保育士や教員免許がある人は勤め始めの年でも放課後児童支援員の資格取得が可能です。これらの資格が無い人は資格取得に必要な時間数働くなりしてから資格を取ることが出来ます。

子ども達と向き合うための資格がある人が自分の子どもを見てくれたら安心できますよね。

ところが現状、放課後児童クラブや学童保育所の支援員には、誰でもなれます。無資格者のパート募集は至るところでされているでしょう。


なぜ誰でもよいのか。それは子どもの世話は誰でも出来ると皆が思っているからです。そして保育業界は万年人手不足ですから。実質来るもの拒まずです。

では、誰でもよいとはどのような状態か。想像してください。

小児に興味のある者でも、虐待や過去に犯罪歴がある者も上手く隠すことが出来たら入れます。見抜くシステムなどありませんからね。

倫理観や道徳心が欠けている者もいるかもしれませんね。

障がいのある人も働けますよね。それ自体は問題ないですが、放課後児童クラブで障害者雇用となると、働く人をサポートする役割を他の支援員が担うことが前提でしょう。

そのマンパワーは果たして確保できるでしょうか。子ども達の中にも発達障がいやその他課題を抱える子どもはたくさんいます。

同僚のケアと子ども達の支援介入の両立は、とても難しいと思います。

保健師免許を保持する私が、現在の放課後児童クラブで自称産業保健師的な立ち回りをしていますが…難しいですよね、本当に。

いずれにせよ、マンパワーが足りない、支援員の質が悪ければ、保育の質は下がります。時に虐待や人権侵害を生むのです。



いかがですか?これらは全く大袈裟ではありません。現に虐待や暴言でニュースに取り上げられることが近年目立つようになってきましたよね。

ただ子どもを見ていればいいという発想が自治体含め事業者にある場合、本当に現場はカオスです。そこで行われるものは、保育でも何でもありません。

仕事などで保護者と一緒にいられない時間に子ども達に接する支援員の、子ども達に与える影響は大きいです。時に親より生活面の援助や指導をします。誰が育てているのだろうかと複雑な思いになることすらあります。

それくらい密接に関わるのが放課後児童支援員ですから、預かってもらえればそれで良しではなく、預けるに相応しい人間かどうかを保護者はしっかり見なくてはいけません。

どうやって見るか。

子どもに放課後児童クラブや学童保育所でどう過ごしているか聞いてください。楽しく過ごせているか聞いてください。

子ども達は正直です。会話や表情で教えてくれます。そこから支援員がどう子ども達に声かけしているか、介入しているか見えますから。

迎えに来た時に、子どもと支援員の掛け合いや表情を見てください。「さようなら!」と言う時の仕草や表情を見てください。関係性が表れていますから。

公表されない限り、保護者から見たら、誰が有資格者で誰が無資格者かわからないということもあるでしょう。その状態ではダメだということに気付いてください。

放課後児童クラブの中は、見ようとしなければ見えない世界ですから、大事なお子さんのために目を凝らして、お子さんの話に耳を傾けてください。