損保ジャパン日本興亜が自動車保険の内容を改定し、車を仮免許で運転中の事故を一律で補償することになりました。
仮免許を取得すると第一種免許を保持し運転経験が通算3年以上の人、または第二種免許保持者の人を指導者として同乗させ、仮免許練習中のプレートを車両の前後に付けることで教習所の路上教習以外でも行動で車を運転することが可能です。
なので、条件を満たす家族を同乗させて自宅の車で練習することもできます。
さて、仮免許で運転中に事故を起こしてしまった場合、賠償責任義務を負うのはドライバーですが、教習所の教官や同乗指導者がいてもハンドルを握っている人の責任となり、仮免許だからといって賠償金の削減等はありません。
教習者で事故を起こしてしまったら教習所の保険で対応することが一般的のようですが、自宅の車で事故を起こすと自宅の車が加入している自賠責保険や任意保険で対応します。
そこで、忘れがちなのが任意保険の運転者限定や運転者年齢条件の項目に関してです。
任意保険加入者の中には保険料を抑えるために運転者の範囲を限定している人も多いと思います。
運転者の範囲を限定していると、仮免許練習中に事故を起こしてしまった場合に運転者の範囲から外れていて保険が使えないといった大事態が起こることも考えられます。
例えば、親の年齢に合わせた契約であれば子供は補償対象外となってしまいます。
仮免練習前に運転者の範囲を適切に変更すれば問題ないのですが、運転者の範囲を広げれば保険料も上がりますし、一度や二度の練習なら問題ないだろうと安易に考え、運転者の範囲をそのままにしている人もいるかもしれません。
そうなると、無保険で運転していることと同じになってしまいます。何もなければいいですが、万が一の時のことを考えると怖いですね。
自宅の車は教習者のように助手席にブレーキも装備されていないですし。
ところ変わって、損保ジャパン日本興亜は自動車保険の改定により仮免許運転中の事故を一律に補償とのことですが、具体的には運転範囲変更漏れのサポート特約の改定となります。
簡素に言いますと、新たな被保険者が増えた場合、30日以内に運転者範囲の変更手続きを行えば手続き完了前の事故も補償される特約のことで、運転者限定特約や運転者年齢条件特約が付帯された契約に自動付帯されるというものです。
新たに記名被保険者の配偶者や同居の親族になった方、新たに免許を取得した記名被保険者の家族を救済するための特約です。
自動車保険改定前は仮免許取得に関しては、新たな免許取得者としてみなされず救済の対象外だったのですが、今回の改定で仮免許取得者も救済されることが明記されました。
無条件で仮免許が補償されるのではなく、適切な手続きは必要なのでご注意ください。
※所定の期間内に手続きが完了しなくても、被害者救済の観点から対人・対物賠償保険に関しては補償されます。
自動車保険は事故でもない限り更新時期まで内容を見直さない方が多いと思います。
運転者範囲変更漏れサポート特約は、手続き漏れが多いことから採用された特約なのかもしれませんね。
特約での救済措置はありますが、本来は運転者の範囲が変更された時点で早急に手続きする必要があります。
忘れずに手続きしましょう。