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1月21日より、展覧会「ハマスホイとデンマーク絵画」が東京都美術館にてスタート。同展は、デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)の作品をはじめとするデンマークの名画の数々を、日本で初めて本格的に紹介する展覧会です。

初日前日に行われた報道内覧会では、東京都美術館学芸員の髙城靖之氏による会場全体の構成や流れについての解説がありました。会場の様子と共に、見どころを紹介!


「ハマスホイとデンマーク絵画」は、4章構成となっており、1章では、19世紀前半に花開いたデンマーク絵画の黄金期と呼ばれる1820年代から50年代頃の絵画、2章ではスケーイン派の作品を紹介。デンマークを代表する有名画家P.S.クロイアの作品も。
 
3章では、ハマスホイとほぼ同時期にコペンハーゲンで活躍した19世紀末の画家の作品、そして、4章で披露されているのがヴィルヘルム・ハマスホイの作品。会場の後半は、静寂を描いたハマスホイ作品にどっぷりと浸れる空間になっています。

ヴィルヘルム・ハマスホイ 《画家と妻の肖像、パリ》 1892年 デーヴィズ・コレクション蔵 The David Collection, Copenhagen
 
<1章 日常礼賛―デンマーク絵画の黄金期>
19世紀前半というこの時期のデンマークは、戦争で敗戦し、経済的には国家体制が破綻するところまで来てしまいます。それまで主流だった王侯貴族や教会などからの絵画の注文は減り、購買層は中産階級の人々へと移り変わっていきます。
 
そのため、身近な風景だったり、肖像画でも形式ばったものではなく、対象モデルの内面を捉えた親密な、モデルとの距離が近いような作品が1章のデンマークの黄金期で披露されています。19世紀前半は周りのもの、親密なものを描くという流れがあるのが特徴的。


(手前)ヨハン・トマス・ロンビュー 《シェラン島、ロズスコウの小作地》 1847年 デンマーク国立美術館蔵 National Gallery of Denmark
(奥)ピーダ・クレスチャン・スコウゴー 《ティスヴィレの森から望むフレズレクスヴェアクの風景》 1839年 デンマーク国立美術館蔵 National Gallery of Denmark

コンスタンティーン・ハンスン 《果物籠を持つ少女》 1827年頃 デンマーク国立美術館蔵 National Gallery of Denmark

<2章 スケーイン派と北欧の光>
デンマークの北の果てにある海辺の町、スケーインは、19世紀後半、北欧の国々から芸術家が集う国際的な村として知られるようになりました。当時、徐々に近代化が押し寄せてきたコペンハーゲン。古き良きデンマークの姿が残っているスケーインで、猟師たちやその家族を描くうちに芸術家同士の交流が生まれました。
 
▼スケーイン派とは?
2017年に国立西洋美術館にて開催されたスケーイン派の絵画展「スケーエン:デンマークの芸術家村」についての記事もご参考に!(※この時の展覧会では、スケーインはスケーエンと表記)
 

ミケール・アンガ 《ボートを漕ぎ出す漁師たち》 1881年 スケーイン美術館蔵 Art Museums of Skagen

(手前)ピーザ・スィヴェリーン・クロイア 《朝食――画家とその妻マリーイ、作家のオト・ベンソン》 1893年 ヒアシュプロング・コレクション蔵 The Hirschsprung Collection
(奥)ピーザ・スィヴェリーン・クロイア 《詩人ホルガ・ドラクマンの肖像》 1902年 ヒアシュプロング・コレクション蔵 The Hirschsprung Collection

<3章 19世紀末のデンマーク絵画―国際化と室内画の隆盛>
屋外から室内へと視点が移り、室内画を描く傾向が見られるように。日常的な風景や家族など、身近なものや人々の幸せに満ちた様子、“ヒュゲ”の心地よい、くつろいだ雰囲気を描く画家たちが台頭。そこから、美しい室内を描くことだけに関心のある画家たちが現れます。

(手前)クレスチャン・モアイェ=ピーダスン 《花咲く桃の木、アルル》 1888年 ヒアシュプロング・コレクション蔵 The Hirschsprung Collection
(奥)ユーリウス・ポウルスン 《夕暮れ》 1893年 ラナス美術館蔵 Randers Museum of Art


(手前)ラウリツ・アナスン・レング 《遅めの朝食、新聞を読む画家の妻》 1898年 スウェーデン国立美術館蔵 Nationalmuseum, Stockholm
(奥)ピーダ・イルステズ 《ピアノに向かう少女》 1897年 アロス・オーフース美術館蔵 ARoS Aarhus Art Museum

<4章 ヴィルヘルム・ハマスホイ―首都の静寂の中で>
室内画を描く画家たちの中で最も先鋭的だったのが、ヴィルヘルム・ハマスホイ。初期の頃は、人物画や風景画も多く描いていましたが、1888年に自身初の室内画となる「古いストーブのある室内」を手がけました。ここから室内画が彼の作品の中心を占めていくことになります。


(左)パンチボウル ロイヤル コペンハーゲン 18-19世紀 個人蔵 Private collection
(右)トレイ 製作者・製作年不詳 個人蔵 Private collection

ヴィルヘルム・ハマスホイ 《背を向けた若い女性のいる室内》 1903-04年 ラナス美術館蔵 Randers Museum of Art

ヴィルヘルム・ハマスホイ 《カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレズゲーゼ25番地》 1910-11年 マルムー美術館蔵 Malmö Art Museum

1章の黄金期から4章のハマスホイまでを見渡すと、19世紀前半から後半にかけて、身近で近しいものや人を描くのがデンマーク絵画の流れだということが感じられます。音声ガイドは、女優の宮沢りえさんが担当。彼女の穏やかで柔らかな声は会場の雰囲気とぴったり。心地良い空間を演出してくれます。

ミュージアムショップには、展覧会オリジナルのハマスホイ・グッズがずらり!ハマスホイ特有の柔らかなグレー系の色をまとったアイテムは種類も豊富。お土産やギフトにも。また、デンマーク生まれのデザインブランドが並ぶコーナーも必見です。


ハマスホイ作品に見られるようなグレイッシュなトーンのグッズが豊富。図録、ポストカードもずらり。

トートバッグやTシャツなど、ハマスホイ作品に見られる一部のモチーフがあしらわれたタオルハンカチなども。

デンマークの陶磁器ブランド「Kähler(ケーラー)」より、HAMMERSHOIシリーズ。
ムンク展に続き、ハマスホイ展にもピンズが出てくるガチャポン発見。出てきたのは、絵画作品がモチーフになったピンズではなく、まさかのハマスホイご本人登場。

▼展覧会「ハマスホイとデンマーク絵画」について
http://www.hokuwalk.com/News/page/page_id/012019111100015001


ハマスホイとデンマーク絵画
<東京会場>
会期:2020年1月21日(火)~3月26日(木)
会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
時間:9:30~17:30 ※金曜日、2/19(水)、3/18(水)は20時まで。入室は閉室の30分前まで
休室日:月曜日、2/25(火) ※ただし2/24(月・祝)、3/23(月)は開室
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_hammershoi.html
<山口会場>
会期:2020年4月7日(火)~6月7日(日)
会場:山口県立美術館(山口市亀山町3-1)
時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※ただし5月4日(月・祝)、6月1日(月)は開館
 
展覧会公式サイト:http://artexhibition.jp/denmark2020/

※本展の表記については大阪大学言語文化研究科の指針に準じているとのこと(スケーエン→スケーイン、ハンマースホイ→ハマスホイ、ヒュッゲ→ヒュゲ)