嫌なことをしてくる相手を避けたいと思うのは、当然の心理です。
しかし、子ども達は他人との距離のおき方が上手いわけもないので、ほとんどの場合、嫌な人から離れられずに悩んでいます。
我慢して我慢して、ようやく距離をとったら、「避けられた!」と言われ、周りの大人たちも表面化したこの時点でやっと何か起きていることに気付くのです。
だからこそ、なぜ避けなければいけないほどになったのか、背景をよく見る必要があるのです。
そして、避けるという手段をとる場合には、あからさまにしない方法を考える必要があります。
嫌だからと、無視したり急激に態度を変えるのは違うよ、ということです。
避けるのではなく、適切な距離感を探るのです。
嫌だなと思いながらも関わらなければならないシーンは、この先の人生でもたくさんあるのですから。
最低限、授業などでは意見を述べ合うことができるとか、係活動などでは協力できるとか。
休み時間や放課後に一緒にいる頻度は減らしていいんです。話したくなければ話さなくていいし、話したければ話せばいい。話しかけられて無視するのではなく、話しかけられたら相槌をうてるとか、少し話せればいい。
これには周りの大人のサポートが必要です。
「そういう時は受け流したらいい」
「そういう時はすぐに先生に言った方がいい」
「そういう時は別のお友達を頼ってごらん」
自分一人で悩まない、君には選択肢がいくつもあるんだよということは、教えてあげないと子どもはわかりません。
嫌なことをしてしまう側にも同じです。
「なぜ避けられるのか、胸に手を当ててよく考えてごらん」です。
自分の言動を振り返る、どうしてそのような言動に至ったのかを共に考え、自分の気持ちや物事の善悪に気付くための促しが必要です。
「まずは言葉で伝えてごらん」
「こういう言葉ではなくて、こう言うと伝わるよ」
「どうしたら一緒に学べる?どうしたら一緒に遊べる?」
「相手が嫌がる言動はするものじゃないよ」
日頃から言っているんですけどね。
人を叩かない、蹴らない
悪口は言わない、人を悪く言う前に自分はどうなのか省みなさい
人が嫌だ、やめてと言うことはやらない
伝えても、伝えても、伝わらない子には伝わらない。
友達が君のことを諦めてしまう。離れていってしまう。それでいいわけない、気付いて!と思いながら介入するものの…
ちゃんと信用を失ってお友達に距離を取られていく経過を見ているようで、何とも言えぬ気持ちになります。
ま、大人になったら、本当におかしな者からは逃げなさい、メンタルヘルスを崩すくらいなら離れなさいと言う場面はあるわけで、子どもも同じということです。
そうならないために何とかしたいですが、どうにもならない現実もある。
付き合う人間は選ぶことの大切さを教えることも必要なのだと思います。