小森生活向上クラブ (双葉文庫)/室積 光
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解説・あらすじ:

小森正一40歳。

家庭も仕事もうまくいかずイライラを募らせていた。

周囲に迷惑をかける人間が大嫌いな小森はある日、もちまえの正義感で一人の女を殺す。

するとあら不思議。妻に愛され部下に慕われてしまう。

何もかもうまくいき始めた矢先に……。





寸評:

有隣堂ヨドバシAKIBA店に、どっかんと平積みされていた上に、近日映画公開(出演:古田新太・栗山千明)ときたから、こりゃ読んどくべと手に取りました。

初見の作家さんでした。勉強不足。日々是勉強。


ブラックコメディーの1冊。

でも、ブラックでコメディーなんだけど、そこに『正義』の枕詞がつくから厄介。

人をバッタバッタと殺します。

なんの躊躇もなく。

しかも彼は、一介のサラリーマン。

表向きはただの市井の人。

そんな彼が、自らの正義の御旗の元に人をあっさりと殺していきます。

さらには、それに同調する人間が社内や、友人・知人にわんさかいる。誰も止めない。


そこが、読んでいて世界観を共有できない。


たしかに、不特定多数に悪意を振りまいている人、いやな気持ちにさせる行為・言動を飄然と行う人、周りの人から煙たがられている人、そういう人がいるのはよく分かります。

その部分は理解できます。


ただ、それがイコール正当な殺人になるかといえば、それはNOとしかいえません。

作中で、主人公である小森課長も『自分の判断は正しいのか』と自問する場面もありますが、その通りで、一側面しか見ていないのにその人を殺すに足ると一個人が判断するのは、しかも『自らの正義に反しているかどうか』を判断するのは、なんか『はぁ??』って感じでした。


まあ、小説=創作世界ですから、何があってもいいのかもしれませんし、読みきれないモノではないのですが、理解はできても共感はできないですね。


『殺し屋イチ』なんか、好きでコミック全巻持ってますが、あれは『正義』みたいな、錦の御旗を立てずに

『私利私欲』のためだけだから、すんなり『いやぁ、阿呆なぶっ飛んだマンガだよ、こりゃ』と読めるんです。正義のかけらもないんですから。だから客観的に観れます。画はグロイけど。。。


その点、このお話は立ち位置が中途半端。

『家庭も大事、でもいやな奴は殺す。それは世の為人の為』みたいな。
ないっすね。

構想の段階から、僕の趣味とは外れていたんでしょう。




評価:

★★

なんも言えねぇ。

読みきれる筆力はあるので2つ星。ホントは1つ星。






僕的惹句:

なし。