北海道神宮に行ってみて下さい、というリクエストは、ずいぶん前から多くいただいていました。
いつか行きたいな〜、とは思っていましたが、北海道は遠く、なかなかそのチャンスがありませんでした。
最新刊の取材でやっと北海道に行くことができ、その時に北海道神宮を訪れました。
社殿は立派な造りで威厳があり、力強い印象を受ける神社です。
この日は、のんびりゆっくり散策する時間がなかったため、祈祷をお願いして神様にお会いしました。 (境内社は時間の都合でスルーしています)
私が祈祷を一緒に受けたのは、お宮参りのご夫婦2組と、家内安全祈願のご家族1組です。
太鼓の音とともに神職さんの祝詞が始まり、その後、幣で祓ってもらいます。
それから神職さんが、願掛けの種類別に祝詞を奏上します。
そこで神様が出てこられました。
それが珍しく、また、意外なお姿で……。
ひげもじゃの男性なのです。
去年、NHKの大河ドラマ「真田丸」で藤岡弘、さんが演じられた「本多忠勝」みたいな雰囲気です。(ご存知ない方はネットで検索してみて下さいね)
見た目は、まさにあの人物です。
平安時代後期〜鎌倉時代の方のようで、ドラマの藤岡さんとはお召し物が違いますし、チョンマゲでもありませんが、あのような感じのお顔、と思っていただければ間違いないです。
「意外やわぁ〜」と心の中で思いました。
明治天皇の肝いりでこの神社に鎮座された神様らしく、宮中から来られています。
この神様は、ものすご〜〜〜〜〜く気さくな性質です。
「よっ!」と片手を上げて声をかける、そんなフレンドリーな感じで神様のほうから声をかけてくれました。
その時点で、明るくて、冗談もオーケーな神様であることがわかります。
「宮中から来られたのですか?」
「うむ」
「みやびな宮中から来られたにしては……あの〜、その〜、こう申し上げては何ですが……お酒とかガブガブ浴びるように飲んでいそうですよね……?」 と、見た目の印象をお話すると、
「失礼なことを言うなぁ」 と、神様はゲラゲラと豪快に笑っています。
そのような会話を楽しんでくれる神様なのです。
「願いは何でも叶えてやるぞ」と言ってもらえましたが、そう言われると遠慮してしまう性格なので…… 小さくお願いをしてみました。
神様は、なんだ、その願いは? 小さいな、もっと大きな望みを言え、みたいな雰囲気で、「ん〜〜〜〜〜、ま、叶えてやろう」と言ってくれました。(ちなみにちゃんと叶いました)
そうこうしているうちに神楽が始まって、巫女さんが太鼓を叩き、神職さんが笛を吹き、巫女さん1名が舞います。
太鼓のドンドンドン! という大きな音で、お宮参りの赤ちゃんが驚いたのか、泣き始めました。
うぎゃー! うぎゃー! と泣いていると……。
なんと!
神様が「お〜、よしよし」「どーした? どーした?」と、赤ちゃんのそばに行ってあやすのです。
神様が、です。
赤ちゃんの斜め上あたりに顔があったのですが、赤ちゃんはそれを見ると、ピタッと泣きやみました。
なんだろう? このひげもじゃのおじさんは? という感じで、じぃぃぃーっと見ています。
「子供は可愛いの〜」と神様が言うので、
「子供がお好きなのですか?」とお聞きすると、
「好きだ」と微笑みながら言います。
うわぁ〜、ますます意外ーっ! と心の中でつい、大絶叫してしまい、
「いや、あの、その、見た目と言いますか、そのいかついお姿からは想像もできないと言いますか……」と、正直に思ったままを言うと、
「お前は本当に失礼だな」と口では言いながら、神様はとっても嬉しそうに、ハハハと笑っていました。
よく笑う神様なのです。
祈祷の最後は玉串奉納です。
これは、神職さんが1人1人に手渡してくれる榊の枝を、神前にある台まで進んで行って、台に載せ、そこで2礼2拍手1礼をする、というものです。
お宮参り1組目の赤ちゃんは最初から最後までスヤスヤと眠っていました。
この1組目の玉串奉納が終わると、さきほどの泣いていた赤ちゃんが再び泣き始めました。
抱っこしていた母親が、玉串奉納のために立ったからです。
赤ちゃんの父親と母親は玉串奉納のために前に進みます。
赤ちゃんが、うぎゃーうぎゃーと泣いていると、またしても神様が赤ちゃんのそばに行き、べろべろばー、とあやしていました。
しつこいのですが、神様が! です。
するとですね!
今度も赤ちゃんはピタッと泣きやみ、空中をじぃぃぃぃーっと見つめていました。
このおじさん、えらいひげもじゃやな〜、なんでひげをつけてるのかな〜、固そうなひげやな〜、という感じです。
全然目をそらさずに凝視していました。
ご両親は、玉串奉納して下さいね、2拍手して下さいね、と言われるのでそちらに集中しています。
抱っこされている赤ちゃんは、神様を見つめ倒していて、その視線を受けて、神様はニコニコと笑顔を返していました。
赤ちゃんは、全員がしっかり見えるのか、この赤ちゃんに霊能力があったから見えたのか、そこはわかりませんが、とてもほのぼのとした、気持ちがほんわかする光景でした。
見た目は、いかつくて、お酒をガブガブ飲み、戦に強く、みんなワシについて来い! という武将タイプの神様です。
男気があって1本スジがビシッと通っている、曲がったことは嫌いである! という性質もお持ちですから、ズルいことや心正しくないことはお嫌いです。
でも、子供が大好きという面もあって、人間味あふれる神様という印象でした。
ここには眷属もたくさんいます。
「眷属はいらぬ、ワシ1人で十分だー!」と最初は思っていたそうですが、大勢の人が願掛けに来るようになって、手が回らないため、それで今はたくさんいるのだそうです。
明るく快活な性質で、広い大地にぴったりの神様だな~、と思いました。
宮中にいる神々の中から、誰かが北方の守りに行かなければいけない、となった時に、誰が行く? と神々の間で話し合いがあったそうです。
そこで、この神様は「ワシが! 行く!」と立候補したと言います。
このように、積極的で、元気で、楽しく、明るく、豪快に笑う……そんな素敵な神様がいる北海道神宮でした。
行ったのは3月の最終週ですが、雪がこんなに残っています。
明治天皇もご祭神のお一人だそうですが、残念ながら明治天皇はここにはいらっしゃいませんでした。
大地と神様の「気」がマッチしています。
東北でもよく見かけましたが、このしめ縄、縁起が良いですね~。
奥に社殿が見えます。
この時点で、強い神様と多くの眷属がいる、ということがわかりました。
社殿自体は新しいので近代的な感じがします。
境内の中から写してみました。
青空と同じく、境内の「気」もスカッとしています。
これは……(^_^;)
一体……どこなのか……
きっと境内社だと思います。
国際的ですね。
英語のおみくじがありました。
あ、しまった、引いてみれば良かったですね~、どんな感じなのか。
最新刊にくどいほど書いているのですが、関西では桜が咲いている時期に、北海道では雪が残っていました。
日本って広いなぁ、としみじみ思いました。