〈51〉の記事と矛盾するようなタイトルですよね。

保育計画無しに学童保育をするとは何事か。

しかし、いざ作成しようと思っても出来るわけがない現状があります。


情報不足

入所時または一年に一度の保護者からの調査票、入所前の保育園・幼稚園からの情報提供。

これだけではアセスメントに必要な情報として不十分です。

学校生活あっての学童ライフですから、学校での様子も知る必要がありますし、療育施設の通所歴がある場合や放課後児童デイサービスを利用している場合は、そこでの介入方法などについても知る必要があります。

また保護者が自身の子どもについて深い理解があるわけでもない場合もあるし、保護者にとっても学童保育はただ子どもを預ける場とされている場合は、情報を得ることは大変難しいです。

多角的かつ正しい情報が得られないとアセスメントのしようがないので、計画を立てるところにすら行き着かないのです。


時間が無い

放課後児童支援員は時給働きです。平日なら1日の中の4時間半、夏休みなどの長期休業期間なら7時間半しか働けません。

そしてその時間の大半は、子ども達と向き合う時間です。

さらにシフト制で、支援員が皆で机を囲んで会議する時間などほぼありません。

話し合わなければアセスメントも計画もできません。

統一した介入もできないし、振り返りもできません。

継続的な保育など、夢のまた夢です。


学童保育だけで作るものではない

保育園・幼稚園と小学校・中学校間ではある発達支援計画に参加せずに学童保育だけで保育計画を作るなんて、無意味とまでは言いませんが、有効とは言えません。

放課後児童支援員だけが、どことも連携せずに頑張ったって、何も救えません。

「社会で子ども達を育てましょう」「小中の期間通じて子ども達を見守りましょう」その文言の中に学童保育の視点をなぜ入れないのでしょう。


無資格者には作れない

当たり前です。

保育・教育を学ばぬ者に、子ども達の今後の人生がかかっていると言っても過言ではない保育計画を立てられるわけがありません。

筆者もそうです。看護師でしたから看護計画は立てられます。ですが、保育計画は立てられません。

アセスメントの工程はほぼ同じですからできます。

しかし、アセスメントしたことに対して、どんな介入や声かけが必要なのか、保護者対応はどうしたらよいか、グレーゾーンをどう捉えるべきなのかは、本当に知らない世界です。

共に働く保育士に教えてもらっても、介入技術、保育技術が無いため、なんだこの場面、どうしたらいいんだ…と途方にくれることもあります。


では、どうしたらよいのでしょうね。

するべきことはあるのに出来ない現実。

育成支援って何なのでしょうね。