ここまで良いことばかり書いてきましたが、この項では悪いことを書きたいと思います。

トータル確率の説明時に「打てば打つほど玉が増える」という話をしましたが、その元になってるトータル確率ってヤツがけっこう曲者なんです(私はそう考えてます)

具体的に言うと、新海をサンプルに等価での損益分岐点越えの千円あたり17.3回転という話をしましたが、仮にこれをちょっと越えるくらいの17.5~17.8回転くらいの台は期待収支はプラスになりますが、実は一日単位での勝率は45~47%くらいしかないはずです。

簡単に言うとこの条件の台を1万日打つと、1日単位での勝敗は勝つ日よりも負ける日の方が”若干”ではありますが多くなります。

さらに突っ込んだ言い方をすると、1日単位での予想収支を0円~+5000円、+5001円~+1万円という具合に予想分布図を棒グラフで表した場合、このくらいの条件の台だとチャラ~-2万円の日くらいがもっとも多く出現することになるはずです。

なぜかと言うと、トータル確率は「初回に確変を引いた場合の平均連チャン数」を元に出してる数字なのですが、確変65%程度の機種だとワンセットor3連チャンまでで全体の半数を占めちゃうからです。

大抵の機種に言えることですが、現実には遭遇しにくい大連チャンが平均連チャン数を上げ、トータル確率を上げているからこういう現象が起きます。期待収支も同じことで、理論上はありうる数少ない大勝ちの日の可能性が期待収支を引き上げているのです。


もう一つ細かい理由を言うと、パチンコは1分間に100発までと打ち出す玉の上限があらかじめ決められています。同じように、1時間の出玉スピードの上限も決められてます(初代ガロなんかこれに抵触するはずなのになぜか検定を通った不思議)が、出玉スピードの方がはるかに速いのが普通です。

簡単に言うと、1日に最大負けられる?金額の上限よりも、1日に最大勝てる金額の上限の方が高いという事情もあります。


なので・・・例えば「ボーダー理論上、ちょっとだけ勝てる計算の台を見つけたから大当たり確率が収束するまで頑張って打ってみよう」こういう考えは非常に危険です。

説明の際に収支分布図の話をしましたが、期待値・期待収支が高い台になるほど+の方向の出現率に推移していくのが普通ですから、「一応ボーダーは越えてる」程度の安易な妥協はしないで、なるべく高い台を打ち続けるようにしましょう。