舞台と主人公は
ざっくりストーリー
本編はある編纂者が「ガラス玉演戯名人ヨーゼフ・クネヒトの伝記を本として保存記録するのが目的」として書き上げられた体をなしています。
主人公ヨーゼフクネヒト君が12歳の頃カスターリエンに入学し、様々な体験や様々な人々との出会いを通じ、ガラス玉演戯名人となり、この世を去るまでの出来事が語られています。
ちなみにガラス玉演戯名人にはクネヒト君本人の希望ではなく、流れで就任した感じなので、その辺のクネヒト君の心理描写を読むのも面白いと思います。
→クネヒト君は一人で好きな研究に没頭したいタイプの性格なのですφ( ˘ω˘ )
第1章から第12章までクネヒト君のカスターリエンでのステップアップに合わせてストーリーが進みますので、少しずつ読み進めていく事ができますよ♪
私、個人的にはワルトツェル時代がお気に入り
(`・ω・´)ゞ
ワルトツェルとは州の中でもガラス玉演戯に力を入れているカスターリエンの配属先の学校で、クネヒト君は17歳の時に転入、そしてデシニョリ君という一般社会から勉強しに来ている旧家の男の子と仲良くなります。
デシニョリ君はカスターリエンの制度を「世間ズレしてるぜ」と批判し、対してクネヒト君がカスターリエンの制度を擁護するという弁論大会が名物になったりします
2人は討論合戦しますが、お互いに憎み合ったりはせず、良い部分を影響し合って親友同士へと成長していく姿が感動します
それからクネヒト君は成長し、研究生、外交官とステップアップし、易経の隠者や歴史学者のヤコブス神父などから多くを学んでいきガラス玉演戯名人になりますが、やはりポイントはデシニョリ君との出会い!だと思われます。
本作「ガラス玉演戯」は作者ヘルマン・ヘッセの渾身の反戦文学!
あえて部門を特定せず、ガラス玉演戯という架空のアートを通じて、人間の精神と芸術の極致を表現して、その対局に渦巻く憎しみと戦争に挑んでいます。
本作はカスターリエンという閉鎖的な舞台に主人公を置くことにより極端に芸術史上的で精神的な世界を重視した教育に専念させています。
そこに外の一般社会から入門してきたデシニョリ君を接触させることにより、主人公クネヒト君は外の世界に興味を持ち、視野を広げて多角的にかつ謙虚な姿勢で物事を見つめ始めていきます。
先述しましたように、
実際デシニョリ君はカスターリエンが如何に世間とズレているかを演説して、痛烈に批判します。
その演説の熱さにクネヒト君は心惹かれ、彼と友達になりたいと恩師の音楽名人に相談します。
そして恩師の音楽名人の仲介により校長先生もクネヒト君がデシニョリ君に接触するのを了承し、クネヒト君がデシニョリ君と討論合戦をする際の2つの条件を提示します✌️
それがこちら!
①カスターリエンをその批判から弁護してね!
②見解の論議を最高の水準に高めてね!
品良くカスターリエンを守ってね!てとこですかね
そしたらΣd(≧▽≦*)OK牧場!
OK牧場
古っ∑(°口°๑)❢❢
デシニョリ君のカスターリエン批判はあくまでパフォーマンス!
討論し合いながらも主人公クネヒト君とは大親友となり、後々の章で、デシニョリ君の息子さんとクネヒト君は師弟関係になるという激アツの展開に!!
ジェダイの師弟関係みたいな!∑(°口°๑)❢
よって!一度は卒業してお別れするデシニョリ君ですが、後に再登場しまふ_:(´ཀ`」 うっ!
興奮して噛んでしまいました💦
後々にも再登場します!
→第9章「対話」
この章こそ本作「ガラス玉演戯」のハイライトと言っても過言ではない場面
お互い年を重ね、各々の世界で責務を背負う2人の会話、再開するまでの空白とわだかまりを解きほぐしながらクネヒト君とデシニョリ君の心が通い合うエピソードは感動的です
卒業後のデシニョリ君と両親とのエピソードも語られますが・・・ツライ(。>_<。)
最終章に向けての足がかりともなっているので、このデシニョリ君との再開シーンは俗世界と閉鎖的なカスターリエンの2つの世界を橋わたしする重要な場面となっています!
そして様々な偉〜い方々が作中登場しますが、この物語において主人公に最も影響を与えたキャラはデシニョリ君です
(σ・ω・)σCheck It Out
ガラス玉演戯のルーツ
ガラス玉演戯のルーツはドイツとイギリスで同時に発生したという設定になっています。
音楽家・音楽仲間の間での音楽理論の研究中演戯の実習として発達したようです。
中でもドイツ人のペロットさんがガラス玉演戯の楽器の原型を発明!
文字や数や音符の代わりにガラス玉を用いたそうで、数十本の針金を中に張った枠を組み立てて、その針金に様々な大きさと形と色とのガラス玉を並べた楽器みたいです。
形も様々なんですね!
(・д・)ホォー
ちなみに針金は5線譜に、ガラス玉は音の長短に相応するようです。これが後に発展して民衆的になったものがガラス玉演戯だそうです。
この楽器をどのような感じ操作してガラス玉演戯として反映されるのかは明確には描写されていませんが、おそらく個人の芸術的、数学的思考などが精神を介して音色に反映され、聴き手に感動を与えると思われます。
よって各個人の洗練された知識や技術、そしてカリキュラムである瞑想が重要になってくるのだと思われます!
と!
言った具合に、
とにかく
架空の設定が凄すぎる
創・造・力∑(°口°๑)❢❢
さらにさらに!
ガラス玉演戯は演戯のみに留まらず、数学にも応用され、優れたガラス玉演戯者は優れた数学者の名声と同等とのこと。
・・・この時点でわたくし、正直わけがわからなくなりましたが、実際のところ本書を読むにあたっては、ガラス玉演戯自体はそういう技能なんだという感覚で大丈夫です!
d( •̀∀•́ )b
ちなみに、
クネヒト君は竹林で出会った老師に易学を学んで、易経を演戯に取り入れてみたいと張り切りますが、老師にヤな顔されます(*꒪꒫꒪)チーン
作品がうまれた背景
純粋な精神で暴力に対抗!
隠忍し抵抗している人々を励ます
本作「ガラス玉演戯」は第二次世界大戦最中の1943年。作者亡命先のスイスで刊行されました。
着想は1931年、ヒトラーのナチスが33年に政権樹立。作者が平和と愛を胸に秘め、精神的に戦争と憎しみに対抗し、強い反戦の意思を込めて10年の歳月をかけて作り上げた作品が「ガラス玉演戯」です。
戦時中「ガラス玉演戯」はスイスからほんの小部数ドイツへ密輸入されて、貴重品のように大事に回し読みされた過去があるそうです。とても勇気づけられるエピソードです
ノーベル文学賞受賞のきっかけとなった作品です。
ご興味湧きましたらぜひ
書籍価格がとても高騰しているので電子書籍か公立図書館でレンタルするのが良いかと思います。
ブログタイトル:Sweetbox「complete best」より♫