(↑今回一緒に参禅した仲間たち)


前回ブログの続きです。


【自覚の幅を広げる旅】
https://ameblo.jp/holst-jsbach/entry-12486371399.html

 


さて、このシリーズは
「永平寺」と題しまして、

 


6月26日から29日にかけて
「参禅紀行文」を掲載します。


先にお断りしておきますが、
映画や書籍と同じで


ネタバレにならないように
行われている行事については
記さないで、


感じたことを記していきます。

 


その永平寺参禅紀行の第一話目は


全く想像外の感想です。

 


それは、私が参禅していた期間に
永平寺に泊りがけで来られていた人や


私と一緒に参禅された半数の人たちが
外国の人たちだったことです。

 


特に感動したのは
25名ほどの中国の僧侶が参拝のために
宿泊されていたことです。

 


鎌倉時代の道元禅師が中国の曹洞禅を
日本に伝えられ、ここ永平寺に修行道場を開かれ


800年間その教えや作法がほとんど変わらず
今に伝えられています。

 


元は、中国の禅をその中心として
系譜されています。


その中国の僧侶が永平寺をご覧になられて
どう思われたか気になるところであります。

 


そして、今回の私たちの参禅も
永平寺からも稀に見る試みで


海外からの参禅者と日本からの参禅者を
一緒のプログラムで行われた参禅だったとのこと。

 


永平寺の修行は
食事から坐禅、朝課と言われている朝の礼拝に至るまで


細かい厳格な作法に沿って行われていきます。

 


その細かい作法を
日本人の雲水(修行僧)さんが
日本人の私たちに伝えるのも

 


言葉で伝えきるのは難しい中、


日本人と海外の人に
同時に説明するのですから

 


その通訳をする雲水さんの
能力にまずは、驚かされました。

 


日ごろから
「お陰様」とか「いただきます」等の
仏教の教えから来た日本語に慣れ親しんだ私たちですら

 


細かい食事作法を覚えるのに
苦労しているのに

 


日本語どこらか
日本の文化にも触れたことが無い海外の人は

 


100%の英訳でない中で
よくついてこれるなぁ~。


と、敬服しておりました。

 


そして、日本語の言い回しの難解さを
痛感したところです。

 


何故かというと


海外生活を長く経験された教育係の禅師様の
英語の説明がなんとも「シンプル」で解り易いのです。

 


片言の英語しか理解できない私ですら
日本語で説明を受けた後に英語訳を聞くと


スーッと、腑に落ちる感じです。

 


例えば、食事を摂るときに使う
お粥やみそ汁、漬物を入れる器の


「応量器(おうりょうき)」にも
今思い出せないくらい、日ごろ使わない名前が
付いているのですが(頭鐼/ずくん)

 


英語の場合「ファーストカップ」、「セカンドカップ」
みたいな表現になるため


一時は、英語の説明に従って
私たち日本人の参禅者が自然に行っていた。
なんてこともありました。

 


そんな海外からの参加者と
混ぜこぜになって坐禅や朝課(礼拝)で


様々なお経をお唱えするので
どの部分をお唱えしているのか分からなくなります。

 


そうすると
指導役の雲水さんの目が行き届かない人は
隣にいる私たち日本人が

 


解る範囲でお伝えしていくのです。

 


困った人を見たら「手を差し伸べる」

 


それが、本来、人間の姿だと
都会で生活をしていると薄れていく感覚を
思い出させていただきました。

 


その気持ちを強くする理由の一つは


遠く海外で、
日本のことが好きになり


日本人も尻込みしてしまいそうな
日本一厳しい参禅と言われている「永平寺」に


果敢にチャレンジしてきた海外の人に
手を差し伸べたくなるのは
普通のことではないでしょうか。

 


永平寺には
国際参禅部というのがあるそうでして、

 


海外の曹洞宗のお寺に研修に行ったり
海外からの参禅者を受け入れてお世話されています。

 


因みに今回の海外からの参禅者は
中東、東南アジア、北米、ヨーロッパと
約8名参加されていました。


海外の人の目を通した日本を観ることができたのが
想定外の感情を得ることができました。

 


日本を好きになってくれた海外の人に対する
接し方や気持ちが
変わったような気がします。

 


今回、メールアドレスを交換した中東の人の息子さんが
祖国のナショナルチームで柔道をしているらしく、


順当にいけば
東京オリンピックに出場されるとのこと。

 


それぞれの人の思い出話を書くと
切がないので、


今回は、ここまでにします。

 


こんな一期一会は想定外だったので
永平寺参禅紀行の第一話として掲載しました。
≪#1326≫

 


~~お知らせ~~


ブログタイトルの
『高坂勉強会』は


巷で言われている
心身が健康になる方法を


自分の身体を使って
あれや、これや、試すための勉強会です。

 

~~編集後記~~


今日も、ありがとうございます。

 


痛みとの向き合い方を伝授された高坂一彦です。

 


永平寺の参禅関係の責任者の禅師から
教えていただいた中の一つに
痛みとの向き合い方があります。


もちろん、私の場合に限りですが
坐禅をしている際、感じる痛みは
あたりまえだと思うこと。


禅師曰く
痛みの上に坐禅がある。

 


痛みに襲われたときは
呼吸に意識を向ける事。


すると、痛みから身体が強張ってしまっているので
それを緩めると


痛みは引いていきます。

 


私の感覚では
痛みを忘れるような気がします。

 


この方法は
痛みだけでなく


苦しみや不安や心配にも使える処方箋のような
気がしたのですが


いかがでしょうか。

 


高坂一彦 拝