こんにちはニコニコ
 
北欧ノルウェーのハルダンゲル地方で生まれた民族楽器「ハルダンゲルバイオリン」をご存知ですか?
 
ハルダンゲルバイオリンとは、通常の4本弦の下に、4~5本の共鳴弦(アンダーストリング)を持つことで、哀愁を帯びた懐かしい音色が特徴的。真珠母貝や象嵌(ぞうがん)細工の花模様の装飾などが施された美しい楽器です。現在ノルウェーでは、ハルダンゲルバイオリンを制作できるプロの職人が4名しかいないため、手作りで1年に2丁ほどのペースでしか制作できず、町の楽器店でも手に入らない幻の楽器なのだそう。

そんな貴重なハルダンゲルバイオリンを弾きこなす日本人奏者がいます。アジアで唯一認められたハルダンゲルバイオリニスト、山瀬理桜(やませりお)さんです。

日本だけでなく、本場ノルウェーでも「山瀬理桜が演奏を始めると、教会がスイングする」と、新聞見出しに書かれたことのある山瀬理桜さん。楽しく軽快で、時に哀愁のある山瀬さんのハルダンゲルバイオリンの音色は各国の人々を魅了しています。


民族衣装をまとい、ハルダンゲルバイオリンを手にする山瀬理桜さん
 
今年6月15日、ノルウェーを代表する作曲家、エドワルド・グリーグの誕生日の日に、ノルウェー・ハルダンゲル地方の文化や伝統を、ハルダンゲルバイオリンの演奏を通じて広めた功績が認められ、山瀬理桜さんがハルダンゲル地方の親善大使に任命されました。そのお披露目会の模様が届きましたのでご紹介します!

8月20日、都内で開かれた「山瀬理桜 ハルダンゲル地方親善大使就任お披露目演奏会」。山瀬さんを祝う、にぎやかなゲスト一人目は、北欧ヘヴィメタル芸人・橋山メイデンさん。「北欧はヘヴィメタの聖地。なかでも、ブラックメタルにはクラシックの要素があるんです」と、メタルとクラシックとの親和性を力説。

続いて登場したのは、アジア圏で唯一、グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロースのパラダイス山元さん。公認サンタクロースだけあって、北欧にはよく行くという山元さんは、つい先月もノルウェーで開催されたサンタクロース会議に出席。サンタクロース会議に毎年出席しないと公認サンタクロースの資格を剥奪されてしまうのだとか!(大変!)

左から、北欧ヘヴィメタル芸人の橋山メイデンさん、ハルダンゲルバイオリン奏者の山瀬理桜さん、グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロースのパラダイス山元さん、この日司会を務めた旅作家の歩りえこさん
 
そしていよいよ山瀬さんのハルダンゲルヴァイオリンの演奏がスタート。会場を歩き回り、お客さんの目の前で弾きながら『クラップダンス』『ノルウェーダンス』の軽快な2曲を披露。なんでも、ノルウェーの民族楽器には打楽器がないため、その代わりに、聞いている人が足を踏み鳴らしたり、手拍子でリズムを取るのだそう。これは楽しそう!



ちなみに、ハルダンゲルバイオリンは琵琶のように弾いて伝えていく伝承楽器なので、楽譜がない!山瀬さんの教室の生徒さんにも、直に弾いて耳で覚えてもらっているのだそうです。

ハルダンゲルバイオリンの第一人者として活躍してきた山瀬理桜さんの実力。宮崎駿監督からも高く評価され、2006年には宮崎監督の短編アニメ『水グモもんもん』の音楽監督(作曲・演奏)を務めたほか、同年に公開されたスタジオジブリ映画『ゲド戦記』のサウンドトラックにもハルダンゲルバイオリンの演奏で参加しています。

また、自身の演奏活動だけでなく、人材の育成にも力を入れている山瀬さんは、独自のスカラシップ制度をつくり、 ノルウェーへの留学制度を支援。本国から奏者を呼び寄せてコンサートを開くなどの活動も行っています。

今後ますますの活躍が期待される山瀬理桜さん。ハルダンゲルバイオリンのリズムに乗って、手拍子したり、足を踏み鳴らして、その雰囲気を味わってみたい!


<ハルダンゲル地方親善大使に就任した山瀬理桜さんのコメント>
ノルウェーの伝統文化を守り、さらに広めていくことが私の使命だと思っています。ハルダンゲルバイオリンをまったく知らない人にも知ってもらいたい。日本全国を回れていないので、全国各地の学校へ出かけるなどして、ハルダンゲルバイオリンを若い世代にも伝えていきたいです!

山瀬理桜(やませりお)プロフィール>
ノルウェー人と結婚したピアニストの姉とムンク美術館で日本人初のコンサート開催時に、ハルダンゲルバイオリンの存在を知り、3年後にようやく本物を目にする。その後、故ハールバル・クヴォーレ氏に師事。92年より国内オーケストラと共演、ムンク美術館内ホールをはじめ、日本と北欧を中心にコンサートツアーを開始。2003年以降は本格的にハルダンゲルバイオリニストとしての活動をスタート。『フィヨルドの愛の唄』(ビクターエンタテインメント)など多数のCDをリリースし、国内外でのコンサートはのべ1000回を超える。2009年にはノルウェーなど北欧文化を日本に紹介する組織「㈳日本ハルダンゲルクラブ」を設立。ノルウェー国営放送NRKや現地の新聞でも取り上げられるなど、その活動が認められている。


<ハルダンゲルバイオリンとは?>
フィヨルドで有名なノルウェー・ハルダンゲル地方で生まれた民族楽器(現地名:ハーディングフェーレ)。真珠母貝や象嵌細工の花模様の装飾が施され、トップにはヴァイキングの時代の神の象徴「ドラゴン」、通常4本弦の下に4~5本の共鳴弦 (アンダーストリング)があることが特徴的。共鳴弦を持つことで、ヴァイオリンとは異なる哀愁を帯びた懐かしい音色を持つ。共鳴弦をも調弦するスタイルはノルウェー独特のもの。 ノルウェーの作曲家E.グリーグも愛し、数々の民族楽曲をクラシックに取り入れている。現地では今でも神聖な楽器として、主に冠婚葬祭時に使用される。