1940年に制作されたジョン・フォード監督の「怒りの葡萄」ですが、
日本ではわけ合って、その20年後に公開されたのでした。
このヘンリー・フォンダ主演の「怒りの葡萄」を鑑賞してきました。
70年も前の米国の農民に降りかかる貧困の連鎖にあって、
その実、資本主義の矛盾と国政の不備などが背景にあります。
権力と富は一方に集中し、雇用は最低賃金が守られず、
今日の格差社会をそのまま映し出したように思いました。
貧困に有って、家族の絆のみが支えであったのですが、
この絆も主人公の放浪の旅に出ざる終えない状況は、
個人に自己責任を負わせる新自由主義経済の名の下に
格差を正当化する日本の現状にもピッタリと言いえます。
もちろん米国でも同様の状況のようですが、
今日の金融資本主義の下に、国家国民は放浪の旅に出ることになるのでしょうか。