお尻が疼くのも胸に触れられたらまるで女の子になったような気分になるのも全部全部、媚薬と、それから…
ユノがあまりにも綺麗で格好良いから

腕を伸ばしてスウェットパンツを下着ごと下ろしたら…



「…え…嘘…」



勢い良く飛び出して来たユノのモノは、信じられないくらい立派で…
男として恥ずかしくなるくらい



「嘘って?チャンミンの所為でこんなになったんだから…チャンミンの身体で責任、取ってくれるんだろ?」

「あ…」



正直怖かった
だって、お尻にあんなに大きいモノなんて…
だけど、僕が中途半端に下ろしたスウェットパンツとボクサーパンツを一気に脱ぎ去って笑うユノはやっぱりどこまでも綺麗で絵になるから見蕩れてしまう


 
「チャンミンも隠さないでちゃんと見せて」

「あっ、駄目っ…」

 

 掛けていた布団はあっという間に捲られて、ユノの身体が覆い被さる

僕のモノももうとっくに反応していて、それとユノのモノが合わさって先走りでぬるぬると滑る
Tシャツを首元まで捲り上げられて胸と胸を合わせて、今度はユノからキスをして来た



「…っふ……んっ、…あ…」

「気持ち良さそう、チャンミン」

「…っだって…」



こんな風に押し倒されてリードされて気持ち良いのは全部全部媚薬の所為
そうじゃ無かったら僕がリードする筈だったのだから

でも、媚薬が悪いから僕は悪くない
感じてしまったって、女の子のような声が出てしまったって僕の所為じゃあ無いから…



「好き、だからもっと…」



ユノの腰に脚を絡ませるようにして腰を揺らめかせたら、ユノの息も僕と同じくらいに荒くなって、お尻に熱いモノがぴとりと当てられた

腰を力強く掴まれて…



「好き、ユノは…?」

「好きだよ、だから全部俺にちょうだい」



媚薬が効いていたって初めてはやっぱり怖い
でも、ユノの額にぷつりと浮かんだ汗や、綺麗な声が何だか余裕無く聞こえる事、それに…
お尻に触れているユノのモノがとても熱くて、そして硬いから、ユノをこうしているのは僕なんだって思えて嬉しかった



「…もう良いから…入れて、ユノ…」



媚薬だから、いつもの僕じゃあ無いから
アニメやAVのなかで見た、聞いた言葉を再現してみた



そんな風にまだ余裕が残っていた僕が余裕を無くすまで、あと10秒











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