観客をあっと言わせた
『シックスセンス』と同レベルの作品を
いつか撮ってくれるんじゃないかと
シャマラン監督に密かに期待してる。
でも期待と裏腹に新作が出るたびに
がっかりさせられて来た。
これまでの作品は、シャマランの
オリジナルストーリーだったけど
『エアベンダー』は、全米で大人気の
TVアニメシリーズが原作。
初の原作ものをシャマランが
どう料理するのか? と
好奇心と期待まじりで観てみた。
結果は期待はずれwww
ストーリー自体は悪くなかった。
気、水、土、火のエレメントを
ひとつだけ自由に操ることができる
4つの王国から成る世界。
この世界の均衡を保っているのが
唯一、4つのエレメント全てを操れる
アバターと呼ばれし者の存在。
その能力は、輪廻転生により引き継がれて行く。
ところが、最後の生まれ変わりである
少年・アンは、アバターとして生きる事を拒み、
12歳で失踪してしまう。
失踪中に北の海で氷漬けになったアンが、
少年の姿のまま発見されたのは約100年後。
均衡を失った世界は戦乱のさなかだった。
アバターとして未熟で、4つエレメントのうち
気しか使えないアンは、水、土、火の修行をしつつ
世界征服をもくろむ火の国と戦う。
気(風)を操るエアベンダーでありアバターであるアン少年
少年漫画の王道、バトルもので
話はおもしろそうなのに
原作に忠実になろうとしたためか
色々と詰め込み過ぎ。
まるで、あらすじを追うのがメインの
ダイジェスト版のようだった。
それもそのはず。
この作品は、3期から成る原作アニメの
1期分を実写映画に仕上げたもので、
約10時間かけて放送された内容が
2時間ほどに凝縮されているわけだから。
原作を映画化するのって
長い物語の枝葉末節のどこを切り取り
どううまくアレンジするかが重要で、
そこは監督の腕にかかってると思う。
シャマランは、その点、いい仕事をしなかった。
話を進めるために頻繁に説明口調の
ナレーションが入るのには苦笑した。
例を挙げると、アンを氷から助け出した兄妹の
兄の方、サカと水の国の姫との恋。
このエピソードは、サカの妹・カタラによる
短いナレーションで片付けてた。
とってつけたようなロマンスを
無理矢理ねじこんだ感じw
物語の展開を映像じゃなく
言葉での説明に頼ったのはつまらなかった。
アンを氷から助け出すサカとカタラ兄妹
映像の面では、気、水、土、火を
自由に操り戦うシーンのVFXは上手くできてた。
だけどVFXって、もう見慣れちゃってて
正直、新鮮な驚きはなかった。
エレメントを操るのにカンフーを使うのは
おもしろかった。
でも戦闘シーンのクライマックスに
アンのおでこに矢印が光り出すのには笑ったw
目まで光るしw
アニメなら見られるのかもだけど
実写でこれは失笑www
緊迫シーンなのに笑えちゃうなんて残念。
ストーリーの説明に精一杯で
登場人物が深く描けてなかったと思う。
アン役の子役ノア・リンガーはかわいかったし
一生懸命演技しているのは伝わったけど。
サカとカタラ兄妹に扮した
ジャクソン・ラズボーンとニコラ・ベルツは
棒読みだったし、演技ヘタだったw
火の国の王子役を演じたデヴ・パテールは
『スラムドッグ$ミリオネア』では
主人公のジャマールがハマリ役だったのに
本作では悪役としての魅力も精彩も欠けてた。
火の国の王子役 デヴ・パテール
この映画はアニメ3期分を1期ずつ描く3部作。
今回はまだ気しか操れないアンが
水を操る修行をする話だった。
続く2部、3部では土と火をそれぞれ
習得する過程が描かれるらしい。
この作品が3部作だって知らずに見たので
続編アリ!って強引に引っぱるような
終わり方にシラケた。
続編が出るとしても同じような
ダイジェスト版なら見る気しない。
あと、この映画は2Dと3D両方で公開中だけど
2Dで見た。2Dで撮った作品の
後づけ3D効果のナンチャッテぶりはもう有名だし
実際に『エアベンダー』を3Dで見た人の評判は
画像が暗過ぎてよく見えないとか
跳び出すのは字幕だけとか
ひどいものなので2Dでいいと思った。
いい選択だったと思う。
人気漫画だけあって素材はいいのに、
映画にそれが生かせてない。
つまらないできだった。
『エアベンダー』は、シャマラン作品として
期待して見ると、ひどくがっかりすることに
なるだろう。
画像
目が光るアン http://movies.yahoo.com/photos/movie-stills/gallery/1799/the-last-airbender-stills%23photo17#photo0
その他 http://www.cinematoday.jp/movie/T0008412
*********************************************************************************************