もちろんクドカン&磯山コンビと言われるだけで、見ねぇわけにはいけねえっけれど、それに長瀬智也と岡田准一つうイケメン野郎が出演するっていうのは、言い方を変えると、大好きなアーティストのCDを買ったら図らずも特典ディスクが付いてきちまゃったってなくれぇ魅力的なこぼれ話じゃねぇかよ。そんな軽いノリで見た「タイガー&ドラゴン」だったが、まさか俺の人生を変えることになるとはなァおどろきヨ。

「タイガー&ドラゴン」は正月にTBSで放送された落語ドラマだ。ストーリーは、ヤクザ(長瀬)がしょんなことから落語に出会い、落語家を目指す、つうトコから始まるぜ。これ以上のストーリーは言やしねぇぜ。とにかく、四の五の言わずに見てほしいぜ。何とも粋で面白くて、構成のしっかりした、魅力的なドラマだぜ。このドラマを観た後、俺はどうなってちまったか?落語の「ら」の字も知らなかった俺が落語の世界にすっかり魅了され、志ん生、志ん朝、歌の介、昇太、花禄らのCDやら落語の本を買いあさり、こぶ平改め林家正蔵襲名式@末廣亭にも足を運び、円楽師匠の先行予約チケットが買えなくて涙することになったわけで。さらに、周りの友人も巻き込み、落研が結成されるのも時間の問題つぅありさまだぜ。いやはや、「タイガー&ドラゴン」の力は偉大なりってんだこんちくしょーッ。

このドラマで使われた古典落語「三枚記請(さんまい・きしょう)」についてちぃーってえとうんちくを言わせて頂こうか。まず、「記請」とは何ぞや?こいつぁ、遊女が書く「年季が明けたら夫婦になる」つう誓いの文書のこと。これにころりと騙された男たちが反撃に出る…つうのがこの噺の大枠だぜ。この作品で俺が一番すきな箇所は、まくら(落語のイントロ)で使われる「傾城のはまことのならず/金もって来いが本当のこいなり」つう駄洒落。「傾城」とはおいらんの世界のこと。クドカンは、落語にいっぺぇ見ることのできる駄洒落の要素を大切に、ドラマの中でも随所に駄洒落を盛り込んでいるぜ。耳をそばだてて聞かねぇと理解できねぇ箇所が結構あって、言い換えれば、繰り返しドラマを見ることでまた新たな発見があって、結果、噛めば噛むほど味が出る作品に仕上がってやがる。いやはや、あっぱれ、の一言に尽きるぜ。クドカン、最高だぜッ!

 

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