レッドブルF1代表、バランスに苦しみマイアミ勝利逃すも結果にはポジティブ
レッドブルは、F1第6戦マイアミGPでマックス・フェルスタッペンがスプリントレースを制したものの、決勝レースは2位。セルジオ・ペレスも4位に終わったが、週末を通じてバランスに苦しんでいたこともあって、クリスチャン・ホーナー代表はこの結果をポジティブに捉えているようだ。
フェルスタッペンはポールポジションから決勝レースをスタートし、首位をキープしていたが、他車のクラッシュにより出動したセーフティカーで流れが変わった。
この時、すでにフェルスタッペンはこのレース唯一となったピットストップを済ませていたが、ステイアウトしていたランド・ノリス(マクラーレン)はこのタイミングでピットイン。タイムロスが少なく済み、逆転を許してしまった。
その後は、フェルスタッペンがピットストップ前にボラードを弾き飛ばしマシンにダメージを抱えていたこともあり、ノリスが逃げ切りF1キャリア初優勝。レッドブルにとっては、今季の”2敗目”となった。
ホーナー代表はレースを振り返り、バランスに苦しみ、ダメージがあった中ではまずまずの結果だったと語った。
「週末を通じて、良いバランスを得られていなかったと思う。そして言うまでもなく、彼は20周目あたりでボラードに接触して、マシンの下側にかなりのダメージを負ってしまった。でもその時点では十分なペースがあり、ダメージを受ける前からオスカー(ピアストリ)やランドを引き離していた」
「その後、ピットインしてセーフティカーが出たが、ランドにとっては最高のタイミングで、実質的にフリーストップをすることができた。ダメージがあったとはいえ、2位はまずまずの結果だった」
「ランドの初優勝を祝福しなければならない。どのグランプリドライバーにとっても初優勝は大きな瞬間だから、彼とマクラーレンを祝福したい。しかし、我々は昨日のスプリントレースでドライバー個人としてもコンストラクターとしても最多ポイントを獲得することができた。チームにとって非常に力強い週末だった」
フェルスタッペンのピットインタイミングについて聞かれたホーナー代表は、シャルル・ルクレール(フェラーリ)との距離も踏まえ、判断したという。
「ルクレールが少し近づいてきているのが見えたし、ピットストップの戦略上、最適なタイミングだったんだ。もちろん、ランドは他のみんながピットインしたことで、事実上フリーストップを手に入れたし、タイヤが若いというメリットもあった。彼は初勝利を挙げるためにとても良い仕事をしたんだ」
「今日見られたのは、トラフィックを抜けるのが非常に難しかったということだと思う。というのも、レースではオーバーテイクがそれほど多くなかったからだ。だから(セーフティカーがなければ)ピットストップ後の順位次第で、ノリスは3番手か4番手になるはずだった」
フェルスタッペンのマシンダメージについて聞かれたホーナー代表は、特にタイムロスが大きかったセクター1について、主にターン1でロスをしていたと明かした。ただ、それがダメージだけによるものかは明言を避けた。
「左リヤのフロアにそれなりのダメージがあった。パーツの脱落もあったし、ひどくたわんでいたようだ。間違いなく助けにはならなかっただろう」
「ターン1で毎周、0.2秒ずつロスしていた。それがダメージのせいなのかどうかは別として、実際にダメージを受けた部分を見ると、我々がデザインした通りにはなっていなかった」
今回、フェルスタッペンはどのセッションでもマシンのバランスが悪いと訴えており、決勝レースでもアンダーステアに苦しんだ。
ホーナー代表は、マクラーレンの進歩を警戒しながらも、苦しい中でも結果を残せたことをポジティブに感じていると語った。
「彼ら(マクラーレン)は勝ったし、レース後半はいいペースだった。スプリント予選ではミディアムタイヤで速かったが、それでも我々は今週末ふたつのポールポジションを獲得し、スプリントでも優勝した。しかし、彼らは確実に一歩前進しているので、ヨーロッパに戻った後の数レースで何が起こるか興味深い」
「我々は(集団に)25秒の差はつけられなかった。スプリントで見たとおりだ。でもこのサーキットはトリッキーなんだ。タイヤの挙動が独特で、金曜と土曜、そしてスプリントレースの中でさえ、彼がマシンバランスに満足できていない様子だったのが分かるだろう。だからこのような結果を得られたことはとてもポジティブなことだ」
一方、マクラーレンは今回投入したアップデート・パッケージの本領発揮はこの後だと考えている。レッドブルとマクラーレンの戦いは、今後激しさを増してくるかもしれない。