京都嵐山 美山荘の先代主人が亡くなる前に
妻である大女将に言った言葉
(実際の言葉とは少し違うかもしれません)
『死は怖くないよ死んで新しい命になるものだから』
その言葉を聞いて
感動している自分がいた
山間の中に生き
季節とともに生きてきた人
だから真実の言葉が言えるのだなと


それは輪廻転生を言った言葉ではないような気がする
新しい命を育むには
死んでいくのは当たり前で
その命がバトンタッチをして
次の命を育くんでいく

死とは巡る季節のようなもの
自分の命は死んで新たな命を育む
それはこの世界の理
人間も等しくこの世界の理の中にある
新たな命を生み出す為に

死とは季節の巡りだったのだと思った 
それはあたりまえにあるもの
そう思ったら泣けてきた

そうだったのだ
なんにも怖れる必要はないのだと

そして伊勢神宮のみかけうち参拝をした時の事を思った

朝の早い時間、一番に
内宮のみかけうち参拝をした
お扉が開いたそのギィーっと言う重たい音を聞いた時
それは訪れた

魂が震える感動
そこにはこの世界の理があった
巡る季節
四季の移り変わり
あの時言葉にできず
ただ泣けた

それを言葉にしたのがきっと
京都 美山荘の先代が言葉にしたものだったのだと思う

この世界の理は等しく全てに流ている
私たちは巡る命そのもの
命をただ活かし
そしてこの世界に遊び
そして
この世界を去っていく
春夏秋冬
巡る季節のように
死は季節が移り変わるのと同じ
冬があるから
春、花が美しく咲く
新たな命となって
世界を育む

自分の命もまた
新たな命となって
世界を育むのだ

そうだったのだ
だから泣けたのだ
伊勢の時も
そしてこの言葉を聞いた時も

そこにこの世界の真実の理があったから
そこに触れることができたから

伊勢神宮 早朝